
ビザ・ワールドワイド・ジャパンは、パートナー各社(カード発行会社、アクワイアラ、ペイメントサービスプロバイダ等)と協業して、日本国内においてクリック決済(英語名:Click to Pay)を順次開始することを発表した。
オンラインショッピングの購入手続き時にカード情報等の手入力が不要に
Visaのクリック決済は、EMVCoの標準規格に則った、オンラインショッピングの購入手続き時にカード情報等の手入力が不要になる、全世界で利用可能なソリューションだ。
Visaトークンサービスを利用した取引のため、Visa Secure(VisaのEMV 3-Dセキュアソリューション)やVisa Payment Passkey等と統合して利用することが可能で、承認率向上だけではなく、セキュリティ面もより強固になり、消費者はより安心してeコマース取引を利用できる。
また、カード情報を事前に登録する加盟店においては、加盟店に登録されているカードと、クリック決済に登録されているカードの併用が可能になることで、利用者の支払い方法の選択肢が広がる。
■多くのマニュアル入力に起因する高いカゴ落ち率の改善にも期待
クリック決済を先行して導入したJust Eat Takeaway.comでは、従来の手入力のカード決済に比べて不正利用が50%削減したことに加え、オーソリ承認率が8%改善し、利用者の決済に要する時間が4分の1に短縮されるなど様々な効果(※)が見られており、日本での導入においてもユーザーの決済体験の向上が期待できる。
※Just Eat Takeaway.com調べ。
日本国内における消費者向けeコマースの市場規模は、2023年度に24.8兆円と前年比9.23%増に拡大(※1)しており、今後さらに市場拡大が予想されるが、eコマースの課題の一つに、多くのマニュアル入力に起因する高いカゴ落ち率(※2)がある。
※1 経済産業省発表資料2024年9月25日
※2 ECサイトなどで商品をカートに入れたものの、購入せずにサイトを離脱したユーザーの比率
そのような中、Visaのクリック決済は、ショッピングの際に、カード番号、有効期限、その他の情報を入力する手間が省け、決済におけるユーザー体験が向上することで、カゴ落ち率の減少につながることが考えられる。
■国内で発行されているすべてのVisaカードは事前登録でクリック決済の機能の利用が可能に
なお、国内で発行されているすべてのVisaカードは、原則クリック決済の機能の利用が可能となる。
またクリック決済の利用には、事前の登録が必要。以下のカード発行会社においては、対象カードならびにクリック決済の案内開始後に各社ウェブサイトやアプリ等から順次登録、利用が可能になる。なお、対象カードならびにクリック決済の案内開始時期については、各カード発行会社によって異なる。
株式会社あおぞら銀行、株式会社アプラス、イオンフィナンシャルサービス株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社エポスカード、株式会社関西みらい銀行、株式会社カンム、株式会社埼玉りそな銀行、GMOあおぞらネット銀行株式会社、株式会社ジャックス、ポケットカード株式会社、株式会社北國銀行、三井住友カード株式会社、三菱UFJニコス株式会社、株式会社みなと銀行、ライフカード株式会社、株式会社りそな銀行、株式会社琉球銀行
※各会社名は五十音順に表記
上記以外のカード発行会社のカードユーザーは、Visaのウェブサイトから登録が可能となる。
◎クリック決済登録用のポータルサイトは現在準備中。
https://www.visa.co.jp/products/click-to-pay/consumers.html
Visaの代表取締役社長のシータン・キトニー氏は、今回の発表に際して次のように述べている。
このたび、日本において「クリック決済」の導入計画を発表できることを大変うれしく思います。
「クリック決済」は、世界で最も信頼され、顧客中心の決済エコシステムを構築するという当社のビジョンの実現に向け重要な一歩となります。
グローバル標準のセキュリティとオンラインショッピングにおけるシームレスなユーザー体験を提供することで、ユーザーは加盟店ごとにカード情報を個別に登録する必要がなくなります。
一度の登録で、より安全かつスムーズな決済が可能となり、オンラインショッピングはこれまで以上に便利になります。パートナー企業の皆様と共に、日々の決済に関わる行動を変革していきます。
消費者はより快適なチェックアウト体験を享受でき、事業者は取引完了率や売上の向上に加え、不正利用の減少、そして顧客からの信頼の獲得といったメリットを得ることができます。Visaはパートナー企業の皆様と共に、この変革を牽引し、日本の決済環境において新たな基準を確立することに尽力してまいります。
構成/清水眞希