「iPhone 17 Pro Max」VS「Google Pixel 10 Pro XL」、最新スマホのカメラ機能を比べてみた!
2025.10.09
8月、9月は、新型スマホが多く発売される時期でもある。日本市場でも、注目度の高いiPhoneシリーズや、Pixelシリーズの新モデルが発売されたことで、これから機種変更を検討している人も多いはずだ。
本記事では、そんな注目ブランドの上位モデル「iPhone 17 Pro Max」と「Google Pixel 10 Pro Max」の2機種にて、カメラ機能を見比べていく。
iPhone 17 Pro MaxとPixel 10 Pro XLのカメラスペック
まずはiPhone 17 Pro Max、Pixel 10 Pro XLのカメラスペックについてチェックしていく。
iPhone 17 Pro Maxは、48MP Pro Fusionカメラシステムを採用。アウトカメラの広角、超広角、望遠全てが48MPとなっている。昨年からのアップデートポイントが望遠カメラで、光学4倍、高額品質8倍ズームに対応。デジタルズームは最大40倍となる。
Pixel 10 Pro XLは、広角カメラが50MP、超広角、望遠カメラは48MPだ。光学ズームは5倍となった。AIを活用した超解像ズーム Proが特徴で、最大100倍まで拡大可能となる。
フロントカメラは、iPhone 17 Pro Maxが18MP。正方形のセンサーを搭載し、複数人でのセルフィー撮影の際には、画角が自動的に切り替わる「センターフレーム」機能や、動画撮影時に、アウトカメラとフロントカメラの両方で同時に録画する「デュアルキャプチャビデオ」といった新機能が搭載された。
Pixel 10 Pro XLのフロントカメラは42MP。特筆すべき新機能を搭載するわけではないが、フロントカメラとしてはかなり高い解像度を備えている。
iPhone 17 Pro Max、Pixel 10 Pro XLは、光学、デジタルズームの倍率に違いはあるものの、アウトカメラの解像度的には近しいスペックを搭載する。フロントカメラとしては、ユニークな機能を搭載したiPhone 17 Pro Max、解像度の高いPixel 10 Pro XLという違いが見て取れる。
アウトカメラ、フロントカメラの写り方をチェック
では、iPhone 17 Pro Max、Pixel 10 Pro XLの2モデルにて撮影した写真を見比べていこう。なお、掲載する写真は、サイズを変更したのみのものとなっており、編集の手は加えていないものとなる。
■メインカメラの写真は色表現の違いに注目
まずはメインカメラでの撮影だ。
iPhone 17 Pro MaxとPixel 10 Pro XLの写真を見比べると、Pixel 10 Pro XLの方が、色味を強く補正し、明るい写真に仕上がる。どちらも解像感は十分だが、iPhone 17 Pro Maxは、比較的リアルな色を残しながら、したたかに色温度を調整しているのに対し、Pixel 10 Pro XLはかなり「補正しました!」という主張が強い印象だ。特にPixel 10 Pro XLは、空の青色の映え方が、今どきらしい、生き生きとした色になる一方で、建物の色味は若干白みが強すぎる印象も受ける。
食事の写真を撮るとはっきりと感じるのが、色温度の違い。iPhone 17 Pro Maxは赤みが強く、Pixel 10 Pro XLは青み(白み)が強い。こちらもリアルな色に近いのはiPhone 17 Pro Maxだが、その分、照明の影響をやや強く受ける印象もある。
また、Pixel 9以前のモデルでは、青みが強すぎて、食事があまり美味しそうに写らないといった意見も見かけたが、Pixel 10 Pro XLでは、AIが食事シーンを認識しているのか、青すぎる印象はかなりなくなっている。SNS用に映える写真を撮るのであれば、前モデルよりも適したカメラになったと感じる。
ペットの写真も、色表現は共通で、iPhone 17 Pro Maxは赤み、Pixel 10 Pro XLは青みが強い。どちらも、ポートレートモードに設定を切り替えずとも、犬をしっかりと認識して、背景を強くぼかしてくれるため、サッと撮影したいシーンでも使いやすい。
夜景の撮影も、Pixel 10 Pro XLの方が明るい写真になった。光を多く取り込むのはいいが、あえて暗い場面を強調したいシーンなどでは、若干やりすぎな印象もある。iPhone 17 Pro Maxは、暗い部分は暗いまま残しつつ、視認性を向上させる程度の明るさをうまく表現しており、個人的には好みだ。
■歪みも少なく実用的な超広角カメラ
続いては超広角カメラを使った写真だ。
両モデルとも、超広角カメラも、色表現としてはメインカメラに近い。いずれも歪みはほぼ見られず、優秀な印象だ。画角の広さは、iPhone 17 Pro Maxが120度、Pixel 10 Pro XLが123度となっているが、使っていて大きな違いは感じない。
超広角カメラを使ったマクロ撮影では、iPhone 17 Pro Maxの方が、より近くでピントが合う。一方で、明るい色味になりがちなPixel 10 Pro XLは明るい写真が強みであることもあり、被写体の精細さが際立ち、クリアな写真に仕上がる印象だ。
■光学ズーム、AIを使ったデジタルズームの違い
望遠カメラは、iPhone 17 Pro Maxが光学4倍、Pixel 10 Pro XLが光学5倍となる。iPhone 17 Pro Maxは、前モデルから焦点距離が若干短くなったが、代わりに解像度がアップしており、使い勝手に大きな違いは感じていない。
2倍ズームは、メインカメラのクロップズームを使用して撮影するため、光学品質の仕上がりになる。色表現などもメインカメラのものになるため、扱いやすい印象だ。
望遠カメラを使った光学ズームも、メインカメラと色表現のコンセプトは共通になっている。光学ズームであるため、バチっと被写体の輪郭まで捉えられており、かなり実用的だ。
望遠カメラの倍率は、4倍より5倍が優れているのかといえば、必ずしもそうではない。状況によっては、4倍程度の方がちょうどいい場合もあるだろう。実際に使っていても、4倍と5倍の違いはそこまで極端に感じないため、特別意識するポイントではないだろう。
デジタルズームは、iPhone 17 Pro Maxが最大40倍、Pixel 10 Pro XLが最大100倍となる。2桁以上の倍率に、どこまで利用シーンがあるのかはさておき、超解像ズーム Proと名付けられた、Pixel 10 Pro XLの100倍ズームのインパクトは大きい。
ただし、Pixel 10 Pro XLの100倍ズームは、AIによる補正がかなり強く入り、もはや写真の撮影というよりは、新しく絵を描いているのではないかという見方もできる。そのため、被写体によっては、正確ではない描画が行われる点には注意が必要だ。
■ユニークな機能を備えるiPhone 17 Pro Maxと高解像度なPixel 10 Pro XLのフロントカメラ
フロントカメラは、iPhone 17 Pro Maxが18MP、Pixel 10 Pro XLが42MPとなっており、2モデル間では最も解像度が離れたカメラとなる。そのため、精細さという意味では、Pixel 10 Pro XLに軍配が上がる。
一方で、iPhone 17 Pro Maxは、センターフレーム機能を使うことで、複数人で撮影するシーンでも、iPhone 17 Pro Max本体を縦に持ったまま、横向きの写真が撮影できるのが、快適で面白い。個人的にはそこまでセルフィーを撮影するシーンこそないが、ぜひ多用したいと思わされるユニークさが魅力だ。
シンプルなUIにまとめられたiOS 26と設定項目を簡潔にまとめたAndroid 16
最後に、カメラアプリのUIについても簡単に触れておこう。
iPhone 17 Pro Maxには、iOS 26がプリインストールされており、ガラス調のシンプルなデザインになっている。カメラアプリを開くと、写真、ビデオの切り替え、アウトカメラとフロントカメラの切り替えといった簡単な項目しか見えないようになっており、直感的に写真の撮影ができる。特にカメラコントロールを使う場合は、画面上がシンプルにまとめられた方が扱いやすいため、いい兼ね合いになっていると感じる。
Pixel 10 Pro XLは、シャッターボタンの下に撮影モードを切り替えられるタブが並べられているほか、左下の設定から画角といった細かな設定、右下のアイコンからはシャドウや露出といったカメラらしい設定が行える。加えて、画面上部にもさまざまなアイコンが並んでいることから、どの設定項目が、どの領域に隠れているのかが若干分かりにくい。
もちろん、いずれも慣れの問題ではあるが、より簡潔に撮影できるのがiPhone 17 Pro Maxのカメラアプリなのに対し、撮影ごとに設定をいじっていきたい人には、Pixel 10 Pro XLの方が使いやすいかもしれない。
取材・文/佐藤文彦