
近年、夫婦別姓に関する議論が活発になるなど、名前が個人のアイデンティティや生き方と密接に関わるものとして関心が高まっている。名前の響きや由来、さらには結婚による姓の変更など、人々が自身の名前に抱く意識は多様化していると言えるだろう。
こうした状況を受けてクロス・マーケティングはこのほど、全国の20歳~69歳の男女1100名を対象に「名前に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
自分の名前には「愛着がある」人は6割超
「自分の名前への愛着」について調べたところ、「とても愛着を感じる」が24.7%、「やや愛着を感じる」が38.5%となり、合計63.2%が自分の名前に愛着を持っていることがわかった。他方、12.8%は「全く愛着を感じない」と回答した。
自分の名前に愛着を感じる理由は、「親が名付けたから」「名前の由来・エピソードがあるから」「珍しい名前だから」などがあがり、愛着を感じない理由は「好みではない」「ありきたりな名前だから」「古い名前だから」「読みづらいから」などの意見が寄せられた。<図1>
「名前や名付けに対する意識」について調べたところ、「当て字や、初見では読めない名前が増えたように思う」が25.7%で最多となり、以下「キラキラネームの子供が増えたように思う」(23.4%)、「個性的な名前は、いじめやからかいの原因になりかねないと思う」(20.5%)と続いた。一方で、「個性的な名前は、その人の強みやアイデンティティになると思う」は6.9%にとどまり、年代があがるほど低く、個性的な名前へのネガティブなイメージはいまだ強いことがうかがえた。<図2>
配偶者・パートナーの呼び方、「名前にちゃん、くん、さんをつける」が28.0%で最多に
配偶者・パートナーの呼び方は、「名前にちゃん、くん、さんをつける」が28.0%で最多となった。次点で「名前のみで呼ぶ」(25.4%)、さらに「お母さん、お父さん、ママ、パパなどで呼ぶ」(21.2%)が続く。20代では「名前のみで呼ぶ」が、60代では「お母さん、お父さん、ママ、パパなどで呼ぶ」が最も多かった。<図3>
夫婦別姓に対して、「自分も含めて誰でも、別姓を選べるようにすべきだと思う」という賛成派は19.5%、「自分は同姓を選ぶが、希望する人には別姓を認めてもよいと思う」という許容派は30.8%と、半数以上が夫婦別姓に前向きな姿勢であることがわかった。
一方で、「夫婦は必ず同じ姓にすべきだと思う(反対派)」は13.1%にとどまった。また、男性よりも、女性のほうが夫婦別姓に対して賛成・許容している人が多いことがわかった。<図4>
<調査概要>
調査手法 :インターネットリサーチ(クロス・マーケティング セルフ型アンケートツール「QiQUMO」使用)
調査地域 :全国47都道府県
調査対象 :20~69歳の男女
調査期間 :2025年9月12日(金)~15日(月)
有効回答数:本調査1,100サンプル
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合がある
出典元:株式会社クロス・マーケティング
構成/こじへい