
地方自治体に寄付することで返礼品をもらえる上に、翌年の所得税・住民税が控除されることから人気のふるさと納税。実際のところ、利用している人はどれくらいいて、そのうち3年以上続けている人は何割程度いるのだろうか?また、ふるさと納税のリピーターから特に人気を集める自治体とは?
セレクトラ・ジャパンが運営するWebメディア「スマートマネーライフ」はこのほど、全国の20歳以上の男女3,000名へふるさと納税の利用について調査。そのうち、同一自治体・同一返礼品への寄付を2年度以上繰り返している計370名を対象に独自アンケートを実施し、その結果を発表した。
ふるさとの納税「利用者は繰り返す傾向」に
「ふるさと納税を利用したことがあるか」と尋ねたところ、62.2%が「まだ一度も利用していない」と回答した一方、37.8%が「利用したことがある」と回答していた。「利用したことがある」人の内訳をみると、3年度以上ふるさと納税を利用したことがある人は67.9%に達した。
この結果から、初めは制度が複雑そうでハードルが高いが、利用してみると何かしらのメリットを感じてリピートしているという現状が見えてくる。
同じ自治体の返礼品を選ぶ「リピーター」は7割も
さらに、2年度以上ふるさと納税をした人に対象を絞って、同じ自治体・同じ返礼品を繰り返し選んだことがあるかを調査した。
その結果、70.3%が「ある」と回答。同じ自治体・返礼品を繰り返し選ぶという行動から、ふるさと納税経験者の多くが返礼品や自治体に対して高い満足感を持っていることがうかがえる。
具体的にリピートされている返礼品のカテゴリを分析すると「魚介・海産物」(149名)がダントツの最多となり、以下「肉類」(99名)、「米」(68名)、「果物」(63名)、「お酒」(40名)と続き、食品系が圧倒的多数を占めた。
一方で、「旅行・宿泊」「ソフトドリンク」「体験チケット」といった非食品カテゴリもあるが、合計しても5%強にとどまる。ふるさと納税のリピーターは、味や品質で満足できる「食」に集中していることがわかる。
何度も選ばれている、ふるさと納税人気自治体ベスト5(2025年版)
2年以上選んだ返礼品について「その自治体が属する都道府県・自治体名」を尋ねたところ、「北海道紋別市」と「宮崎県都城市」(各33名)が同率1位となった。
また、返礼品のカテゴリ別でみると、魚介・海産物では「北海道紋別市」(30名)、肉では「宮崎県都城市」(26名)、米では「新潟県魚沼市」「岡山県吉備中央町」(各4名)が1位という結果になった。
繰り返し選ばれる理由の1位は「品質・味への満足」
今回の調査では、魚介海産物を選んだ100名、肉を選んだ90名、米を選んだ60名、その他カテゴリを選んだ120名の合計370名に対して同一自治体・返礼品を選択する理由を聞いた。
最も多かったのは「品質・味への満足」(211pt)で、コメントを分析したところ、寄付者やその家族が「おいしい」と思えた体験がリピートする最大の理由であることがうかがえた。
次いで多かったのは「価格と内容量のバランス」(167pt)。寄付額に対して量がしっかりしていて家計的にも満足できるかどうか、利用者はシビアに見極めていることがわかる。そのほか、「冷凍保存できて使いやすい」(78pt)といった実用性の要素も目立った。
他方「自治体への愛着」(65pt)や「探すのが面倒だから同じものにした」(33pt)という声もあったが、割合としてはやや少数派だった。
総合すると、「味と品質の確かさ」に加えて「お得さや利便性」も判断して、総合的に満足のいく自治体・返礼品が繰り返し選ばれている理由になっていることがわかる。
出典元:セレクトラ・ジャパン
構成/こじへい