小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

人型ロボット市場が注目を集める理由とは?AIが「働く仲間」になる日は訪れるのか

2025.10.23

人型ロボットとは、人間と同じ形状や動きをするロボットです。技術の進化や需要の増加などにより、人型ロボット市場は世界的に拡大傾向にあります。

「人型ロボット市場が話題になっているのはなぜだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか?その背景には、AIの急速な進化や労働力不足、技術コストの低下などが重なり、実用化が現実味を帯びてきたことにあります。本記事では、人型ロボット市場の動向や、今後の可能性・課題などを解説します。

人型ロボットとは?

人型ロボットとは、人間の体の形状や動きを模倣して作られたロボットのことを指します。頭部・胴体・腕・脚といった人間に近い外観を持ち、二足歩行や手作業など、人に似た動作をできることが特徴です。

ここでは、人型ロボットとほかのロボットとの違いや、人型ロボットの活用領域について解説します。

■産業用ロボットとの違い

人型ロボットと産業用ロボットは、形状・動作や目的が異なります。

人型ロボットは人間の形状を持ち、二足歩行や手作業など人間に近い動作が可能です。介護や接客など、さまざまな場所で人と共存し、支援する目的で開発されています。

一方、産業用ロボットは必ずしも人の形をしておらず、アーム型や多関節型など機能重視の形状が特徴です。工場などの製造現場で人間の作業を補助または代替し、高精度・高速な作業を自動化することを主な目的としています。

■アンドロイド・認知ロボットとの違い

人型ロボットと似たものにアンドロイドや認知ロボットがありますが、これらは厳密には異なります。

人型ロボットは「人間に似た外見や動きを持つロボット」全般を指し、主に形態や動作の模倣に重点が置かれます。これに対し、アンドロイドは人型ロボットの中でも特に人間そっくりの外見を備え、よりリアルな人間らしさを追求したタイプです。

一方、認知ロボットは見た目よりも「認識・学習・判断」といった知的機能に重点を置いており、人間のように状況に応じた行動を選択できる点が特徴です。

人型ロボットが「人間の形状や外見(ハードウェア)」に焦点を当てているのに対し、認知ロボットは「人間のような思考や学習能力(ソフトウェア)」を重視している点で異なります。

■人型ロボットの活用領域

人型ロボットの活用領域は多岐にわたります。製造現場では、人の代わりに組立や搬送を担い、労働力不足の補完に役立ちます。

介護や医療の分野では、高齢者の見守りやリハビリ支援、患者とのコミュニケーションを通じて現場の負担軽減に寄与するでしょう。

さらに教育や接客の場では、学習支援や案内役として活用され、親しみやすさから人との関係構築に強みを発揮します。

今後は災害救助や宇宙探査など、高リスク環境での利用も期待されています。

人型ロボット市場の現状

人型ロボット市場は、アジア太平洋地域を中心に市場規模が拡大しており、今後も医療・サービス分野での需要増が見込まれています。

ここでは、世界各国の動きや産業別の動向など、市場の現状を解説します。

■世界各国の動き

世界の人型ロボット市場は2023年に約24億3,000万米ドル規模とされ、今後2032年には約660億米ドルへと急成長が見込まれています。

予測期間中の年平均成長率(CAGR)は45.5%と非常に高く、特にアジア太平洋地域が2023年には41.97%のシェアを占め、市場をリードしている状況です。

一方、北米はAIの急速な進歩や研究開発投資、産業分野での導入拡大を背景に、予測期間中で最も高い成長率を示すと想定されています。

■産業別の動向

人型ロボットの産業別動向を見ると、二足歩行型の人型ロボットは人間らしい動作を活かし、医療・教育・娯楽分野で市場をリードしています。

一方、設計がシンプルな車輪駆動型の人型ロボットは費用対効果が高いため、機動性の向上により急速に拡大中です。

市場は現在ハードウェアが中心ですが、AIや高度制御システムの導入によりソフトウェア分野も高い成長が見込まれます。さらに、コロナ禍のあとは衛生管理や見守りなど、医療・サービス分野での需要が増加しています。

参考:FORTUNE BUSINESS INSIGHTS「オートメーション/ヒューマノイドロボット市場」

人型ロボット市場が話題になっている理由

人型ロボット市場が注目される背景には、AIやセンサー技術の進化によって、人間のような動作・判断が可能なロボットの実用化が進んでいることがあります。

また、人型ロボットが、労働力不足や作業効率化といった社会課題の解決に貢献できる点も高く評価されています。

ここでは、人型ロボット市場が話題になっている理由をみていきましょう。

■AI技術の急速な進歩

人型ロボット市場が注目される大きな理由のひとつは、AI技術の急速な進歩にあります。近年のAIの発展により、ロボットは単純な動作を行うだけでなく、高度な認知能力や学習能力を備え、人間の複雑な動作や判断を正確に模倣できるようになりました。

これにより、医療現場での患者対応や手術補助、教育現場での指導や支援、サービス業での接客や案内、さらには産業分野での精密作業や生産ラインの自動化など、多岐にわたる分野での活用が現実のものとなっています。

■労働力不足という社会課題

人型ロボット市場が注目されるもうひとつの理由は、世界的な労働力不足という社会課題に対応できる点です。

少子高齢化や人口減少により人手不足が深刻化する中で、人型ロボットは単純作業や重労働、危険な業務などを代替できる存在として期待されています。

特に製造業や介護、物流、サービス業などでは、労働力の補完や効率化を図る手段として導入が進み、市場の拡大を後押ししています。

■コストの最適化

コストの最適化も、人型ロボット市場の拡大に寄与しています。人型ロボットの導入コストは、技術の進歩と部品価格の低下により大幅に下がってきており、より手頃な価格で入手可能です。

学習技術の向上とコスト低減が進んだことで、製造業をはじめとするさまざまな分野でのロボット活用が現実的となり、市場への注目度を高めています。

人型ロボットを構成する頭脳・神経・身体

人型ロボットは、人間の構造や動作を模倣するために、「頭脳・神経・身体」の3つの要素で構成されています。頭脳は思考や判断、学習を担い、神経は情報伝達や制御を担当、身体は実際の動作や作業を行う部分です。

これらが高度に連携することで、人間のような動きや柔軟な対応が可能となり、さまざまな分野での活用を実現します。

ここでは、人型ロボットを構成する3つの要素について解説します。

■【頭脳】AI・OS領域

人型ロボットの「頭脳」は、主にAI(人工知能)やOS(オペレーティングシステム)によって構成されます。

AIは学習・認知・判断を行い、人間の行動や状況に応じた最適な動作を導くものです。

OSは、ハードウェアや各種センサー、アクチュエーターとの情報連携を統括し、ロボット全体の制御やタスク管理を担います。

この頭脳部分の高度化により、複雑な作業や柔軟な対応が可能となり、多様な産業分野での活用が進んでいます。

■【神経】センサー・通信領域

人型ロボットの「神経」は、主にセンサーと通信技術で構成されます。

センサーは周囲の環境や自身の状態を感知し、距離・温度・圧力・動作などの情報を収集する部分です。

通信技術はこれらの情報を頭脳(AI・OS)に伝達し、必要に応じてクラウドやほかのロボットとデータを共有します。

この神経系の高度化により、人型ロボットは環境への適応やリアルタイムの判断が可能となり、医療・サービス・産業など幅広い分野での活用が期待されています。

■【身体】ハードウェア領域

人型ロボットの「身体」はハードウェア領域にあたり、動作や作業を実現するための骨格、関節、駆動装置、モーター、アクチュエーターなどで構成されます。

これにより、歩行や操作など人間の動きを模倣できます。

また、素材や設計も重要であり、耐久性や安全性の確保により、医療や介護、製造現場などで正確かつ安全に作業を行うことが可能です。

身体部分の性能を高めることで、人型ロボットの実用性や応用範囲が大きく広がるでしょう。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2025年10月16日(木) 発売

DIME最新号は、「2025ヒット商品総決算」特集&「攻殻機動隊」映像化30周年大特集!今年話題を集めたヒット商品をどこよりも早く徹底解剖。DIMEでしか手に入らない「攻殻機動隊」オリジナルカレンダーが特別付録に付いてくる!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。