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最高のパフォーマンスは「休み方」で決まる!仕事の効率を上げ、人生を豊かにするセルフケア術

2025.09.27

現代のビジネスパーソンにとって、「休む」ことは決してサボることではない。むしろ、高いパフォーマンスを持続させるための重要な戦略である。脳神経外科医で『休息する技術』の著者である菅原道仁氏によると、多くの人は正しい休み方を知らずに働き続けており、それが疲労の蓄積と生産性の低下を招いているという。今回は、仕事や人生のパフォーマンスを上げる「休み方」について紹介する。

現代人の疲労は「脳と心」が原因

「休んだはずなのに、疲れが取れない」「眠りたいのに考え事が止まらない」そんな経験はないだろうか。菅原氏は、スマホやPCの普及やライフスタイルの変化により、疲労の原因は大きく変化していると指摘する。

現在の疲労には3つのタイプがある。1つ目は自律神経の疲れで、ストレスや不規則な生活によるもの。2つ目は心の疲れで、感情的なストレスが原因。3つ目が肉体の疲れである。デスクワーカーでも、長時間の座位や悪い姿勢により、肩や首に疲労を蓄積している場合が多い。

特に頭脳労働が中心となった現代では、PC作業や情報処理による脳の疲労、そしてメンタル面での疲労が主流となっている。従来の「寝る、リラックスする」だけでは、これらの疲労を完全には回復できないのが現実だ。

「アクティブレスト」で疲労をリセット

菅原氏が特に推奨するのは「自然に触れること」である。都市部であっても、ランチタイムや外回りの際に公園や緑地を活用すれば十分だ。大自然に出かける必要はなく、身近な緑で効果が得られる。ポイントは五感を意識的に使うことだ。風を感じ、木々の音を聞き、緑を見る。短時間でもこれらの感覚を意識することで、脳の回復力は高まる。

もう一つの重要な概念が「アクティブレスト」である。体がだるい時こそ、軽い運動を行うことで、その後の疲労感が軽減される。ゴルフやサーフィンなど、自然に触れながら行う運動は特に効果的だ。子どもと公園で遊ぶことも、心がリフレッシュされ、立派なアクティブレストになる。

従来の休息(パッシブレスト)も必要だが、現代人は脳や心の疲労が多いため、アクティブレストを意識的に取り入れることが重要である。

良質な休養にはデジタルとの適切な距離感が必要

スマホやPCは、脳の疲労にも直結する。ディスプレイの光や情報処理の負担により、脳がフル回転するからだ。特に、スマホやSNSは依存的になりやすい仕組みで作られているため、意識的に電源をオフにするなど、物理的に遮断することが最も効果的な対策である。

「寝る前にスマホを使用するのは、良質な睡眠を妨げる」という話は聞いたことがあるのではないか。しかし、菅原氏は、自分が楽しめる内容であればアクティブレストとしてプラスになると話す。ただし「流行っているから仕方なく見る」といった消極的な視聴や、SNSを通じてネガティブな感情が生まれると、疲労はさらに増大するため、避けた方が良いという。

休養の質を判断するには、翌朝の寝起きに注目してみると良い。スッキリ目覚められれば回復できているが、「まだ眠りたい」と感じる場合は疲労がリセットできていない証拠である。人生の4分の1を過ごす睡眠環境には、積極的に投資することを菅原氏は勧める。年収の1/4程度を寝具や椅子などに使っても価値があるという。

デスクワークの人は、多くの時間を過ごす椅子やデスクなどに投資をするのも良い。設備だけでなく、姿勢も重要である。胸を張るだけでなく、骨盤を立てることがポイントだ。バランスボールに乗るような感覚で座り、椅子に深く座りすぎて猫背にならないよう注意したい。

疲労回復の魔法の食べ物は存在しないが、効果的な食材はある。白米より玄米や五穀米のように、ビタミンB1が豊富なもの、ほうれん草などマグネシウムを含む野菜が脳の疲労を和らげる。忙しくてもコンビニでサラダを一品加えるだけで大きな違いがある。

当然のことながら、疲れというのは、働けば働くほど溜まるもの。しかし、日々自分を取り巻く環境を少し変えるだけで、その疲れは軽減させることができる。また、重要なのは、「なぜ働くのか」を明確にすることだ。自分がどんな人生を送りたいのか、何を実現したいのかが分かれば、効率的に働き、適切に休む意味も見えてくる。 現代のビジネスパーソンに求められるのは長時間労働ではない。質の高い休息によって持続可能な高パフォーマンスを実現することである。正しい休み方を身につければ、仕事の効率は格段に向上し、人生はより豊かになるはずだ。

【取材協力】
菅原 道仁(すがわら・みちひと)氏
現役脳神経外科医。1970 年生まれ。
杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞などの緊急脳疾患を専門として国立国際医療研究センターに勤務。2000 年、救急から在宅まで一貫した医療を提供できる医療システムの構築を目指し、脳神経外科専門の八王子市・北原国際病院に勤務し、緊急対応に明け暮
れる。
2015 年6月に菅原脳神経外科クリニック、2019 年 10 月に菅原クリニック 東京脳ドックを開院。その診療経験をもとに「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、心や生き方までをサポートする医療を行う。脳のしくみについてのわかりやすい解説は好評で、テレビ出演多数。
著書『休息する技術』
https://amzn.asia/d/17J8p1p

文 / Kikka

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