薬機法違反を防ぐために注意すべきポイント

ここからは、薬機法違反を防ぐために欠かせない、「販売している商品が医薬品等に当たるかのチェック」と「広告規制の遵守」の2項目について解説します。
■販売している商品が医薬品等に当たるかチェックする
薬機法違反を避けるためには、まず自社の商品が「医薬品等」に含まれるかどうかのチェックが欠かせません。薬機法の規制は医薬品に限らず、医薬部外品や化粧品といった幅広い商品にまで及んでいます。そのため、企業の中には自社商品が規制対象であると気づかないまま販売を続け、結果として違反に至るケースも珍しくありません。
したがって、商品企画や販売の段階で、自社商品が「医薬品等」に分類されるかどうかを丁寧に確認することが重要です。こうした事前チェックを徹底し、思わぬ法令違反を防ぎましょう。
■広告規制を遵守する
薬機法違反を防ぐうえで、とくに広告表現の管理は慎重に行う必要があります。虚偽や誇大な広告を行った場合、行政処分や課徴金納付命令だけでなく、刑事罰の対象となる可能性があるためです。
厚生労働省は、薬機法に基づく広告規制のガイドラインを公表しています。法令条文と合わせて確認することで、より正確に対応することが可能です。自社の商品広告を作成・運用する際には、ガイドラインに沿って慎重に審査し、法令順守を徹底することが大切です。
薬機法等改正のポイントを知り、適切に対応しよう

2025年5月に成立・公布された薬機法等改正の背景には、製造記録の改ざんや「ドラッグ・ラグ」および「ドラッグ・ロス」、海外への原料依存による供給不安定化などが挙げられます。
制度改正では、コンビニでの市販薬販売やオンライン服薬指導、調剤業務の外部委託が導入される一方、20歳未満への濫用防止医薬品販売制限や零売薬局の原則禁止、供給責任者の設置など規制も強化されました。
今回の薬機法等改正を受け、対象となる事業者は段階的な対応を行う必要があります。それぞれ優先順位をつけ、準備を進めていきましょう。
薬機法に違反すると、刑事罰・課徴金・行政処分が科されます。薬機法等改正のポイントをおさえるとともに、自社商品の区分確認や広告規制の遵守を徹底することが大切です。
構成/河野 愛