
今年も災害に関するニュースが多く見られる中、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する高速光回線サービス『NURO(ニューロ)光』は、9月1日の「防災の日」に先立ち、2011年以降に震度6以上の地震を経験した災害経験者と災害未経験者を対象に、「いざという時のインターネットの使い方」に関するオンライン調査を実施して結果を発表した。この調査は、2023年から毎年実施しており、今年で3回目になるという。
3年連続で8割が災害やネットを使えないことの不安を抱えている
3年にわたる調査で「政府では直近30年で起こりうる大規模地震の情報を発信しています。中でも南海トラフ地震や首都直下地震は高い確率で発生が予想されているのを知っていましたか?」という質問では、「知っている」と回答したのは約8割だった。「今後もし災害にあった時にインターネットがつながらない場合、どの程度不安を感じると思いますか?」という質問では、災害時にネットがつながらないと「とても不安に感じると思う」と回答した人と「やや不安を感じると思う」と回答した人の合計は約9割だった。災害への警戒心は高まる一方で、「災害時にインターネットがつながりにくい状況になる可能性があることを見越して、対策や準備ができていると思いますか?」という質問では、対策ができていると思う、どちらかと言うとできていると思うと回答した人は合わせてわずか2割にも満たない状況だった。
防災対策や取り組む姿勢は二極化が進行
災害時にインターネットがつながりにくくなる状況を想定して対策が「できている」と回答した人は、食料・飲料などの備蓄や非常用持ち出しバッグの準備、家具などの転倒防止対策などの自宅内の防災対策だけでなく、家族同士の安否確認方法や避難場所・避難経路の確認などの対策も進んでいるという。対策が「どちらかというとできていないと思う」と「できていないと思う」と回答した人では、食料・飲料などの備蓄といった自宅内の防災対策は比較的できているが、家族同士の安否確認方法や避難場所・避難経路の確認、災害時の情報収集の手段など“人や情報とつながる”備えには課題があったという。対策ができていると回答した人とできていないと回答した人では、それぞれの対策や準備の実施状況において、20ポイント以上の大きな差もあったという。災害経験者に被災した時にどこにいたか質問すると、外出中が半数以上(56.0%)、在宅が3割程度(35.5%)だった。
スマホのバッテリー対策は進むも家族とつながる備えは後回し
「災害時の停電に備えて、スマートフォン(以下、スマホ)を充電する機器を用意していますか?」という質問では、停電に対する充電器の用意は特にないと回答する人は減少傾向で、バッテリーへの対策は進んでいると思われる。バッテリー対策をしている人の用意している機器では、「繰り返し充電タイプのモバイルバッテリー」(53.1%)、「乾電池式モバイルバッテリー」(15.9%)、「コンセントが使えるポータブル電源」(15.9%)が上位だった。
「いざという時に備えて家族とどのように連絡をとるか決めていますか?」という質問では、3年連続で7割以上が「決めていない」と回答しており、「スマホやパソコンが利用できない状況に備えて家族の連絡先をデジタルツール以外にメモなどで控えていますか?」という質問でも約7割が「控えていない」と回答。スマホが利用できるようにバッテリー対策はしているが、家族とのつながりを確保する備えは依然として不十分であることが浮き彫りになったという。
3年にわたる調査結果から災害に対する警戒心や災害時にインターネットが使えなくなることへの不安は依然として高い一方で、防災対策の取り組みは二極化の傾向が見られたという。災害時にインターネットがつながりにくくなる状況を想定して、対策や準備が「できている」と回答した人と「できていない」と回答した人の間では、備えに対する取り組みに20ポイント以上の大きな差があった。
災害発生直後は、生命の危機に直面している人からの発信や自治体・公的機関の緊急連絡を優先するため、「インターネットにあえてつながない6時間が被災者を救う」と言われている。
災害時に人や情報とつながるための対策としては、「命を守る準備として重要な「情報収集」と「安否確認」の手段の確保」、「非常時のスマホ利用のため、節電方法を知り、充電手段を確保することが重要」、「災害時に使用できる通信手段の事前把握と冷静な利用」、「外出時に災害に遭うことでインターネットが使えなくなる可能性も見越し、家族の連絡先はデジタルツール以外でも管理しておく」といったことを心がけておこう。
NURO 光「いざという時のインターネットの使い方に関する調査 2025」概要
対象者:
(1)2011年以降に震度6以上の被災経験がある全国20代以上の男女200名
(2)これまで震度6以上の被災経験がない全国20代以上の男女200名
調査期間:2025年7月23日~2025年7月24日
調査手法:インターネット調査
出典元:「ソニーネットワークコミュニケーションズ」調べ
構成/KUMU