
NTTドコモの企業内研究所であるモバイル社会研究所から、投資の実態と資産形成の学習方法に関する調査レポートが発表された。これは2025年2月に実施された「お金に関する意識や行動とICT利用の関係」調査の結果を分析したものだ。
本稿では同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。
1:投資をしている割合は全体の約4割
10代から70代を対象に、金銭的な投資の実態を調査した結果、全体の約4割が投資をしていることが明らかになった。性別および年代別の分析では、男性のほうが投資している割合が各年代で高く、特に30代と60代の投資割合が顕著となっている。さらに、男性の30代、40代、および60代においては、投資している割合が半数を超えている。
図1. 投資の状況 [%](性年代別)
[調査対象:全国・15~79歳・n=6875]

※「答えたくない」を除く 出所:2025年金融とICT調査
■2:投資をしている人の半数程度が投資歴5年未満
次に、10代から70代のうち投資をしている人を対象に、投資年数について調査した。その結果、全体の約4割が投資歴10年以上であり、約5割は投資歴が5年未満であると判明。男女とも年齢が高くなるほど長期間投資をしている割合が高く、特に男性70代では、投資をしている人の約8割が投資歴10年以上だった。
図2. 投資年数[%](性年代別)
[調査対象:全国・15~79歳・投資している人・n=2,693]

※サンプル数50未満は参考値 出所:2025年金融とICT調査
3:投資をしている人の約6割は、資産形成の学習方法にネット検索を利用
お金や資産形成に関する知識の情報収集や学習の方法について、年代別の分析結果は2025年5月のレポート(※)で公開したとおりだった。
※ 【ライフスタイル】お金の知識や資産形成に関して学んだ方法 https://www.moba-ken.jp/project/lifestyle/20250519.html
今回は、投資の有無によるお金の知識や資産形成に関する情報収集および学習経験の違いを調査した。その結果によると、投資をしている人のほうがお金や資産形成に関する情報収集や学習を行なっている割合が高いことが判明。具体的には、投資をしていない人のうち学習経験がある割合は半数に満たないのに対し、投資をしている人の約9割が何かしらの学習経験があることがわかった。
図3. お金や資産形成に関する知識の情報収集や学習経験[%](投資経験別)
[調査対象:全国・15~79歳・n=6875]

※投資しているかどうかの分類には「答えたくない」と回答した人を除く 出所:2025年金融とICT調査
次に、投資の有無によって、お金の知識や資産形成に関する情報収集および学習方法に違いがあるかを調査した。調査結果によると、投資をしている人のほうが、お金や資産形成に関する情報収集や学習を行っている割合が高いことが判明。
特に、投資をしている人が多く利用している方法は「インターネットで調べた」「本を読んだ」「動画を見た(YouTube等)」であり、「インターネットで調べた」割合は約6割だった。また、「学校で学んだ」という回答は、投資の有無に関わらずほぼ同じ割合で見られた。これは、近年の金融経済教育の内容が拡充してきたことが、若年層の回答に影響を与えていると考えられる。
図4. お金や資産形成に関する知識の情報収集や学習方法[%](投資経験別、複数回答)
[調査対象:全国・15~79歳・n=6875]

※投資しているかどうかの分類には「答えたくない」と回答した人を除く
出所:2025年金融とICT調査
調査概要
調査名/2025年 金融とICT調査
調査方法/Web
調査対象/全国、15~79歳男女
有効回答数/7371
サンプリング/QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付。
調査時期/2025年2月
関連情報
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/
構成/清水眞希