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知らないと恥ずかしい「心づもり」の意味と正しい言葉の使い方

2025.12.20

『心づもり』は、前もって心の準備をしておくことです。類義語は『心構え』『気構え』などで、ビジネスシーンでは『あらかじめご容赦ください』などのフレーズに言い換え可能です。

「心づもり」とは?

『心づもり』という言葉は、日常生活からビジネスシーンまで幅広く使われています。意味をよく理解していない人は、まず正しい意味を確認しましょう。

■「心づもり」の基本的な意味

心づもりは、『心積もり』『心積り』と表記されることもあります。事前に考えておくことや、あらかじめ心の準備をしておくことを意味する言葉です。

日常生活やビジネスシーンで頻繁に使用される表現で、未来の出来事に対する備え・計画を示します。

単なる思いつきではなく、ある程度時間をかけて考え準備してきた事柄を指し、望ましくない結果も想定して備えることも含みます。例えば、試験前に不合格の可能性も考えておくことなども、心づもりです。

「心づもり」の使い方と例文

会話をするビジネスパーソン
(出典) pixta.jp

日常会話での自然な使い方から、ビジネスシーンでの敬語表現まで、シーン別の例文を紹介します。使い方を把握し、実生活でアレンジして使ってみましょう。

■日常会話

日常会話では、「学校で風邪が流行っていて、子どもが急に体調を崩す可能性もあるので、予定を変更できるように心づもりしておこう」というように、起こり得る状況を想定して準備する際に使います。

また、「病院の待ち時間が長くなる可能性があるので、その心づもりでいてくれると助かります」といった形で、相手に対して状況を事前に伝え、心の準備を促す場面でも効果的です。

「来春には退職しようという心づもりで、準備を進めています」のように、まだ確定ではないが、意向を持っていることを表現するときにも適しています。

■ビジネスシーン

ビジネスシーンでは、特に将来起こり得る状況に備え、準備していることを伝える場面に適しています。

  • プロジェクトの進行状況によっては納期が変更になる可能性もあるため、心づもりをしておきます
  • 導入後すぐに改善されるとは限りませんので、中長期的に取り組む心づもりでご検討ください
  • 予算の関係上、ご要望全てを反映するのは難しい場合がございますので、何卒お心づもりいただければと存じます

目上の人や取引先には『お心づもり』と敬語表現を用いることで、より丁寧に伝えられます。

「心づもり」の言い換え表現

目を閉じるビジネスパーソン
(出典) pixta.jp

心づもりにはさまざまな言い換え表現があり、状況に応じて使い分けることで、より豊かなコミュニケーションが可能になります。それぞれの意味・使い方を理解し、状況や伝えたい内容に応じて最適な言葉を選べるようにしましょう。

■「心構え」「気構え」

心構えは『物事に対する心の準備』を意味し、より重大な決断や場面に使われることが多い言葉です。例えば、「困難なプロジェクトに臨む心構えを持っている」という使い方は、困難を乗り越える強い覚悟を示しています。

気構えは、心の準備に加えて『取り組む際の意気込み』というニュアンスを含む言葉です。「新しい仕事に気構えを持って取り組む」のように、意欲的な姿勢を強調したい場合に適しています。

■「腹づもり」「覚悟」

腹づもりは、『考えている大まかな計画』を意味します。ネガティブなニュアンスを伴うことが多く、裏の意図・下心といった意味合いで使われる傾向があるのが違いです。

例えば、「彼はどういう腹づもりなのだろう」という文では、相手の意図を疑うような含みが生じます。「何も言われなければ、そのまま黙っている腹づもりだ」という例文からも、表に出さない計画という意味合いが伝わります。

覚悟は、強い決意・決心を表現する言葉です。困難などを受け入れる準備ができた心の状態を指し、重大な局面で使われます。

「現場の混乱も予想されるが、全員で乗り越える覚悟を持って臨んでほしい」というように、より強い決意を示す場面で適しています。

ビジネスシーンで使える言い換えフレーズ

お辞儀をするビジネスパーソン
(出典) pixta.jp

最後に、ビジネスシーンで使える丁寧な言い換え表現を三つ紹介します。言葉の選び方一つで印象が変わるため、状況に応じた適切な表現を身に付けておくことで、ビジネスパーソンとしての評価も高まるでしょう。

■あらかじめご了承ください

『あらかじめ』は『前もって』『事前に』という意味で、『ご了承ください』は『事情をくみ取って納得してください』という意図を表します。

この表現は、前もって相手の理解・承諾を求める際に適した、丁寧な言い回しです。特に、変更や不確定な状況について、事前に了解を得たい場合に効果的です。

例えば、「システムメンテナンス中は、一部サービスをご利用いただけません。あらかじめご了承ください」という使い方ができます。

■あらかじめご容赦ください

『容赦』には『許す』『大目に見る』という意味があり、『ご容赦ください』は『許してください』という尊敬語になります。

この表現は、起こり得る事態に対して事前に相手の許しを請うニュアンスを持ち、前もって配慮を求める際に効果的です。特に、相手に不便・迷惑を掛ける可能性がある場合に適しています。

例えば、「スタッフの人数が限られているため、対応にお時間をいただく場合がございます。あらかじめご容赦ください」といった使い方が適切です。

■お含みおきください

『含みおく』という言葉には、『心にとどめておく』『了解する』という意味があります。

相手に事前に理解しておいてほしい事項を、伝える際に効果的です。特に、今すぐではないが、将来起こり得る事態について準備をしておいてほしい場合に用います。

例えば、「近年のインフレの影響で、価格改定をせざるを得ない状況となっております。事情をお含みおきください」といった使い方ができます。

ただし、一方的な印象を与えることもある点に注意が必要です。理由を明確に説明したり、「ご迷惑をお掛けしますが」といった配慮の言葉を添えたりすると、より丁寧な印象になります。

「心づもり」を正しく使おう

パソコンを見ながら考えるミドルシニアのビジネスパーソン
(出典) pixta.jp

心づもりは、単なる準備だけでなく、心理的な備えの意味も含む言葉です。言い換え表現には『心構え』『気構え』といった似た概念を示すものや、より強い覚悟を表す『腹づもり』『覚悟』などがあります。

ビジネスシーンでは、『あらかじめご了承ください』『お含みおきください』といったフレーズも活用できます。適切な場面で類義表現を使い分けることで、より円滑なコミュニケーションが可能となるでしょう。

構成/編集部

Author
2年間のイギリス留学で培った英語力を活かして、外資系企業に勤務。国際結婚を機に渡米し、20年以上アメリカに在住。 現地の大手企業での勤務経験を経て、ライターとして活動を開始。 これまでに多岐にわたる分野で800本以上の記事を執筆。 得意分野はビジネス・教育・ライフスタイル系で、責任感を持ち丁寧な仕事を心掛けています。 現在は子育てにも奮闘中で、休暇で日本を訪れるのが楽しみの一つです。

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