
GoogleのGboardは、優れた変換性能に加えて好きな写真を背景にできるテーマ機能、音声入力や翻訳機能などの便利な機能をそなえたスマートフォンやタブレット向けのキーボードアプリだ。
そんなGboardを開発するチームでは、思いどおりの文字入力を提供すべく研究開発を進めると同時に、ユニークな文字入力環境を実現するために、これまでにもさまざまなキーボードや入力端末を提案してきた。

そして今回も実際に作ることができる新たな DIYキーボードが紹介された。それがGboard ダイヤルバージョン。従来の打つ・押す・叩くという動作を見直し、回転による文字入力を実現したキーボードである。
本稿では同社発表ブログをベースに、その概要をお伝えする。
■「Gboard ダイヤルバージョン」の紹介映像も公開中
歴史に裏打ちされたダイヤル式、手応えのあるキーボードが完成
開発チームによれば、Gboard ダイヤルバージョンは、新規性と直感性に優れたキーボードだという。

操作は革新的な円形デザインに美しく配置されたキーホールに指を差し込んで、あとはダイヤルを回すだけ。曲線的な操作方法と、どこか懐かしいジーコジーコという入力音が、使う者を新しい入力体験へと誘ってくれるはずだ。
従来のダイヤル入力をそのままの形で導入すると、キーの増加にともなう大型化と回転速度の低下が課題となるが、メインのダイヤルを3重に配置することによって、この問題を解決。この結果、劇的な小型化と3倍の高速化に加えて、並列入力も実現している。

各種ファンクションキーやカーソルキーなどは独立したダイヤルとして用意されており、文字ダイヤルとの組み合わせに最適。エンターキーと数字キーは、使い慣れた手に馴染むデザインを採用している。
このようにダイヤル入力は誤操作を防いで、確かな入力を叶えてくれるはず。同時にダイヤルが戻る時間は、あなたに落ち着いた思考と、新たな入力体験をもたらしてくれるに違いない。

今後も同チームでは、業務や好みに合わせたカラーバリエーション、落ち着いた部屋にマッチするフリルカバー、拡張機器のマウススタンドやカールコードなどの開発が検討されているという。

同チームでは、今回の発表に際して次のようにコメントしている。
「これまでのキーボードは押すという動作が主体でした。押してだめということではありませんが少し引いて考えた時に、この懐かしくも新しいキーボードにたどり着きました。
これからもより快適な入力方法の実現に向けて、コペルニクス的転回を果たしていきたいと考えています。今年もよろしくお願いします。
なお、キーボードの発表に最適な日を検討していた際、101キーボードと呼ばれる101個のキーがあるタイプがよく使われていることに気がつきました。そこで、101キーボードにちなんで10月1日に公開しました」
◎気になる設計図はこちらから。https://github.com/google/mozc-devices
関連情報
https://blog.google/intl/ja-jp/products/android-chrome-play/gboard-2025/
構成/清水眞希