
言語AIの世界的な先進企業であるDeepLは、2025年9月3日、企業向け自律型AIエージェント「DeepL Agent」を発表した。
財務や営業、マーケティング等の業務自動化に特化した設計
この新しいAIエージェントは、事務職や専門職などの業務担当者が日々直面する煩雑で反復的な作業を効率化、自動化することを目的に設計されている。
「DeepL Agent」は、DeepLが提供する品質、精度、セキュリティ、さらに企業の業務を支える言語における深い専門性を活かし、急速に拡大するエージェント型AI市場に新たな価値を提供するものだ。
現在、DeepL Agentは、ベータ版として、概要は同社のイノベーションと今後のプロジェクトのためのハブである「DeepL AI Labs」で公開されている。
DeepL Agentは一部パートナー企業とのベータ版テストを継続した後、今後数か月以内に一般提供が開始される予定だ。
◎詳細はこちらから。
https://www.deepl.com/ja/ai-labs
■DeepL Agentの概要と主な特徴
DeepL Agentは、世界中で20万社以上の企業顧客に信頼されているDeepLの言語AI技術の実績と卓越した専門性を基盤に、営業・財務・マーケティング・人事・ローカリゼーションなど、幅広い業務領域に対応が可能で、業務担当者のキャパシティと生産性を高める。
また、ユーザーそれぞれのデジタル環境内で自然言語による指示に応じて業務を安全かつ自律的に遂行する。そして仮想のキーボード・ブラウザ・マウスなどを用いて、既存のインターフェース上でユーザーの代わりにほぼすべての作業をこなすことが可能で、パフォーマンスを継続的に向上させていく。
さらに、多言語対応でありながら、その用途は言語関連業務にとどまらず、汎用型エージェントとして、営業・財務・マーケティング・ローカリゼーション・人事など様々なチームや業務領域を横断して活用できるように設計されており、企業全体に変革をもたらす存在を目指している。
例えば、営業チーム向けのインサイト抽出、財務部門での請求書処理の自動化、ローカリゼーションチームでの翻訳・承認業務など、さまざまなシナリオでの利用に対応する。
DeepLは、企業向けに求められる高い品質とセキュリティ基準を満たすようDeepL Agentを設計しており、個人ユーザーだけでなく、管理者やチームリーダー、経営層も利用状況や出力を直接管理できる多層的な安全機能を導入している。
さらに、リアルタイムでの業務監視、操作の一時停止・レビュー機能、人による検証・承認オプションなどが含まれており、最高水準の正確性と意思決定を保証している。
■働き方そのものを根本から変革するツールになると確信
<DeepL創業者兼CEO ヤロスワフ・クテロフスキー 氏>
今回の発表に際してDeepLの創業者兼CEO、ヤロスワフ・クテロフスキー氏は、次のように述べている。
「DeepLは、AIイノベーションにおいて常に最先端にいることを目指し、最先端の研究への取り組みとAIの影響をグローバル規模のビジネスに展開することを使命に取り組んできました。
長年にわたり、DeepLはAIを活用し、高度な品質と文脈理解、セキュリティが求められる、複雑な言語の課題への理解と解決に注力しています。こうした強力な研究基盤により、エージェント型AIの分野においても、幅広い業務に対応できるツールの構築で優位性を発揮しています。
この度、新たにDeepL Agentを発表でき、非常にうれしく思います。本製品は、事務職や専門職などの業務担当者が日々抱える、時間のかかる反復的な作業を担う、自律型かつ安全なAIエージェントです。
現在、各市場の一部顧客とにベータ版のテストを実施しており、目的に特化したAIで課題を解決するというDeepLが掲げるミッションにおいて大きな一歩となり、働き方そのものを根本から変革するツールになると確信しています」
関連情報
https://www.deepl.com/translator
構成/清水眞希