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11月日本初開催のデフリンピック 女子バレーボール・長谷山優美さんが宣言!「3年前のリベンジを東京で果たします」【PR】

2025.10.20PR

sponsored by 東京都

2025年11月15日(土)から26日(水)まで開催される『東京2025デフリンピック』。「デフ」は英語で耳がきこえないという意味で、参加資格は補聴器を外した状態で聞こえる最も小さな音が55dB (デシベル)以上の選手。身体や視覚、知的障害の選手が出場するパラリンピックよりも歴史が古く、1924年にパリで初めて開かれ、日本での開催は初、さらに今大会は、100周年を迎える記念すべき大会でもある。12日間で21競技が行なわれ、約3000人の選手が参加。中でも、メダルに最も期待が集まる競技のひとつが女子バレーボールだ。その注目選手のひとり、長谷山優美さんに、意気込みを聞いた。

PROFILE
長谷山優美(はせやま・ゆうみ)
2000年静岡県生まれ、神奈川県育ち。中学1年生でバレーボールを始めると、その才能が開花。15歳という若さでデフ日本代表に選出された。2017年のサムスンデフリンピックでは、日本代表の金メダル獲得に大きく貢献。今年は日本でのデフリンピック開催を控え全勝優勝を目指し、チームの要として活躍が期待されている。

日本チームの強みは「粘り強さ」
負けなしの「完全優勝」を目指して

取材日は大会まで100日を切った8月末。充実したトレーニングができているためか、表情には自信が感じられる。これまでデフバレーボール女子日本代表が国際大会で輝かしい成績を収めているからもあるだろう。特に2017年にトルコで開催されたデフリンピックでは全勝優勝を達成するなど、その強さを世界に見せつけてきた。

「今年のはじめくらいまで合宿は基本、月に1回程度だったんですけど、最近は月に2回とか、回数がこれまでより増えています。さらに、集まれる選手で自主合宿も行ない、とにかく練習の回数を増やしています。今回、東京2025デフリンピックに出場する選手は、前回2022年のカシアス・ド・スル大会に出場した選手が多く残っています。この大会でも全勝を目指していたのですが、新型コロナのため大会期間中に日本選手団が全員棄権し帰国、ということになりました。コロナ渦で仕方のないことではあったのですが、メダルを獲れなかった悔しさを共有しているメンバーが集まっているので、東京デフリンピックに対する気持ちはすごく強いと思います」

もちろん、今回の東京大会も、目指すは全勝での完全優勝だ。

「メダルの期待がかかっているのは感じています。でも『余裕』という感覚はなくて、危機感はすごくあります。今のままだと完全優勝できないよ、みたいな。去年の6月の沖縄で世界選手権が開催された時に、結果的に優勝はできたのですが、ウクライナに予選リーグで負けているんですよ。それもあってチームとしては『まだまだ』という意識でいます。合宿などでもお互いに厳しく、励まし合いながら質の高い練習をしているところです。

海外に比べると日本チームの身長は低いほうで、バレーボールはやっぱり身長があるほうが有利なのは間違いないんですよね。そのため、とにかくスピードのある攻撃をしていくこと、サーブで攻めて相手を崩すのが日本チームの特徴。あとは粘り強さにも自信があります。とにかく最後までボールを拾うのも強みのひとつです」

長谷山選手のポジションはミドルブロッカー。守備のときにはネットの真ん中で相手をブロックし、攻撃ではクイック攻撃を担うなど、攻守にわたって活躍が求められる重要なポジションだ。

「ミドルブロッカーの理想は、身長が高くて、ブロックの壁を高く作れる選手です。ただ私は身長が高くないので、とにかくどんなボールが来てもブロックに跳んで、相手のスパイクをできるだけ多く手に当てて、いいチャンスボールを作って、自分たちの攻めにつなげていくというところを目指しています。あとは、とにかく速攻(クイック攻撃)ですね。素早いボールを相手のコートに打ち込んでチームの流れを引き寄せる、そういう選手になりたいですね」

手話言語やアイコンタクトを駆使し
分かりあうまでコミュニケーションを取り続ける

デフバレーボールは、基本的にはきこえる人のバレーボールと同じルールで行われる。ただ国際ルールには補聴器や人工内耳を外してプレーすることが義務付けられているため、きこえない選手たちは手話やアイコンタクトなどでコミュニケーションをとる。また審判のホイッスルがきこえないため、分かりにくい反則があってプレーが続いてしまっているようなとき、主審や副審がネットを揺らして合図を送ることがあるなどの特徴がある。

「私たちのチームは基本的に手話を第一言語としてコミュニケーションをとっています。同じろう者でもろう学校で育った人もいれば、一般の学校で育った人もいて、手話なのか音声言語なのか、育った環境によってコミュニケーションの方法が違っています。チームに加入したときには手話ができない選手もいて、最初は戸惑うこともあるんです。だけど、とにかく手話を使って、気づいたらみんな手話ができるようになった、という感じでコミュニケーションを密にしていきます」

練習中などはじっくり手話でコミュニケーションがとれるものの、瞬間、瞬間で判断をしていく必要がある試合中はそうもいかない。

「試合中はとにかくアイコンタクトを取って、顔を見てコミュニケーションを取るということをしています。手話ができないタイミングもあるので。とっさにお互いのことを理解するためには、練習の時から必ず相手のお互い目を見合うこと、お互いが分かり合うまでしっかりコミュニケーションを取り続けることが大切ですね。一般のバレーボールとは違って難しいところはあります。でも私はバレーボールを始めたときからずっとろう学校で育ってきたので、コミュニケーション面で困ることってあまりないんです。

でも選手によっては、音や声がある状況が当然当たり前という環境から、補聴器と人工内耳をとって無音でプレーをし始める選手もいます。ボールが当たった時に音がきこえないとか、声がきこえない、全く自分で音をきき取れないという状況でバレーボールをすると、いつもよりも周りを見なきゃいけない。初めは苦労したっていう選手も中にはいますね」

日本初開催のデフリンピックを通して
ろう者や大会への理解が広まることを期待

1924年、パリで初めて開催されてから約100年。日本では初めてデフリンピックが開催される。

「スポーツとしての面白さももちろん伝えたいのですが、聴覚障がい者に対する理解、あるいはデフリンピックがあるという存在が広まることも期待したいです。大会が終わって『はい、終わり』、そこから皆さんの記憶からなくなってく・・・ではなくて、引き続きデフスポーツの日本代表を目指している、ろうの子どもたちが集中して練習できるような環境整備が進めばいいな、と考えています。

あとは普段の生活の面ですね。最近はコンビニに行くと、『袋が必要ですか?』『温めますか?』など、指差しで意思表示ができるカードが置いてあります。これにはすごく助けられているんです! こういうものが当たり前にある環境になっていくといいなって。あとは映画の字幕上映が当たり前になるとか。そういう小さなことでいいから、まずは私たちに関心を向けてほしいですね」

長谷山選手は、15歳から代表入りし、日本代表をけん引。今大会はチームリーダーとしても期待される。

「代表歴は長いのですが、チームを引っ張れるようなタイプではないんです(笑)。どちらかというと、裏方というか、選手たちの困っていることや、悩んでいることを相談相手になって聞く、みたいな役割も多いですね。代表ではベンチにいる時代もあったので、試合に出られない選手の気持ちも自分は分かっていますし、その気持ちの対処の仕方とか、陰でチームを支える存在だと自分では思っています。

バレーボールはやっぱり団体競技なので、誰か一人でも雰囲気が悪くなると、周りにも影響してしまいます。私は、『自分が変われば周りも変わる』という言葉を大事にしていますが、まず自分から、自分が決めたら全力で楽しむとか、相手が決めたら一緒に喜ぶとか、そうすると自然とみんな笑顔になっていく。ろう者って声はきこえないので、やっぱり顔を見るんですよ。相手の顔を見るので、顔に出すこと、顔に出るものってすごく大事なので、そこを意識するようにしています」

長谷山選手が出場する女子バレーボールは、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場 体育館にて、11月16日より競技予定。観戦は予約不要で無料。新たに開発されたデフアスリートへの〝目でみる〟応援方法「サインエール」も参考に、ぜひ実際に足を運び、応援してほしい。

【第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025 開催概要】

大会期間/2025年11月15日(土)~26日(水)12日間
参加国/70~80か国・地域
参加選手数/約3000人(ほかスタッフ等約3000人)
競技数/21競技(陸上、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、自転車(ロード、マウンテンバイク)、サッカー、ゴルフ、ハンドボール、柔道、空手、オリエンテーリング、射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、レスリング(フリースタイル・グレコローマン)
競技会場/東京体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場、東京高速道路及び首都高速道路高速八重洲線の一部ほか。福島県(サッカー)、静岡県(自転車)でも開催
https://deaflympics2025-games.jp/#gsc.tab=0

【バレーボール(女子)】

●会場/東京・駒沢オリンピック公園総合運動場 体育館
●競技スケジュール/11月16日(日)、18日(火)、20日(木)、22日(土)~24日(月・祝)、25日(火)※メダルセッション
https://deaflympics2025-games.jp/main-info/venue/komazawa/gym/#gsc.tab=0

取材・文/今 雄飛 撮影/藤岡雅樹 手話通訳/佐藤晴香 編集/原口りう子

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