
ホンダは、2025年9月12日、新型軽乗用EV(電気自動車)「N-ONE e:(エヌワン イー)」を発売した。
このN-ONE e:は、グランドコンセプトを「e:Daily Partner(イー デイリー パートナー)」とし、日々の暮らしを生き生きと活発にしてくれる“日常のパートナー”となるクルマを目指してつくられた。
愛着の湧くエクステリアデザインや、ホンダのパッケージングの基本思想である「M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想」をホンダ乗用車の原点であるN360から継承しながら、EVならではの力強くクリーンな走りと静粛性、そして日常使いに安心感をもたらす航続距離295kmの実現により、幅広いユーザーに支持されるスタンダードなEVとなることを目指した軽乗用EV。
ユーザーの移動と暮らしを支え、何気ない毎日を生き生きと活発なものにする“日常のパートナー”として、日々の生活になじむシンプルさを追求するとともに、給電機能やV2H(Vehicle to Home)など、EVならではの便利で暮らしに役立つ機能も備えている。
日常使いに安心感をもたらす航続距離295kmを実現
N-ONE e:のパッケージは、N-ONEの特長でもある「室内の広さ」と「使い勝手の良さ」を、EVであるN-ONE e:にも継承している。フロア下に搭載するバッテリーを薄型化することで、大人4人が快適に乗車できる空間を確保。さらに、ダイブダウン機構によりリアシートを倒すことで、荷室から続くフラットな床面を実現するとともに、チップアップ機構により座面をはね上げると背の高い荷物が積載可能になるなど、多彩なシートアレンジによって、N-ONEと同等の利便性を備えている。
また、より自然な運転姿勢が取れるレイアウトを実現するため、N-ONEに対し、乗車位置はそのままにステアリングを37mmドライバーに近づけることで、ステアリング操作とアクセル操作のさらなる安定感を追求した。さらに、フロントフード形状を工夫することで、運転席からの視界を良くし、前の車との間隔がつかみやすく、街中での取り回しも容易になっている。
加えて、一般的にEVはバッテリー配置の制約から、車高が高めに設計される傾向があるが、N-ONE e:の全高はN-ONEと同等であり、軽ハイトワゴンとしては低めのため、多くの立体駐車場(全高1.55m以下)に駐車可能であり、走行時の空気抵抗が少なく電費向上へも寄与している。さらに、N-VAN e:と同様にフロントグリルに充電口を配置することで、充電しながらでもスムーズな乗り降りが可能となっている。
そしてエクステリアは、N-ONEのデザインをベースに、EVならではのクリーンさを表現。フロントフェンダーや、リア周りのガラスを含むテールゲート全体を、強い張りを持たせた曲面に仕上げることで、上質な立体感と軽快で安定したスタンスが表現されている。
一方インテリアは、インストルメントパネル上部を薄さが感じられる造形とすることで、室内の広がりを感じられる空間とするとともに、前方視界が広く確保でき、車幅感覚もつかみやすく、運転時に安心感をもたらす見通しの良い視界を提供。さらに、生活圏での移動が中心でナビの使用頻度が少ない人向けに、インストルメントパネル上部が完全にフラットになるディスプレイレス仕様(ナビレス仕様)も用意。この仕様は、よりよい視界とシンプルで開放感のある室内空間を提供するとともに、ナビがなくてもスマートフォンと Bluetooth接続することで、音楽を聴くことが可能となっている。
また、ホンダが掲げる環境負荷ゼロ社会の実現に向けた取り組みとして、フロントグリルには廃棄されたホンダ車のバンパーをリサイクルした「バンパーリサイクル材」を採用。インストルメントパネル上部のベージュ色の加飾には植物由来のバイオ樹脂を用い、インシュレーターや純正アクセサリーのフロアカーペットには、使用済みペットボトルなどを再資源化した素材を活用している。これらにより、環境負荷を低減し、地球にやさしいクルマづくりを実現している。
走行性能については、日常生活の中で、気軽に運転して出かけたくなるクルマを目指し、発進や停止、交差点での右左折、駐車場での切り返しなど、街乗りで想定される運転シーンに合わせて磨き上げられた。
EVならではの静かでスムーズな加速に加え、扱いやすく小回りがきくハンドリング、床下に配置したバッテリーによる低重心設計が生み出す高い走行安定性、電動サーボブレーキによる自然で安心感のある減速特性など、運転のしやすさと快適な走りを両立している。
さらに、ホンダの軽乗用車として初めてシングルペダルコントロールを採用。アクセルペダルだけで加減速から完全停車まで行えるため、街中の走行や駐車時におけるペダルの踏みかえの煩わしさを軽減し、日常のドライブをより快適にしてくれる。
そしてパワーユニットは、小型化した電動パワートレーンや大容量かつ薄型化したバッテリーの採用、モーターや制御機器などの高電圧部品を効率よくまとめて配置することで、日常使いに十分な航続距離とゆとりある室内空間を両立。
毎日の生活の中で安心して使用できるよう、WLTCモードで295kmの航続距離を達成したほか、充電時間は普通充電で約4.5時間 、急速充電で約30分を実現し待機時間のストレスを軽減している。加えて、バッテリー冷却・加温システムにより、夏季や冬季でも、航続距離・充電時間が安定する。
また、AC外部給電器「Honda Power Supply Connector(パワーサプライコネクター)」を使用することで最大1,500Wまで出力が可能。アウトドアなどのお出かけ先での活用はもちろん、夜間の安価な時間帯に充電した電気を日中にV2H機器を介して家庭で使用することで、電気代の節約にも貢献。さらに、非常時には家庭の電源としても活用でき安心。
【ボディーカラー】
■チアフルグリーン(新色)
■プラチナホワイト・パール
■ルナシルバー・メタリック
■フィヨルドミスト・パール
■シーベッドブルー・パール
【メーカー希望小売価格】
e: G 2,699,400円(税込)
e: L 3,198,800円(税込)
関連情報:https://www.honda.co.jp/N-ONE-e/
構成/土屋嘉久