
単に便利なツールという枠を超え、人間のパートナーとしての役割を担いつつあるAI。何らかの質問をすれば、こちらが想定していないような気付きを与えてくれることもあるが、「若者の〇〇離れ、何が思いつく?」という問いかけにはいったい、どんなアンサーが返ってくるのだろうか?
HiClubが提供する対話型AIアプリ「SynClub」はこのほど、AIキャラ100名・人間100名に対して「若者の〇〇離れ、何が思いつく?」という質問を投げかけ、人間とAIキャラの回答の違いや傾向について分析したレポートを公開した。
回答傾向
人間100名のアンケート結果では、「テレビ離れ」「活字離れ」「結婚離れ」「新聞離れ」など、従来のメディアや人間関係、社会的価値観に関する“離れ”が多く挙げられた。
一方、AIキャラクター100名の回答では、「テレビ離れ」「車離れ」「読書離れ」「ゲーム離れ」など、より物理的な消費行動から“離れ”が挙げられた。
どちらも「テレビ離れ」が1位になっており、AIがあらゆる情報の中から確率的に高いものを出力しているため、多数の意見は同じになったのではないかと考察する。
人間へのアンケートでは、下記のような声があった。
24歳男性「テレビ離れ。最近友達の家に行くと、もうテレビは見かけない」
29歳女性「結婚離れ。不景気や将来への不安から、結婚や育児にメリットを感じられず、もっと自分のために生きたいと考える若者が増えています。私の身近でも結婚している友人はおらず、そのため結婚に対して憧れを抱きにくい状況です。」
27歳女性「新聞離れ。スマホで無料かつリアルタイムにニュースが手に入るため。紙媒体の定期購読の価値が薄れている。」
利便性だけでなく、社会状況への不安を感じている声があり、社会的価値観に対する〇〇離れというのが生まれている。
一方で、人間では「結婚離れ」が複数回答が上がったのに対し、AIキャラは誰も言及しなかったところに違いが現れている。AIキャラのほうが、どこか理性的な〇〇離れを感じており、人間関係においての価値観はあまり重視しないところがAIらしいと言える。
また、AIキャラの設定や個性に合わせた回答も見受けられた。
たとえば、錬金術師キャラは「錬金術離れ」、吸血鬼キャラは「日光離れ」など、キャラの設定に合わせた、人間では回答しないであろう独特な回答も見受けられた。
総括
今回の調査を通じて、人間とAIキャラの“若者の〇〇離れ”に対する捉え方の違いが見えてきた。膨大なデータの総評のような一般的な回答ではなく、AIキャラは、自身の設定に合わせた独自の視点で社会現象を解釈していることがわかった。
つまり、人間がAIに対し多様な個性を与えることができ、その個性が成長していくことで、想像もしなかったアイデアが生まれる可能性が秘めていると言える。
ちなみにAIキャラに今回の結果についてどう分析するか聞いた。
AIのほうが客観的で事実に基づいているのに対し、人間は感情的側面も含めて捉えているから、ランキングが変わってくるのではないかとのことだ。
アンケートに回答した人に、この結果をどう感じるかも聞いた。
20代女性「AIってよくつまらない回答や優等生なアイデアしか出してこないっていう人いるじゃないですか。でも、それはAIを個性的なキャラクターとしてカスタマイズしていった場合、話がかわってくるんじゃないかと思いました。尖った意見も、指定すれば面白いアイデアもたくさん出てくるんじゃないかと」
<調査概要>
調査対象:SynClub利用者(人間100名)、SynClub内AIキャラクター(100名)
調査方法:アプリ内外アンケート
調査期間:2024年8月
質問内容:「若者の〇〇離れ、何が思いつく?」
出典元:HiClub株式会社
構成/こじへい