
生活必需品といえる存在であるスマートフォン(スマホ)だが、通信費に関する料金プランや条件、スマホ本体に内蔵されたSIMであるeSIMについてなどわかりにくいと思っている人も多いと思われる。
ソフトバンクのオンライン専用ブランド『LINEMO(ラインモ)』は、全国のスマホ利用者2100人を対象に「スマートフォンとeSIMに関する実態調査」を実施して結果を発表した。それによると約6割が通信費の高さを感じながらも「面倒さ」や「複雑さ」を理由に見直しまでしていないことがわかったという。
さらもeSIMを76%が認知しているが心理的なハードルを背景に利用率は31%だったという。だがeSIM経験者の83%が手続きや設定を「簡単だった」と回答しており、意識と体験の間に大きなギャップが存在する「eSIM食わず嫌い」というハードルが浮き彫りになったという。
約6割が携帯電話の通信費が高いと感じているがプランやキャリアの見直しをするのは45%
携帯電話の料金プランやキャリアの見直しについての質問では、月々の携帯電話の通信費が「高い」と感じている人は60%もいるのに対して、料金プランやキャリアを「定期的に見直している」(8%)と「必要に応じて見直している」(38%)の合計は46%にとどまり、過半数以上の人が通信費の高さを感じながらも実際の行動に移せていない実態がわかったという。
プランやキャリアの見直しの2大ハードルは「面倒さ」と「複雑さ」
プランやキャリアの見直しについての質問では、「変更の手続きの面倒さ」(34%)と「料金プランの複雑さ」(31%)を感じることが2大ハードルになっており、3位の「店舗に行く億劫」(24%)という回答も含めて、心理的なハードルがプランやキャリアの見直しを阻む要因になっているといえる。それがeSIM利用者では、およそ3人にふたりが通信費の見直しを行っており、通信費やプランに対する意識が高い傾向がみられたという。
ちなみにeSIMを認知していると回答した人は76%で、多くの人が認知していることがわかった。だがeSIMを利用している人は31%で、認知と利用の間に大きなギャップが存在している。年代別では20代は41%が利用しており、ほかの世代と比較して突出した利用率だったが、50代は25%、60代は24%で、若年層と中高年層の間でeSIMの普及率に大きな差があった。
eSIMを利用しない要因は「面倒そう」「設定が難しそう」
eSIMを利用していない理由では、「設定方法がわからない/難しそう」(22%)や「手続きが面倒そう」(21%)といった回答が多かったが、実際の利用経験者の8割以上が「簡単・問題なくできた」と回答しており、利用前の不安と実際の体験には大きなギャップがあるといえる。eSIMを「難しそう」という思い込みによって避けてしまう“eSIM食わず嫌い” の人も多いようだ。
ちなみにeSIMを利用する理由については、「旅行用」、「仕事とプライベートの使い分け」、「デュアルSIM利用」など多岐にわたる中で20代の26%が「推し活」を目的に利用しているという。30代から60代では「推し活」を目的にした利用は10%だったので、推し活が盛んなZ世代でじゃeSIMが重要視されていることが浮き彫りになったという。
多くの人が通信費の見直しやeSIM利用に前向きでありながら、「手続きが難しそう」や「設定が面倒」などによる不安から行動に移せていない人も多いようだ。実際にeSIMを導入した人の体験では、そこまで難易度の高い作業ではないと思われる。今後のeSIM普及には、このギャップを埋めていくことが必要になりそうだ。
「スマートフォンとeSIMに関する実態調査」概要
調査対象:20代~60代の男女2100名
調査時期:2025年8月6日~2025年8月8日
調査方法:インターネット調査
調査会社:ネオマーケティング
https://www.linemo.jp/info/press/2025/25090202.html
構成/KUMU