
デジタル庁は、2026年秋頃に「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」を刷新。「Androidのマイナンバーカード」として提供を開始する予定を発表した。
これに伴いGoogleも、2026 年秋頃を目処に「Android のマイナンバーカード」の提供開始を予定であることを明らかにした。以下、同社発表ブログをベースに、その概要をお伝えする。
マイナンバーカードの機能をAndroidで完結
Android では、これまでも対応スマートフォンに電子証明書を登録することで、マイナポータルへのログインやオンライン申請などを一台でスムーズに行なうことができた。
そして2025年9月19日からは、対応する医療機関や薬局において電子証明書を登録済みの Android スマートフォンをマイナ保険証として順次利用できるようになった。スマートフォンで保険資格の確認ができるため、物理的なカードを探す手間や、忘れるリスクが解消される。
◎事前設定や利用法はこちらから https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_60802.html
これらに加え、2026年秋頃からは Googleウォレット にマイナンバーカードを追加。対応する Android スマートフォン上で身分証明書として提示できるようになる予定だ。
これにより、現在使える電子証明書の利用シーンに加えて、金融機関の口座開設や携帯電話の契約、オンラインや店舗での年齢確認といった、様々な場面での本人確認がより簡単かつ安全になる。
本機能は、プライバシーとセキュリティを最優先に設計しており、Android の強力なセキュリティ基盤の保護に加え、自身についてどのデータを開示するか否かをユーザー自身が確認および管理できる仕様となっている。
日本のデジタルIDの未来を、社会と共に創造する
■相互運用可能なソリューション
GoogleのIDソリューションは国際標準規格(ISO 18013-5など)に準拠している。これにより、使用するデバイスや場所、国を問わず、IDを提示するための標準的な方法が提供され、高い相互運用性を実現する。
■セキュリティとプライバシー保護
デジタル ID は常に機密性が保たれ、安全に管理される必要がある。Googleは、プライバシーを保護しながらデジタルIDを安全に保管・利用するためのオープンなプラットフォームを提供している。
Android のストレージ領域でハードウェアによる高度なセキュリティを可能にする技術や、詳細な情報を開示しなくても匿名で年齢確認などが可能なプライバシー保護技術「ゼロ知識証明(ZKP)」のライブラリーなどを提供。安全なデジタルエコシステムの構築に貢献している。これらのソリューションは、開発者が自身のサービスを強化するためにも活用することが可能だ。
デジタル ID は利便性が高いだけでなく、プライバシーを保護しながら、人々が自身の情報をより安全かつ適切に管理できるようにするツールでもある。
Googleは今回の発表に際して、次のようにコメントしている。
「ID のデジタル化に関して先進的な取り組みをされているデジタル庁が掲げる「誰一人取り残されないデジタル化」に、オープンなプラットフォームである Android を通じて貢献できることをうれしく思います」
関連情報
https://blog.google/intl/ja-jp/products/android-chrome-play/mynumbercard-on-android/
構成/清水眞希