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インディーゲームの勢いが止まらない!東京ゲームショウで「PCゲーム」が放った特別な存在感

2025.10.09

9月25日から28日にかけて、東京ゲームショウ2025(以下TGS)が開催された。

世界最大級のゲームの展示会として知られるTGSは、「その時のゲームのトレンド」をうかがい知るのに最適のイベントだ。どのような作品が展示され、それに伴う技術革新がどのように施されているのか。TGSは、「最先端技術のカタログ」という側面もある。

今年のTGSは、例年にも増してPC向けのゲームが、それもインディーかそれに近い開発者の作品が存在感を示していた。記事では、その一部をご紹介しよう。

グラフィック処理能力に優れた「ゲーミングPC」とは

PC向けゲームは、それまでは「日本人にはハードルが高い」とまで言われていた。

たとえば、大きな処理能力は必要ないテキストベースのゲームであれば、普段使いのPCでも十分にプレイできるだろう。しかし、大胆なグラフィックが画面内で躍動するゲームであれば、CPUとは別にグラフィックボードを搭載したゲーミングPCでなければ満足に動作してくれない。

中古PCの有償譲渡イベントなどで、よく高齢者が「ゲーム好きの孫のために」と何世代も前のノートPCを購入してしまうことがあるが、具体的に「孫はどんなゲームをプレイするのか?」を考えている人は多くない。

ゲーミングPCには、CPUの他にGPU(グラフィックボード)が搭載されている。これは映画制作にたとえれば分かりやすいか。ある映画監督は、いざとなれば自分の作品に自分の手でCGを施すことができる。が、実際にそのような作業をすることは殆どなく、いつもCG加工専門の業者に外注している。なぜか? 監督は多忙な上、自分でCGシーンを作るより専門業者にアウトソーシングしたほうがずっとクオリティの高いものができるからだ。

映画監督をCPU、専門業者をグラフィックボードに当てはめれば分かりやすいだろう。

しかし、家庭用ゲーム機が普及している日本では高価なゲーミングPCをわざわざ買う人は多くない……という論調が存在した。PCゲーム自体が「コアなゲーマー向け」と見る向きがあったのは確かだ。

インドネシアのオープンワールド不良ゲーム『Troublemaker』

それでも近年、日本人の視線がPCゲームに集まるようになったのは、「世界中の開発者が変わったゲームを配信している」ことが周知されたからだろう。

ここで言う「世界中」とは、経済先進国のみならず新興国も含まれる。インドネシアのGamecom Teamが開発した『Troublemaker』シリーズは、日本の有名タイトルの影響を受けつつも「インドネシアならでは」の独自性も発揮している意欲作だ。

現在に至るまで1、2を配信している『Troublemaker』。主人公は、極端に煽り耐性がないせいですぐに喧嘩を始めてしまう高校生のブディという青年。彼は転校先のSMK(工業高校)の「就業補助金」をかけた喧嘩トーナメントに参加する……という、日本の不良漫画みたいな展開のシナリオだ。

『Troublemaker 2』ではブディが高校を卒業した後の話が展開されるが、舞台はインドネシアの都市部。何と、オープンワールドである。インドネシアの大都市の光景がよく再現され、イベントの中では洪水まで発生する(ジャカルタの洪水は、もはや毎年のように発生している災害)。

ゲーム内容は「『龍が如く』のインドネシア版」という評価が妥当だが、上述の通りローカル要素が極めて強く、日本人の目から見れば斬新さの塊ですらある。「こんなゲームがあったのか!?」と驚かずにはいられないほどだ。

RCカーの挙動を完全再現した『シューティング・スター』

もう一つ、TGSのインディー開発者ブースコーナー『SELECTED INDIE 80』で展示された作品を取り上げたい。

Room Gamesが開発した『シューティング・スター』は、はっきり言えば今の時点では未完成の部分が多い。これを長時間遊べるかというと、決してそうではない。が、そうしたことを補って余りある将来性が随所から感じ取ることができる。

『シューティング・スター』は、それまでにありそうでなかったRCカーレーシングゲーム。後方から見下ろす三人称視点だが、本物の車とは全く異なる「RCカーの挙動」を上手く再現しているのだ。

コースの最中に設置されたジャンプ台を乗り越える際、手前で速度を絞らないと軽量のRCカーは簡単にひっくり返ってしまう。勢い余ってコースアウトすることも頻繁に起こる。また、人間が乗っているわけではないのでライバルとの文字通りのデッドヒートも頻発する。そんなRCカーレースならではの光景が、極めて忠実に表現されている。

バッテリー、モーター、タイヤなどの部品を組み合わせて改造することも可能。もっとも、今の時点ではまだ使用できる部品の数は多くないが、幸いにも現代のゲームはオンラインによるアップデートというものがある。Steamで早期アクセス配信中の『シューティング・スター』は、今後の進化を大いに期待できる作品と言えよう。

大手に負けない熱気

ここまで紹介したゲームは、もちろんTGSに出展された中のごく一部に過ぎない。

TGS2025の全体的な傾向を今一度書き表すとしたら、「インディー開発者の恐れ知らずの姿勢が会場を彩った」とするべきか。誰しもがその名を知っている大手開発者のブースは例年通り巨大なものだったが、それよりも遥かに小さいブースが、しかしながら大手に負けない熱気を放っていたことは特筆に値する現象である。

この熱気が、日本における「PCゲームブーム」を呼び起こす可能性も十分にあるだろう。

【参照】
Troublemaker 2: Beyond Dream-Steam
『シューティング・スター』-Steam

取材・文/澤田真一

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1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

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