
旭化成ホームズは、自社製品由来の再エネ電力および環境価値を活用し、住宅の生涯CO2収支ゼロ(※1)を目指す、国内大手ハウスメーカー初(※2)の戸建住宅「earth-tect(アーステクト)」を販売開始した。
建物の建設から居住、改修、そして解体するまでの生涯におけるCO2収支をゼロにすることを顧客と共に目指す
欧州中心に冷暖房エネルギー効率や断熱性能向上による住宅・建築物の省エネ化促進に加え、「建設から解体までのライフサイクル全体のCO2」(ホールライフカーボン・WLC)の削減のための規制導入が進められている。
このような世界の動向を踏まえ、日本政府は2050年のカーボンニュートラル達成に向け、住宅に対するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化や省エネ基準適合義務化の次のステップとして、まずは建築物のホールライフカーボン(WLC)の議論を始めている。
そのようななか同社は、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達する事を目指す国際的イニシアチブ「RE100」に2019年に加盟し、2023年度で目標を達成したほか、2025年1月には戸建全商品において断熱等級6を標準化させるなど、脱炭素社会実現への貢献を目指した活動を推進してきた。
また、マテリアリティのひとつとしてWith Customerを掲げ、脱炭素社会への貢献として顧客が居住する建物のZEH化や創エネ・蓄エネ設備設置推進に加え、旭化成グループの電力事業「ヘーベル電気」を介して顧客宅からの卒FIT電力の買い取りなどを積極的に行なうなど、顧客と共に脱炭素社会の実現を推進している。
今回、その取り組みを更に拡大し、建物の建設から居住、改修、そして解体するまでの生涯におけるCO2収支をゼロにすることを顧客と共に目指すことを目的に、新商品「earth-tect」を開発した。
※1 達成には同社規定の仕様の採用と、ヘーベル電気(earth-tect用)への20年間の加入が必要。また、プランや仕様によっては達成の時期が前後する場合がある。LCCO2排出の考え方は、環境性能評価ツールであるCASBEE-戸建(新築)2018年版に準拠。一次エネルギー消費量はエネルギー消費性能プログラム(住宅版)により算定、ならびに、“LCCM低層共同住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール2024年版 ver.2.0”を参照。
※2 大手戸建住宅メーカー2024年度売上高上位20社(日経業界地図2026年版より)。2025年8月時点における同社調べ。
■「earth-tect」概要
・建設から廃棄にいたるライフサイクルにおけるCO2排出量を60年で収支ゼロにすることを目指す
建物の建設~運用~改修~解体(廃棄)までの累積CO2排出量を算出し、HEBEL HAUS由来の環境価値(非化石証書)を用いてエンボディドカーボンに充当(※3)する考えを採用。さらに実質再エネ電力を20年間供給することでオペレーショナルカーボンを削減。それらにより、建設後60年でのカーボンニュートラルを目指す。
※3 同社独自の手法による。同社が顧客の屋根を借りて太陽光を設置し得られた非化石証書を活用する計画。プランや仕様によって必要ではない場合もある。
※4 60年間のうち改修(修繕、リフォーム等)は2回を想定。
・HEBEL HAUS由来の再エネ電力並びに環境価値(非化石証書)を活用
HEBEL HAUSで卒FITを迎えた顧客からヘーベル電気(※5)を通じて買い取った電力の環境価値を活用し、「earth-tect」を建てる顧客に通常の電力価格と同額で(※6) 実質再エネ電力を20年間供給。将来的に「earth-tect」は下記の循環システムの中で再エネ電力を供給する側となり、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する。
※5 旭化成グループが提供するへーベルハウス・ヘーベルメゾン入居者向けの電力サービス。
※6 供給開始日から20年間、需給契約が継続している期間に限り、「非化石証書調達単価」が0.0円/kWh。
・高い建物性能でCO2削減効果をさらに向上
外壁材「ALCコンクリート・へーベル」と断熱材「ネオマフォーム」による二重の断熱構造および窓断熱仕様などによる高い断熱性能を新築時から長期にわたって維持。これにより、日々のエネルギーを節約し、さらに昼間の太陽光発電の余剰電力を使ってお湯を沸かすおひさまエコキュートなどにより省エネをサポートする。また、太陽光発電に加えて大型蓄電池を設置することで、発電が期待できる日中だけでなく、夕方以降の消費電力を抑える。耐久型断熱や省エネ・創エネ・蓄エネによって、エネルギーの自家消費率を高め、CO2を削減する。
・CO2削減効果を邸別に見える化し、顧客と共に環境貢献
同社独自のアプリケーションである「EcoゾウさんClub+」(※7) 内の「earth-tect」専用ページにおいてCO2削減効果を邸別に算出し見える化することで、顧客がCO2削減効果を実感できる。環境に配慮した暮らしについて積極的に考えることを促していく。
※7 「EcoゾウさんClub+」はHEBEL HAUSオーナーがHEBELIAN NET.にて利用いできるアプリケーション。
・重鉄の耐久性や快適性と環境価値を両立させた住宅
2種類の重鉄構造による高い耐震性、耐久性、快適性を兼ね備えた強靭な躯体構造によって顧客の安心と安全を支える。HEBEL HAUSは災害に強い家づくりを追求し、顧客の日常を守り続ける「トータルレジリエンス(総合防災力)」という考えのもと、住まいづくりに取り組んでいる。さらに、60年無料点検システムや、ロングライフ保証システムといったサポート体制を通じて、長期に安心して過ごせる住まいを提供してきたHEBEL HAUSだからこそ、住宅の生涯CO2収支ゼロを60年で目指す「earth-tect」の環境性能を実現。総合防災力と高い環境性能によって、顧客の長く豊かな暮らしを両立する。
関連情報
https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/lineup/earth-tect/index.html/
構成/立原尚子