
日本は地震や大雨、台風など災害が多い国だが、大災害にはならなくても、ちょっとした停電や断水などは誰もが遭遇する可能性がある。
いざという時に備え、アイリスオーヤマが画期的な防災アイテムを発表した。それが「3日間分の緊急防災セット」「ペット用防災セット」「自分で作る防災セット」の3種類だ。
災害に備えたいけど何から? まずは「防災リュック」を用意しよう
日本は災害が多い。とはいえ、わかっていても防災対策を講じていない家庭も多いのが現状だ。アイリスオーヤマのアンケート調査によると、「備えていない」と回答したほとんどの理由が「何をすれば良いか分からない」というもの。
そして、そんな場合に手軽に導入できる防災対策のひとつが、持ち運びが可能な「防災リュック」の準備だ。災害時に備えて日用品や食料品などを詰めた非常用持ち出しリュックがあれば、万が一の際にもすぐに避難行動へ移ることができるというのだ。
今回アイリスオーヤマが発表した3シリーズの製品は、いずれも避難所や自宅で「最初の3日間」を過ごすことを考えて作られた防災リュックだ。避難所にたどり着ければ必要な物資があるのでは? と考えがちだが、同社によると過去の災害では「災害発生後72時間(3日間)」は避難所にも支援物資が届きにくいことも多かった。このため、同社は少しでも避難生活を快適にするため、防災リュックに3日分のアイテムを用意することを勧めているのだ。
なにから用意すればわからないなら「3日間分の緊急防災セット」
「そもそも防災リュックになにを入れてよいかわからない」「選ぶのが面倒」といった人に向いているのが、3日間の避難生活に必要な基本アイテムが揃った「3日間分の緊急防災セット(1人用:BMH-1/2人用:BMT-2)」。

このセットは、懐中電灯やホイッスル、ウォータータンクといった一般的な防災アイテムのほかに、防災士が監修したアイテムを追加したもの。たとえば、過去の災害時に「避難所生活で困ったのがトイレ」という声が多かったことから、非常用トイレ凝固剤なども含まれている。
個人的に驚いたのが、このセットにはエアベッドやエア枕まで入っている点。避難所の床は固く、快適な睡眠をとるのは難しいもの。エアベッドがセットに含まれていることで、避難生活が長くなった場合にも少し快適に過ごせるかもしれない。

ライフスタイルに合わせて「自分で作る防災セット」
防災への備えは、一人ひとりのライフスタイルや家族構成、そして住んでいる場所の災害リスクによっても変わる。そこで、同社が今年から提案しているのが「自分で作る防災セット」というコンセプト。
「自分で作る防災セット」は、基本アイテムのみそろえた「基本の防災リュック」がベースとなる。このセットに入っているのは、ウォータータンクやアルミブランケットなどのベーシックな内容のみ。そのぶん、スペースに余裕があるため、自分が考える「必要なアイテム」を入れられるようになっている。
このセットに追加するアイテムとして、トイレや身体拭きなどをまとめた「衛生用品ボックス」や、ラジオや電池、充電器などを揃えた「防災家電ボックス」も用意。ベースとなる「基本の防災リュック」に「防災家電ボックス」を組み合わせるなど、自由に組み合わせて自分だけの防災セットを作ることができる。

家族であるペットとの非難には「ペット用防災セット」
近年はペットも大切な家族の一員として、同行避難が推奨されている。しかし「ペットとの避難」で実際に何を用意すればよいのか分からないという声もあるのが現実だ。そこでアイリスオーヤマは、今回同社初となるのペット用防災セット「ペット用防災セット(犬用/猫用)15点セット」も開発した。このセットは、「ペットを連れて避難所に行った場合に役にたつアイテム」をひとつのバッグにまとめたものになる。
犬猫用で共通しているのはショルダーバッグや折りたたみトイレ、折り畳み式水入れにフードボウル、防臭袋や迷子札など。さらに、犬用にはペットシートやリードが、猫用には猫ネットなどが用意されている。ちなみに、犬用セットには対象犬種やサイズの注意書きはなかったが、首輪やトイレのサイズを見た印象では猫と同サイズ前後の小型犬を想定しているようだ。
災害はいつ、どこで起きるかわからない。そうはわかってても「わからない」から、なかなか防災の行動に移れない人は多いはず。アイリスオーヤマの新しい防災セットは、そういった人にとって防災を考えるきっかけになるかもしれない。なお、どのセットも水と食料は、好みやアレルギーの有無を考慮してあえて含まれていない。自分で好きなものを追加することで、よりパーソナルな防災セットが完成するようになっているのだ。
自分の家族にぴったりの防災セットを改めて見直してみてはいかがだろうか。
文/倉本春