
ビデオリサーチは、2014年と2024年の生活者の「自信」に対する意識の変化を示した調査結果を公開した。同調査では、50年にわたり日本の生活者の意識動向を調査し続けている同社の「ACR/ex(エーシーアール エクス)」データをもとに、「自分に自信がある」と回答した人の2014年と2024年の性年代別の比較や、意識、行動の変化について明らかにしている。
2014年は60代男性の2人に1人が「自信がある」と回答
【調査結果】
■2014・2024年の「自分に自信がある」人性年代別結果
2014年と2024年の「自分に自信がある」と答えた人を性年代別に比較すると(図1)、2014年は全年代において女性より男性のほうの割合が高く、特に60代男性は2人に1人(50.0%)が「自分に自信がある」と回答。一方、2024年は、女性の中では10代女性の割合が最も高く(29.4%)、2014年と比較すると11.2pt増加(1.6倍)している。
【図1】「自分に自信がある」人の割合 性年代別比較(2014・2024年)
■2014・2024年の生活意識比較
2014年と2024年において「自分に自信がある」と回答した人の意識項目で、スコアの高かった上位5項目をみてみると(図2)、最も高いのは、2014・2024年ともに「自分らしくいられるものを身に着けたい」(2014年 93.6%、2024年90.9%)だった。そのほか「お金はかけなくてもセンスのいいものを身に着けたい」、「自分の生活が他人に踏み込まれるのはいやだ」など、2014・2024年どちらでもランクインしている意識項目が多く、同様の傾向がみられる。一方、2024年の特徴として「『ワーク・ライフ・バランス』のとれた生活をしたい」の意識項目は2014年の3位から2位に上昇したほか、新たに「便利なものを取り入れて時間・手間を節約したい」が3位にランクイン。これらのことから、「自分に自信がある」人は約10年前も現在も自分の身に着けるものや生活に意識が向いており、特に現代は仕事と生活とのバランスを取り“自分らしさ”を大切にしている傾向があり、コミュニケーションの面では人との適度な距離感を重視している人、ということがうかがえる。
【図2】「自分に自信がある」人 意識項目比較 生活意識(2014・2024年)
■2014・2024年の意識変化比較(お金・仕事・くらし):
2014年と2024年で「自分に自信がある」と答えた人の意識に特に大きな変化があった項目のうち、図3では、お金や仕事などライフスタイルに関連する項目で特に変化があったものについて、2024年の割合が高い順に示している。※以降( )内は2014年との差分
2024年で回答率が高かった「資産運用に関心がある」60.5%(+24.5pt)、「転職・転業はいとわない」53.8%(+8.6pt)、「結婚という形式にとらわれない生き方に共感する」51.5%(+15.7pt)などは、近年、社会的にも変化してきている意識であり、現代の「自分に自信がある」人は時代や価値観の変化を積極的に受け入れていると考えられる。
【図3】「自分に自信がある」人 意識項目比較 価値観(お金・仕事・くらし、2014・2024年)
■2014・2024年の意識変化比較(美容・勉強)
2014年と2024年で「自分に自信がある」と答えた人の意識に特に大きな変化があった項目のうち、図4は美容・勉強に関する項目で10年前と比べて変化が大きかったものを、2024年の割合が高い順に示している。※以降( )内は2014年との差分
「肌の手入れに気を配っている」54.4%(+8.3pt)、「ボディケアに気を配っている」46.7%(+10.8pt)、「美容には気を使うほう」39.1%(+9.8pt)など、「自分に自信がある」人は見た目に気を配る割合が高まっていることがわかる。さらに、「資格取得の勉強をしている」も31.1%と2014年から8.8pt上昇していることから、見た目に限らず“自分はこうありたい”という姿があり、それに向かって努力する特徴もあるといえるかもしれない。
【図4】「自分に自信がある」人 意識項目比較 価値観(美容・勉強、2014・2024年)
【調査概要】
サービス名:ビデオリサーチ「ACR/ex」
調査期間:2014年(4月~6月)、2024年(4月~6月)
調査対象:男女12~69歳のうち「自分に自信がある」に「はい」と回答した人
対象地区:東京50km圏
サンプル数:2014年 1,386s、2024年 1,410s
関連情報
https://www.videor.co.jp/digestplus/article/consumer250929.html
構成/立原尚子