
ウェルビーイング嗜好の高まりや円安・物価高の影響など昨今の消費者や社会を取り巻く環境の変化が多い中、カフェ開店の激化やコンビニで手軽に購入できるドリンク製品の発展、若者の嗜好の変化など、コーヒーを取り巻く環境や飲用習慣にも変化が生じている。
こうした中でデロンギ・ジャパンはこのほど、20~69歳、男女計500人の「週1回以上自宅でコーヒーを飲む人」を対象に、「コーヒーの飲用調査 2025年度版」を行い、さまざまな視点における飲用実態を公開した。
Ⅰ. 2025年度版コーヒー飲用実態
■コーヒーを最も飲む場所は「自宅」 昨年度から5ポイント上昇
コーヒーを飲む頻度について、「1日1杯以上飲む」のは83.9%と、引き続き高い結果となった。コーヒーを飲む場所については「カフェ・喫茶店」「ファストフード店」の回答率が増加した一方、その中で一番多い場所を聞くと「自宅」の回答が57.6%と最も高い結果に。昨今の物価高の影響等により、外でのコーヒー飲用機会が減少し、自宅でコーヒーを楽しむ人が多いことが予想できる。
[グラフ1]
[グラフ2]
■最も好きなコーヒーメニュー、引き続き「ドリップコーヒー」「カフェオレ」が首位
最も好きなコーヒーメニューを聞くと、例年に引き続き「ドリップコーヒー」が最多で、「カフェオレ」が次いで上位を維持した。また、「カフェラテ」や「カプチーノ」など、エスプレッソをベースとしたミルクアレンジのメニューも人気を獲得。ミルクメニューを最も好きと回答した割合は合計40.5%となった。コーヒー飲用者は普段のドリンク選択においても、ミルクメニューを選ぶ方が多い傾向がうかがえる。
自宅で週に1回以上コーヒーを飲む人に「ブラック派」「ミルク派」のどちらかについて聞くと、「ブラック派」が55.1%、「ミルク派」が44.9%と、おおよそ半数ずつに分かれる結果となった。昨年の調査結果と比較すると、「ミルク派」の割合は昨年度から0.9ポイント増加しており、微増ではあるものの、ミルクメニュー人気が高まっている傾向が見受けられる[グラフ3, 4]。
性年代別に見ると、女性は年代が下がるほど「ミルク派」が多くなる傾向があり、男性は20代が最も「ミルク派」が多い結果となった[グラフ5]。
[グラフ3] [グラフ4]
[グラフ5]
■ミルクメニューの“選択肢”、特に若年層で増加傾向か
同回答者に、自宅で飲むコーヒーのミルクメニューに使用するミルクの種類について聞いたところ、ミルク使用者の中ではどの年代も「牛乳」が最も高い結果となった。その一方で、20代では9.2%が「アーモンドミルク」、6.8%が「オーツミルク」と、ミルクの種類から選択の幅が広がっていることがわかる[グラフ6]。
[グラフ6]
■ミルクメニューの“違い”理解度は?「カフェオレ」と「カフェラテ」の違い認知度はわずか20.5%!
ミルクメニューの人気が高まっている中で、「カフェオレ」、「カフェラテ」、「カプチーノ」などの違いについて、理解度を調査。その結果、「理解している」「やや理解している」と回答した割合が約6割との結果となった。
「カフェオレ」は、ペーパーやネルなどで抽出した、いわゆるドリップコーヒーを使い、「カフェラテ」は高圧で抽出したエスプレッソを使うメニューになっているが、その違いを正しく理解をしている人はわずか20.5%となり、「わからない」回答が34.8%という結果となった。
この結果から、約2人に1人がミルク派である一方で、各メニューの違いまで理解している人は少ないことが明らかになった。そのうえで、コーヒーメニューの違いについて知りたいかを尋ねたところ、「知りたい」「やや知りたい」が合計62.8%となり、多数派を占める結果となった[グラフ7]。
[グラフ7]
■自宅で飲むコーヒー、若年層のこだわりが増長傾向か
自宅で飲むコーヒーを用意する方法について、最多は「インスタントコーヒーを使う」が過半数(51.7%)となった。その一方で、若年層ほど豆から挽く、焙煎から行う等の、<挽きたて・淹れたて>等に対するこだわりを持つ傾向があることがうかがえる[グラフ8, 9]。物価高を背景として、自宅で飲むコーヒーへのこだわりが高まっているとも推測できる。
また、回答全体を見た時、「豆から挽いて、それからハンドドリップで淹れる」、「豆から挽ける全自動タイプのコーヒーメーカーで淹れる」、「豆から挽いて、それからマシンを使って淹れる」のいずれかを選択した人を「豆から挽く派」と定義すると、いずれかを選択した人は合計22.0%で、2022年の調査結果(17.4%)と比較して増加傾向がうかがえる[グラフ10]。
[グラフ8]
[グラフ9]
[グラフ10]
コーヒー1杯にかける金額について聞いたところ、自宅で一杯にかける平均値は91.45円と過去最安に。2024年度の結果からは約67円もの減少となった。自宅での“理想の金額”はさらに安くしたい意向がある一方で、“極上の一杯にかけたい金額”の伸び率としては、「自宅」「コンビニ」「カフェ」を比較した際に最も高く、「自宅で飲むコーヒー」へのこだわりの高まりを感じさせる[表2]。
このように、自宅でのコーヒータイムにも豆から挽く派が全体の5分の1以上は存在し、自宅での“極上の一杯”にかけたい金額の伸び率が高いことから、「自宅でも、味や香りなどにこだわった、質の良いコーヒーを楽しみたい」層が多いことが読み取れる。
Ⅱ. コーヒー習慣の多様性調査
■「健康のためにコーヒーを飲みたい」人は過半数越え!引き続き “コーヒー×健康”に注目傾向か
回答者の中で、「健康のためにコーヒーを飲みたい」と回答した人は52.7%と過半数を占め、引き続き“コーヒー×健康”に対する関心が高まっていることがうかがえる[グラフ11]。
[グラフ11]
■コーヒーに期待する効果は「健康寿命を伸ばす」が最多
「コーヒーと心身の健康」に関連すると思う要素として、「精神面の安定」(49.3%)、「生活習慣病予防」(22.3%)、「腸活」(18.9%)、「ダイエット」(14.9%)と続き、コーヒーについて健康面への効果を意識していることがうかがえる。また、「美容・アンチエイジング」「デトックス」「健康寿命を伸ばす」の3項目では20代の意識率が最も高く、若い世代ほどコーヒーと健康を結び付けている傾向が見受けられる結果となった[グラフ12]。
[グラフ12]
■「コーヒー×プロテイン」、飲んでみたい人は31.4%!今後のトレンドとなるか!?
昨今SNSでも話題に上がっている「プロフィー」と呼ばれる、プロテインを混ぜたコーヒー(エスプレッソやブラックコーヒー等)を飲んだことが「ある」人は全体で11.6%となった[グラフ13]。性年代別に見ると、20代が29.2%、30代が18.3%という結果で、若い人が多い傾向にあり、特に20代男性に多い(34.0%)ことがわかる[グラフ14]。
飲んだことがある人は少数派となった結果だったが、31.4%がプロフィーを「飲んでみたい」と回答。今後のトレンドとして期待が持てる結果となった [グラフ15]。
[グラフ13]
[グラフ14]
[グラフ15]
<過去調査 対象者>
-2024年度
●調査対象:「自宅で週に1回以上コーヒーを飲む」20~60代男女200人、計400人 性年代均等割付
-2023年度
●調査対象:20~69 歳の週 1 回以上自宅でコーヒーを飲んでいる男女 4,700 人(各都道府県男女均等割付)
-2022年度
●調査対象:20~69歳の週1回以上自宅でコーヒーを飲んでいる男女4,700人(各都道府県男女均等割付)
出典元:デロンギ・ジャパン株式会社
構成/こじへい