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金利や税制優遇も!知らないと損するZEH住宅・省エネリフォームの補助金活用術

2025.09.21

政府は「2030年において新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指す」という目標を立て、2025年4月には「省エネ基準適合が義務化」されたことにより、今後新築される住宅はZEH(ゼッチ)が基本となってきます。

そのため、ZEHと認められる住宅に対しては、建築や購入に対して補助金を支給する事業が推進されています。しかし、補助金については予算枠が決められていることが多く、上限に達した段階で支援事業は終了してしまいます。補助金をどのように活用していけばいいか、不動産業界に詳しいCFP認定者(ファイナンシャル・プランナー)齋藤岳志さんに聞きました。

エネルギー効率を上げた住宅への補助金は新築だけでなくリフォームも対象

ZEH(ゼッチ)という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ZEHは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、エネルギー効率を高めて、年間の光熱費収支をゼロ以下にすることを目指す住宅のことです。

住宅が「ZEH」として認められるには、大きく3つの要件があります。

1.断熱性能
2.省エネ設備
3.創エネ設備(太陽光発電など)

「住宅のエネルギー効率を上げるために、住宅の断熱性能を高めるとともに省エネ設備を導入して消費エネルギーを削減するだけでなく、太陽光発電などでエネルギーを創り出すことが条件となるということです」(齋藤さん)

ZEHと認められた住宅を新築する、あるいは購入する際に55万円の補助金が支給されます。さらにエネルギー削減率の高い「ZEH+」と認定された住宅には、90万円に金額がアップします。

「また、子育て世帯を支援するために、40万円~の補助をする 『子育てグリーン住宅支援事業』もあります。『長期優良住宅』となると補助金額が上がり、建て替え前の住宅の解体に対して追加の補助が出る場合もあり、場合によっては子育てグリーン住宅支援事業のほうが有利となるケースもあります」(齋藤さん)

対象となるのは、18歳未満の子どもがいる、または夫婦いずれかが40歳未満の世帯です。

ただし、ZEHの補助金と子育てグリーンの支援はどちらか一方だけの受給になります。

住宅の高エネルギー効率化については、新築住宅だけでなく、既存住宅のリフォームにも支援事業が進められています。

住宅の断熱化リフォームに対して、戸建てであれば上限120万円(費用の1/3以内が目安)、マンションであれば上限15万円(玄関ドアまで実施で上限20万円)という援助が受けられます。

蓄電設備などを導入すると加算されるケースもあります。

「既存住宅のZEH改修費の1/3以内を補助するという実証支援も行われています。補助額は、東北以北や北海道では上限400万円、関東以西では上限300万円となり、工事後は自宅をオープンハウスのように内見させる(季節ごとに2日以上)という広報活動に協力するというのが条件です」(齋藤さん)

ZEH住宅は住宅ローン金利や税制にも優遇がある

ZEH住宅を新築・購入する際には、住宅ローンでも優遇されることがあります。

「特に注目なのが、フラット35(固定金利)です。当初5年間の金利が0.75%程度引き下げられ、子育て・若年世帯向けのポイント制優遇などが実施されています。民間の金融機関でもZEH住宅に対する優遇はありますが、縮小傾向にあります」(齋藤さん)

税金の面でも、ZEH住宅や省エネ住宅に対する優遇があります。

住宅ローン減税を受けるには、新築住宅の場合、2024年以降はZEHや省エネ基準に適合していることが求められます。省エネ基準に適合しない新築住宅には、住宅ローン減税が適用されないということです。

新築の場合、住宅ローン控除の控除率は0.7%、控除期間は13年となっています。

ZEH住宅のメリット・デメリット

住宅のエネルギー効率化を目指すという国の方針に則って、ZEH住宅に対してはさまざまな支援や補助が与えられます。

ZEH住宅を新築・購入することのメリット・デメリットをまとめてみましょう。

メリット
・省エネ化による光熱費の削減
・補助金による導入コストの削減
・金利優遇によるローン返済額の削減
・住宅ローン減税の控除枠拡大による税負担軽減
・断熱性などによる住環境の快適性向上
・CO2削減などによる環境への貢献
・今後ZEH基準が一般化する中で住宅のリセールバリューが高まる可能性

デメリット
・導入費用が高い(建築コストの高騰)
・設備更新コスト
・導入費用の高さを償却できる年数が不明確

「最大のメリットとしては、住宅が高効率で省エネ化されていることで光熱費が下がる点です。補助金や税制優遇で建築費用や購入費用が下がる点も見逃せません。断熱性能が高いので、暑さや寒さに影響されにくくなり、住宅の快適性もアップします」(齋藤さん)

一方、デメリットとしては、住宅そのものの建築費が高くなるうえ設備に対する費用も発生するので、導入コストが高くなることです。

「さまざまな要素がかかわってくるために、毎年の光熱費が下がることで、それらのコストをどのくらいで回収できるかという償却期間についても不明確です。住宅自体の寿命は長くとも、太陽光発電などの設備の耐用年数は10~15年ほどのものが多く、いつかは交換しなくてはなりません。その費用がかさむという問題点もあります」(齋藤さん)

ZEH住宅・省エネ住宅へのシフトは、国が強力に推進しているという側面もあり、必ず訪れる流れです。しかしながら、それに対する補助金の制度については、毎年更新されているという事情があります。支援が厚くなるか薄くなるかは、発表されるまでわかりません。

「ちなみに、国の次年度の制度は、おおむね前年2月頃から情報が出始め、4月に本格始動する流れが多くなっています。また、自治体によっては追加の支援制度があるので、新築・購入を考えている地元の工務店などに確認してみることも重要です」(齋藤さん)

予算上限に達してしまうと補助が終了してしまうということもあるので、早めに検討し、計画的に活用したいところです。

齋藤岳志さん
CFP認定者(日本FP協会認定 サーティファイド ファイナンシャル プランナー)
モットーは、「お金の不安を安心に変えて、あなたと一緒に最適な未来を考える!」。得意分野は不動産で、特にマンション賃貸経営、数字の管理など。賃貸経営・不動産投資に限らず、マイホームとしてのマンション購入、売却相談などのサポートやアドバイスなどにも対応。「不動産を売らないFP大家」として活動している。

取材・文/小林謙一

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