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16代目「クラウン」あなたに最適な1台はどれ?クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートを徹底比較

2025.09.20

15代目までは国内専用車だったトヨタの最上級オーナーセダン、クラウンは2022年に登場した16代目になって世界で勝負する世界戦略車へと進化。ワールドプレミアが行われ、一挙、4車種をお披露目。2022年に初作のクロスオーバーが登場し、2023年にはスポーツとセダン、そして2024年にエステートが発売されている。

車体の下半身を悠々と見せる最大21インチの大径タイヤを装着

同じクラウンでありながら、それぞれに個性があるのが「群として開発された」4車種であり、ここではそれぞれのクラウンの特徴を解き明かすことにしたい。最初に言っておけば、16代目クラウンの大きな特徴として挙げられるのが、燃料電池車のMIRAIをベースにクラウンとしてFR=後輪駆動を踏襲するセダンを除き、E-Four=電気式四輪駆動方式(4WD)の駆動方式を採用している点と、車体の下半身を悠々と見せる最大21インチの大径タイヤを履かせていることである(クロスオーバーのGは19インチ。セダンは19インチが標準。オプションとして20インチを用意)。

クラウンスポーツ
クラウンエステート

●クラウンクロスオーバー

まず、2022年に発売されたクロスオーバー。「クラウンがいきなりクロスオーバー!?」と大きな話題を呼んだが、SUV全盛の昨今、トヨタの狙い通り、成功を収めた1台と言っていいだろう。注目すべきは全長4930×全幅1840×全高1540mmのボディサイズだ。15代目までは日本での使用を重視し、全幅1800mmを守ってきたクラウンだが、今やコンパクトカーでも側突安全性やデザインの自由度で全幅1800mmを超える車種も珍しくない。クロスオーバーの全幅1840mmは16代目クラウンの中でもっとも幅が狭い、15代目以前の車幅に慣れたユーザーでもそれほど違和感なく乗れる1台と言っていい。ちなみに前後席の乗降性は、低すぎないルーフ高、適切なシート位置によって、低全高・低着座位置のセダンよりいいと感じる人もいるに違ない。

パワーユニットもクロスオーバーは特別だ。16代目クラウンの基本となるのは2.5Lエンジン+2モーターのハイブリッドだが、クロスオーバーの場合、シリーズで唯一、2.4Lターボエンジン搭載のデュアルブーストハイブリッドを搭載するハイオクガソリン仕様のRSが用意されているのが大きな特徴となる。なお、ハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は4車種のハイブリッドモデル最上の22.2km/Lを誇る。

●クラウンスポーツ

イタリアンスーパーカーを想わせる流麗なスタイリングを纏っているのがスポーツ。これがクラウン!?というスポーティな1台であり、16代目クラウンでもっとも短い全長4720mm、ホイールベース2770mmにして、全幅は1890mmとクロスオーバーより50mmもワイド。つまりショーティ&ワイドなプロポーションが際立つクラウンということになる。個人的な意見だが、「トヨタ・ハイブリッドスポーツ」なんていうネーミングで登場してもよかったと思えるエキゾチックなモデルである。

パワーユニットはクロスオーバーと同じ2.5Lエンジン+2モーターのハイブリッド(エンジン186ps、22.5kg-m。Fモーター120ps、20.6kg-m。Rモーター54ps、12.3kg-m。システム最高出力234ps)のほか、システム最高出力306psを誇るPHEVも用意(エステートにもある)。

16代目クラウンの中ではスポーツグレードを担い、全長、ホイールベースともに短いため、ルーフ形状を見ても室内はクラウンとしては狭そう・・・と思えてしまいそうだが、そこはクラウン。後席頭上には身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で約170mm(サンルーフ装着車)もの余裕があり、膝周り空間にしてもセダンの約280mm、クロスオーバーとエステートの約270mmには及ばない約220mmではあるものの、外から見たほど後席は狭くないのである。※数値はすべて実測値。走りのスポーツ度で群を抜くのはもちろんだ。

●クラウンセダン

ハイブリッドと燃料電池車を用意するのが、クラウンの王道と言える、ショーファーカーとしての用途にも対応するとされる”新時代のニューフォーマルセダン”を目指したセダンである。大きな特徴は、16代目クラウンの中で唯一、燃料電池車のMIRAIをベースにした、15代目までのクラウンの伝統でもあったFR=後輪駆動レイアウトを採用することと、初作であるクロスオーバーの全長4930×全幅1840×全高1540mm、ホイールベース2850mmに対して、こちらは全長5030×全幅1890×全高1475mm、ホイールベース3000mmと、欧州プレミアムセダンを思わせる伸びやかな全長、低全高のプロポーション、16代目クラウンシリーズ最大の全長、ホイールベースで構成されている点だ。したがって、自宅の駐車場が、15代目以前のクラウンがギリギリ入る駐車スペース・・・という場合は、サイズ的に一考を要することになるかも知れない。

ほとんどのユーザーが選ぶであろうハイブリッドモデルは2.5L直4、185ps、22.0kg-m+モーター180ps、30.6kg-mという構成で、マルチステージハイブリッドシステムを10速ATとともに採用。WLTCモード燃費は18.0km/L(クロスオーバーは22.2km/L)。とはいえ燃料タンクは82Lもあり、1回の給油で実質1200km程度の航続距離を可能にしている。

マルチステージハイブリッドシステム

セダンにもドライブモードが用意されているが、特筆点はショーファーカー向けに追加された”路面の細やかな凹凸をより一層伝えにくい上質な乗り味を実現する”「REAR COMFORT」モードを用意していること。その乗り心地は16代目クラウンとしてもっともコンフォートな、往年のクラウンを思わせるソフトな快適感をもたらしてくれるのだ(もちろん、前席もより快適になる。山道走行を除く)。

室内空間はSUV的なクロスオーバーとは違い、全高が低いこともあって(クロスオーバー1540mm。セダン1475mm)、リヤドアからの後席乗降性はともかく、着座した時の頭上方向の余裕はとくにいいとは言いにくい。そしてパノラマルーフ装着車の場合、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で膝周り空間はクロスオーバー、エステート同様の約260mmを確保しているものの、頭上方向は約125mmでしかないため、身長によってはやや圧迫感があるかも知れない。

●エステート

16代目クラウンの、現時点で最後のピースとなって登場したのが、約18年ぶりに復活したエステート=ステーションワゴンだ。トヨタのHPを見ればわかるように、純然たるエステートではなく、トヨタではSUVに分類されるワゴンとSUVを融合させて生まれたモデルとなる。SUVに分類されるのは、ホイールアーチもそうだが、本格SUVに採用されるフルドア(サイドシルを覆い、悪路、雪道、泥道を走ってもサイドシルを汚さないドア形状)を用いている点からも納得できそうだ。パワーユニットはハイブリッドに加え、スポーツにもあるPHEVを用意。

ボディサイズは全長4930×全幅1880×全高1625mm。ホイールベース2850mm。つまり、16代目クラウンでもっとも車高が高いのがこのエステートということになる(クロスオーバーの全高は1540mm)。そして意外かもしれないが、最低地上高は16代目クラウンでもっとも余裕ある175mm(PHEVは165mm)。クロスオーバーの145mm、セダンの130mm、スポーツの160mm(PHEVは155mm)を凌ぎ、このことから4WDの駆動方式とともに、クロスオーバーよりSUV色が強いオールラウンダーなモデルということになる。

エステート最大の特徴は、もちろん、ステーションワゴンとしてのラゲッジルームにある。その寸法は開口部地上高720mm、後席使用時のフロア奥行き1050mm、フロア幅1420~1030mm。最低天井高690mmと、16代目クラウン最大。※すべて実測値。容量はクロスオーバーの450Lに対して約570Lとたっぷりだ。しかも後席をフラットに倒し、標準装備の「ラゲージルーム拡張ボード」をパタリと倒すことで全長2000mmのフラットスペースが出現。ショートサーフボードやロードバイクなどの長尺物の積載はもちろん、車中泊も余裕でこなせる、大人2人がゆったりと横になれるスぺ―つ巣まで備えた、高級感あるカーペットが全面に敷かれたラゲッジルームに仕立て上げられているのである。

世界的にステーションワゴンがSUVに押され、市場が縮小方向にあるものの、この堂々感ある超スタイリッシュなクラウンエステートの登場によって、国内外のステーションワゴン人気、需要がジワジワと拡大するのではないか・・・と、これまで4台のステーションワゴンに乗っている筆者は期待しているところである。

こうして4台の16代目クラウンを駆け足で紹介してきたが、すべてのクラウンに共通することがひとつある。それは移動の極上の快適性である。大径タイヤを履きながら、乗り心地、シートの良さ、車内の静粛性、絶大なる安心感が相まって、とにかく長時間、長距離ドライブでも極めて疲れにくいのである。

実際、エステートZで外気温35度超えの今年の夏の真夏日に東京~栃木、東京~山中湖の全行程約660kmを走破したのだが、先進運転支援機能の充実ぶり(渋滞時ハンズオフドライブを含む)、そしてエアコン+シートベンチレーションの快適さもあって、涼しく、快適に街中走行、悠々とした高速走行、スポーティな山道走行を楽しみ尽くせ、運転による肉体的、精神的な疲労度は最小限だったのだ。なお、エステートZの総走行距離約660km(2名乗車+大荷物、外気温35度超え)での実燃費は立派過ぎる17.8km/L(WLTCモードの88%)を記録した。愛犬と暮らし、アウトドアライフも好きなわが家にとって、初めて「コイツを所有したい!!」と思わせてくれた、高級リゾートホテルにも似合いすぎるクラウンでもあった。

文/青山尚暉
写真/青山尚暉・トヨタ

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