
実家のお墓の管理は、なんとなく気になってはいるけれど、まだ深く考えていない人は多いだろう。お墓が遠方にあってお墓参りに行く機会が少なかったりすると、自分事として考えるのも難しいところだ。訳あり不動産の買取再販業を行う不動産会社AlbaLinkが運営する不動産メディア『訳あり物件買取プロ』は、全国の男女500人を対象に「実家のお墓に関する意識調査」を実施して、その結果をランキングにして公開した。それによれば、実家のお墓に関する悩みの1位は遠くて行けないことだったという。
実家のお墓に関する悩み1位は、やはり遠くて行きにくいこと
実家のお墓に関する悩みについては、1位は「遠くて行きにくい」(35.8%)で、2位の「継承者がいなくなる」と答えた人の割合も20%以上だった。続く3位が「不便な場所にある」(12.2%)、4位が「今後の方針が決まらない」(9.0%)、5位が「手入れに手間がかかる」(6.0%)というランキング結果だった。やはり「遠くて行きにくい」や「不便な場所にある」など立地やアクセスの問題がお墓の維持管理における大きな負担になっていることが浮き彫りになったが、「継承者がいなくなる」や「今後の方針が決まらない」などお墓の将来に関する不安も多かった。お墓に関する悩みのパターンとしては、「現在、お墓の立地などによって不便を感じている」と「将来的にどうすればいいかわからなくて不安」に分けられているようだ。
1位の「遠くて行きにくい」では、「愛知と東京の距離で、なかなか行けない。愛知の田舎にあり、さらに出向くのが厳しい」(20代 女性)、「遠方にあるのでお墓参りに行くのも大変ですし、年に2回しか行けないので手入れできないのが一番の悩みです」(30代 男性)などの意見があった。実家のお墓が遠方にあると移動時間や交通費が負担になってしまう。帰省に合わせてお墓参りや手入れをしても「年に数回訪問できればいいほう」といった状態になってしまいがちで、草抜きや清掃の頻度が落ちることでお墓を管理できていない罪悪感にもつながる可能性もある。自分が遠方にあるお墓の管理者になった場合の負担を考えて、不安に感じている人もいるようだ。
実家のお墓参りをする頻度は「年に1回」が3割以上
実家のお墓参りをする頻度については、「年1回」と答えた人が3割以上で最多の回答だった。日本では、お盆の時期にお墓参りをする人が多く、身近な親族の命日にお墓参りをする家庭もあり、年1回程度になることが多いと推測される。「行っていない」という人も1割を超えており、お墓参りの重要性や頻度はそれぞれに違うことも改めてわかったという。
実家のお墓の維持管理をしている圧倒的1位は「親」
実家のお墓の維持管理をしている人は誰かという質問では、「親」(66.6%)と回答した人が圧倒的1位だった。2位は「親戚」(14.2%)、3位は「自分」(10.6%)、4位は「兄弟姉妹」(7.0%)」、5位は「祖父母(6.0%)」というランキング結果になった。回答者は30代から40代が多かったことから両親が健在なケースが多く、血縁者のなかで年長者になる親世代がお墓の維持管理を担っているようだ。そこから50代以上になると親が高齢になったり亡くなったりして、自分や自分の兄弟姉妹が管理を担うケースが増えていくようだ。
将来的に実家のお墓は「墓じまいする」が45.2%で最多回答
「将来的に実家のお墓をどう扱うか」という質問では、「墓じまいする」(45.2%)が最多回答だった。2位は「引き継いでいく」(29.8%)」だった。「墓じまいする」と半数近くが答えており、「お墓を移す」と答えた人もいたことから管理や維持の負担を減らしたいという傾向は強いようだ。「引き継いでいく」と答えた人も約3割で、従来の形でお墓を守ろうという意向も根強いといえるだろう。
1位の「墓じまいする」と回答した人には、「私が継ぐものの、墓じまいしようと考えています。遠いので行くのも大変ですし、次の代に引き継ぐのもあまり好ましくないと感じています」(30代 男性)や「子どもに手間をかけさせたくないので、墓じまいしたいと思っています」(40代 女性)などの意見があった。
一旦は自分が継いでから自分の代で墓じまいをしようと考えている人もいれば、親世代で墓じまいをするよう促している人もいたという。墓じまいをすれば管理費を下げられて掃除やお墓参りの負担も減り、子ども世代にお墓の管理で大きな負担をかけることもなくなる。一方で先祖代々のお墓を大切に思う人も多いため、「自分は墓じまいしたいけれど、親戚に反対されていて進まない」という声もあったという。
実家のお墓をめぐる悩みは、立地による管理の不便さと将来の継承に関する不安が多く挙がった。お墓を管理して受け継いでいくことに唯一の正解はなく、家族や親族の考え方によってさまざまな選択肢がある。今回の調査結果を自分や家族にとって納得できる選択肢を考えるきっかけとして、お墓にまつわる問題を先送りせずに考えていきたいものだ。
「実家のお墓に関する悩みランキング」調査概要
調査対象:全国の男女
調査日:2025年8月27日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性345人/男性155人)
回答者の年代:10代:0.6%/20代:16.0%/30代:38.2%/40代:22.4%/50代:16.0%/60代以上:6.8%
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構成/KUMU