ワイヤレス充電は、「Qi(チー)」と呼ばれる共通規格が広く普及しています。「Qi2(チーツー)」はワイヤレス充電の新たな規格です。 Qi2のメリットは、「コネクタをつなぐ手間が減ること」「位置ずれ防止機能があること「従来のQi規格よりも充電が早いこと」です。ただし、使用する際には気をつけたいポイントもあります。
目次
ワイヤレス充電Qi2は、ケーブルにつながずに充電できる利便性の高いアイテムです。しかし、新しい規格である分まだ対応機種が少なく、「使いたいと思ったけれど自分のスマートフォンでも使えるのだろうか」などと疑問に思うこともあるでしょう。
この記事では、ワイヤレス充電Qi2の基礎知識や使用するメリット、対応機種などをご紹介します。選ぶポイントや注意すべきポイントも簡単に解説するため、ぜひ参考にしてください。
ワイヤレス充電Qi2の基礎知識

ワイヤレス充電器を使えば、対応機種を置くだけで充電ができます。ワイヤレス充電には「Qi(チー)」と呼ばれる共通規格があります。その後、次世代規格として「Qi2(チーツー)」が2023年に発表されました。
それではまず、ワイヤレス充電、Qi2、そしてQi2 25Wの基礎知識を確認していきましょう。あわせて、ワイヤレス充電のほかの規格であるQiや「MagSafe(マグセーフ)」の特徴やQi2との違いも解説します。
■ワイヤレス充電とは
ワイヤレス充電とは、ケーブルでつなげずに充電できる仕組みのことです。ワイヤレス充電の仕組みを利用するためには、デバイスと充電器どちらもワイヤレス充電に対応したものを用意して、それぞれを近づける必要があります。
直接ケーブルで接続しなくても充電できる理由は、送電側である充電器と受信側であるスマートフォンの双方にコイルが内蔵され、電流を誘導しているためです。これにより、充電器側のコイルへの送電によって磁界が発生し、スマートフォン側のコイルが電磁にさらされることで電流が誘導されてバッテリーに充電されます。
■ワイヤレス充電Qi2とは
Qi2とは、Qiの後継として発表された新しいワイヤレス充電の規格です。QiとQi2は、どちらもWireless Power Consortium (WPC)によって策定・管理されています。
ワイヤレス充電規格Qi2の特徴には、以下のようなものがあります。
- コイルの位置を合わせる機能があって充電位置のずれを防げること
- iOSやAndroid OSといったOSの種類に縛られずに使用できること
そのため、Qi2規格に対応したアクセサリーは、対象機種であればAndroid・iPhoneのどちらのスマートフォンにも共通して使えるものだと考えられます。
■ワイヤレス充電Qi2 25Wとは
Qi2 25Wとは、Qi2の規格における初の大規模なアップデート「Qi2.2.1」のことです。このアップデートにより、最大50ワットの高速充電に対応できるようになるなどの改良がありました。
ただし、Qi2 25Wに対応していても、当面の間は最大の50ワットではなく25ワットに制限されている製品が主流です。もともとの規格では15ワットでの充電に対応していたため、以前のものよりもスマートフォンを短時間でしっかりとチャージできるようになります。
また、マグネットによる自動位置合わせ機能が進化し、デバイスを最適な位置にセットしてさらに効率的に充電できるようになりました。対応したアクセサリーを多様なデバイスで利用できることも、Qi2 25Wの魅力です。
さらに、Qi2 25W対応製品は従来のQi・Qi2対応の充電器でも使用できます。旧規格の充電器を使用する際は充電速度が劣るものの、既存の充電器をそのまま活用しながら、段階的なアップグレードが可能です。
■Qiの特徴とQi2との違いとは
Qiは、Qi2が発表される前からあった規格です。ワイヤレス充電としては現在特に普及していて、標準的な規格だといえるでしょう。iPhoneやAndroid、ワイヤレスイヤホンなど、対応デバイスが多いのが魅力です。
QiとQi2のどちらも、規格を策定したのはWPCです。最大出力電力はQiが5~15ワット、Qi2が15ワット~で、Qi2はマグネットに対応していますがQiはマグネットに対応していません。
■MagSafeの特徴とQi2との違いとは
MagSafeは、Qiの技術をベースにAppleが開発したワイヤレス充電の規格です。iPhoneやAirPodsといったApple製品に用いられており、iPhoneでは12以降のシリーズが対応しています。
MagSafeはQi2と同じくマグネット式に対応しており、磁石によるスマホと充電器の固定で位置ずれを防止します。それぞれの違いは、MagSafeはApple製品に対応しているのに比べて、Qi2はOSの種類に縛られずに使用できることです。
ワイヤレス充電Qi2を用いるメリット3つ

ワイヤレス充電ができるQi2を用いるメリットは、以下のとおりです。
- コネクタをつなぐ手間が減る
- 位置ずれ防止により安定して充電しやすい
- 従来のQi規格よりも充電が早い
また、互換性が高く、iPhoneとAndroidのどちらに対しても使用できることも、Qi2を用いるメリットだといえるでしょう。
それでは、これらのメリットを詳しく解説します。
■1.コネクタをつなぐ手間が減る
ワイヤレス充電を用いる大きなメリットは、わざわざ充電のたびにコネクタをつなぐ手間が減ることです。対応した充電器の上に片手でデバイスを置くだけで充電でき、毎日の暮らしが便利になります。
ケーブルを使わないため、接続ポートやケーブルの劣化や破損も減らせます。Qi2に対応した機種同士であれば、接続ポートの形が違っていても同じワイヤレス充電器が使え、複数のケーブルを使い分ける必要がありません。また、接続ポートを使わないため、充電中でも有線イヤホンなどを同時に使用できます。
■2.位置ずれ防止により安定して充電しやすい
位置ずれ防止機能があることも、Qi2のメリットです。位置ずれ防止機能とは、マグネットによって充電器とデバイスを正確な位置で固定するものです。
ワイヤレス充電ではコネクタをつながないため、位置ずれ防止機能がない従来のQi規格だと、充電中に位置がずれて充電できない恐れがあります。しかし、Qi2ならばマグネットによって位置を固定できるため、充電ミスを防ぎ、常に最適な効率で電力を供給可能です。
■3.従来のQi規格よりも充電が早い
従来のQi規格と比較して充電が早く完了することもQi2のメリットです。Qi規格の充電器の最大出力は5~15ワットといわれていますが、従来のワイヤレス充電器では7.5ワット程度の出力しかありませんでした。Qi2は15ワット~、Qi2 25Wならば最大50ワットのため、2倍以上の出力が可能です。
また、マグネット式で常に最適な効率で充電できるため、バッテリーにチャージする時間を安定的に早くできます。
ワイヤレス充電Qi2の対応機種

それでは、実際に対応しているスマートフォンを確認していきましょう。
そのほかの機種のスペックも、それぞれの見出しに記載するサイトで表示可能です。確認したいスマートフォンがあれば見てみるといいでしょう。
■iPhoneの対応機種の例
Qi2に対応しているのは、iPhone 12以降のモデルです。
Appleの情報によると、以下のような機種がQi2に対応しています
- iPhone 17
- iPhone 17 Pro Max
- iPhone Air
- iPhone 16
- iPhone 16 Pro
- iPhone 16 Pro Max
- iPhone 16 Plus
なお、iPhone 12以降のモデルは、Qi2に加えてMagSafeにも対応しています。
参照:iPhone – モデルを比較する – Apple(日本)
■Androidの対応機種の例
Androidの対応機種には、以下のようなものがあります。
- Google Pixel 10
- Google Pixel 10 Pro
- Google Pixel 10 Pro XL
- Google Pixel 10 Pro Fold
Qi2に対応していなくても、Qiに対応しているスマートフォンであればワイヤレス充電自体は可能です。また、Qi2-Ready認定スマートフォンもあります。この場合、機種自体にはマグネットを搭載していません。しかし、マグネットを搭載したQi2-Readyの認証済みのケースを活用すれば、Qi2の充電器で充電できるようになります。







DIME MAGAZINE











