
「マチュピチュ展」実行委員会およびNEON Group Limitedの日本法人であるNEON JAPANは、2025年11月22日(土)から2026年3月1日(日)まで、森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)にて「マチュピチュ展」を開催することを発表した。
ペルー政府公認の本展は、2021年のアメリカ・ボカラトン美術館をオープニングとして世界各地で開催され高い評価を得ており、アジアでは今回が初開催となる。
以下、貴重な文化財約130点が展示される本展の概要と見どころを紹介する。
本展の会場構成
■1:イントロシアター
巨大スクリーンにはアンデスの大自然と天空都市マチュピチュが映し出される。神話の英雄“アイ・アパエック”の登場とともに、展覧会全体のストーリーが幕を開ける。
■2:アンデス世界
アンデスの人々が信じていた宇宙観─天空〈ハナン・パチャ〉、現実世界〈カイ・パチャ〉、地下〈ウカ・パチャ〉─という三層に重なる世界構造と、動物の力を借りて異界を自在に行き来するシャーマン(霊的な媒介者)の存在に迫る展示エリア。アンデス独自の世界観と精神文化を体感できる。
また、「階段文様と半渦巻きのシンボル」は今回の巡回で初めてペルー国外へ出た作品で、貴重な鑑賞機会となる。


ラルコ博物館所蔵 (C)MUSEO LARCO LIMA – PERU

■3:モチェの英雄アイ・アパエックの冒険
神話の英雄“アイ・アパエック”が挑む戦いと旅の物語を展示。アイ・アパエック葬送仮面や大きな耳飾りなど、迫力ある造形が神話の世界を鮮烈に伝えてくれる。その他にも様々な生き物の姿に変身したアイ・アパエックの展示品が揃う。


ラルコ博物館所蔵 (C)MUSEO LARCO LIMA – PERU

ラルコ博物館所蔵 (C)MUSEO LARCO LIMA – PERU
4:犠牲の儀式
本エリアでは、神に捧げられた戦士たちの犠牲の儀式を紹介している。儀式の場では、精鋭の戦士同士が戦い、敗者の血が神に捧げられた。この犠牲の儀式は、神々と人間界をつなぐ重要な役割を果たしていたと言われている。
金は「太陽の汗」、銀は「月の涙」とされ、それを身につけた戦士や祭司は神の力を帯びる存在と考えられていた。神聖な素材で作られた祭具や装身具から、当時の信仰と死生観がわかる展示内容となっている。



ラルコ博物館所蔵 (C)MUSEO LARCO LIMA – PERU
■5:祖先との出会い
アンデスの支配者たちが、死後に神へと昇華される存在としてどのように葬られていたかを、美しく神聖な副葬品とともに紹介。10人の支配者それぞれが実際に身につけていた装飾をそのままの姿で展示しているエリアは圧巻だ。金や銀に輝くその姿は、祖先がいかに神として祀られていたかを来場者へ静かに語りかけてくれる。



ラルコ博物館所蔵 (C)MUSEO LARCO LIMA – PERU
■6:マチュピチュ
展覧会の締めくくりとなる本エリアは、インカ帝国の叡智と統治の形を伝える空間となる。帝国は、血縁を基盤とした政治制度と官僚機構により多様な文化を取り込み、金細工や建築、灌漑技術を発展させた。
中でも象徴的なのが「キープ(結縄)」だ。人口や収穫、祭祀の記録を担ったこの“知の結晶”には、人々の暮らしや祈りが込められており、インカ文明の記憶を今日に伝える貴重な遺産となっている。

開催概要
展覧会名/マチュピチュ展
会期/2025年11月22日(土)~2026年3月1日(日)
開館時間/日~木=10:00~18:00(最終入館 17:30) 金・土・祝前日=10:00~20:00(最終入館 19:30)
入館料/当日券・平日 2800円(一般) ※予定
会場/森アーツセンターギャラリー(東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階)
関連情報
https://machupicchuneon.jp
構成/清水眞希