
株式分割は、1株が2株になると理論上は1/2の額で100株を買え、しかも、企業によっては分割後の100株でも株主優待制度を受けられることもある。これは拡充と言えるだろう。
株式分割後の100株でも株主優待がもらえる銘柄に注目
そんな「株式分割して分割後の100株でも株主優待がもらえる」銘柄は、個人投資家にとっても小資金で株主優待をもらえるわけで、かなり魅力的に見える。
ただし、株式分割する銘柄でも、保有条件などがあるケースでは株主優待をすぐにもらえない可能性があり、気をつけなくてはいけない。※株価は2025年10月3日終値
西華産業(8061)(株価1,920円、最低投資額19万2,000円※分割後100株)の株式分割は…
2025年9月30日に1:3で分割したのは、機械総合商社の西華産業(8061)だ。分割後の100株でも株主優待がもらえ、今(2025年10月)購入すれば、2026年3月権利にも間に合う。
100株保有している人がもらえるのは1,000円分のQUOカード。分割前に34株保有していた人は分割後102株保有となる。
分割前に100株保有していた人は、分割後300株保有となり、額面2,000円分のQUOカードがもらえる。分割前200株保有していれば分割後600株保有で、こちらは額面3,000円分のQUOカードがもらえるわけだ。配当利回りも3.84%あり、分割後100株保有だと優待+配当利回りは4.22%となる。
QUOカードは、ローソン、セブン-イレブンで使えるほか、ドラッグストアのマツモトキヨシ、ファミレスのデニーズなどで使える。有効期限もないため、急いで使わなくてよいのがありがたい。
【株主優待ガイド】ファミマでQUOカードが使えなくなるって本当?覚えておきたい便利な使い方5選
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ファミマでQUOカードが使えなくなるって、知ってた? ファミリーマートで12月23日よりQUOカードが使えなくなる──。 これはつまり、株主優待で生活する優待族…
JMホールディングス(3539)(株価2,977円、最低投資額14万8,850円※分割前50株、分割後100株)の株式分割は…
「肉のハナマサ」で知られるJMホールディングス(3539)は、10月31日基準日、1:2で株式分割をし、さらには分割後100株(分割前50株)でもグループ商品券1,000円分(500円×2枚)がもらえる。
今回の変更では、分割前に50株保有していて分割後に100株保有になった人も株主優待を受け取れる。つまり、これまでは株主優待の権利がなかった人も対象になる。
ただし注意しておくべき点もある。JMホールディングスは「毎年7月末日と前年の7月末日の基準日において、当社株主名簿に同一株主番号で1単元(100株)以上の保有が記載または記録されている」ことが株主優待を受け取る条件で、しかも、任意の日に株主番号チェックもあるため、来年の2026年7月の権利を受け取りたいなら2025年7月から株式を保有していないといけない。
2025年7月権利までに保有していた場合
・2026年7月も同一株主番号で保有、任意の日の株主番号チェックにも合格
→2026年7月権利の株主優待を受けられる
2026年7月権利までに保有していた場合
・2027年7月も同一株主番号で保有、任意の日の株主番号チェックにも合格
→2027年7月権利の株主優待を受けられる
分割前100株(分割後200株)や分割前500株、1,000株、1万株保有者の株主優待の内容変更はないが、こちらも任意の日の株主番号チェックがある。貸株などをしている人は要注意だ。
分割後200株以上からもらえる精肉関連商品は、過去、2kgの鶏肉がもらえたため食費節約にもつながりそうだ。
マブチモーター(6592)(株価2,539.5円、最低投資額12万6,975円※分割前50株、分割後100株)の株式分割は…
マブチモーター(6592)は、小型直流モーターで有名な企業で、日本だけでなく中国やベトナムにも輸出している。このマブチモーターは2025年12月31日基準日(実際には2025年12月30日)に1:2で株式分割をし、分割後100株(分割前50株)でも株主優待がもらえるようになる。
2025年12月権利は株式分割前が適用されるが、2026年12月権利は100株以上200株未満の権利ができるため、分割前50株保有者も1年以上株式番号が変わらなければ株主優待を受け取れる。分割後200株(分割前100株)など、他の権利は分割前と分割後の内容の変更はない。
分割前の100株、1年以上保有であればQUOカード1,000円分がもらえたので、分割前50株、分割後100株もQUOカード500円分ではないかと推測できるが、これは推測であり、決定事項ではない。分割後100株も1年以上の保有が必要条件なので、何がもらえるのか予想しながら権利を取ってみよう。
ザ・パック(3950)(株価1,199円、最低投資額11万9,900円)の株式分割は…
紙袋は国内シェア1位、そのほか、フィルム袋なども製造販売するザ・パック(3950)は、すでに2025年6月30日基準日で1:3の株式分割を行っている。そして、分割後も株主優待に関しては「同様の優待制度を継続」としている。
ザ・パックでの株主優待は年2回で、6月に100株保有で図書カード500円相当、12月に100株でQUOカード1,000円相当がもらえる。6月は分割前なので、分割前100株(分割後では300株相当)の金額が購入に必要だったが、12月権利では分割後100株で株主優待を受け取れるようになる。株価変動がないと仮定すると、1/3の金額で権利が取れる。
売上高や営業利益は、2025年6月期は下方修正されているが増配傾向。配当利回りは3.45%あり、分割後、100株保有だと優待+配当利回りは4.69%となる。