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iPhoneとはひと味違う!超解像ズームや最新AIを搭載したGoogleの最新スマホ「Pixel 10 Pro」の実力

2025.09.03

8月28日、グーグルの「Pixel 10」シリーズが発売。8月のタイミングでは、無印モデルのPixel 10、上位モデルのPixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XLが発売され、追いかける形で、10月に折りたたみ機種であるPixel 10 Pro Foldが発売される。

10周年となったPixelシリーズだが、近年はGeminiを中心とするAI機能をいち早く体験できるスマホとして、注目を集めている。今回発売されたPixel 10シリーズにおいても、現時点では他のスマホに対応していない、カメラコーチやマジックサジェストといった新機能が利用できる。

本記事では、Pixel 10 Proを実際に使いながら、同じく上位モデルであるiPhone 16 Proとの違い、特徴についてチェックしていく。

上質な手触りと心地よいサイズ感だが質量は気になる

Pixel 10 Proの本体サイズは、152.8×72×8.6mm。iPhone 16 Proは149.6×71.5×8.25mmとなる。ディスプレイは6.3インチで共通しており、近年のハイエンドモデルとしては控えめなサイズ感となる。ただし、Pixel 10 Proの方が、iPhone 16 Proに比べて、やや縦に長いデザインになる。

片手操作の快適さを求め、コンパクトな形状が好きな人にとっては、もう少し小さいサイズが欲しいかもしれないが、コンテンツの見やすさや、内蔵するバッテリーの容量などを踏まえて考えると、程よいサイズだと、個人的には感じる。

質量はPixel 10 Proが207g、iPhone 16 Proが199g。金属素材を採用する上位モデルだけあり、質感と引き換えに、ずっしりと重みを感じる。特にPixel 10 Proは、わずか8gの差ではあるが、サイズを鑑みると、比較的ヘビーな印象だ。

ディスプレイは両端末ともに最大120Hzのリフレッシュレートに対応。ピーク輝度はPixel 10 Proが3300ニト、iPhone 16 Proが2000ニトとなる。iPhone 16 Proでも、屋外で極端に見にくくなるわけではないが、Pixel 10 Proの明るさは抜群。特に日差しの強い状況では、明るいディスプレイの恩恵は非常に大きい。

ここまでの内容や画像からお気づきの方もいるだろうが、Pixel 10 Proは、前モデルから、外観的な変更点はあまりない。Pixel 6シリーズ以降で搭載されている「カメラバー」のデザインも踏襲されているため、外観で「Pixel 10だ」とはっきりわかる人は、それほど多くないだろう。逆にいえば、従来通りPixelらしいデザインを踏襲しているともいえる。

iPhoneシリーズにおいても、無印モデルはカメラが2つ、Proモデルはカメラが3つという流れがしばらく続いている。無印モデルのカメラ配置が変更になることはしばしばあるが、「このデザインはiPhone」というイメージが強くあるように、Pixelシリーズも、「このデザインはPixelだよね」とわかりやすいイメージが定着しつつあるだろう。10周年になり(日本では8周年だが)、ブランドイメージが浸透してきているのは、喜ばしいことだ。

強力な超解像ズームProが特徴のPixel 10 Pro、カメラコントロールの操作感が魅力のiPhone 16 Pro

構成的には近しいものがあるが、仕上がりに大きく差が出るのがカメラ性能。まずはそれぞれの搭載カメラについて、詳細を見ていこう。

・Pixel 10 Pro
広角カメラ:50MP 絞り値f/1.68 イメージセンサー1/1.3インチ
超広角カメラ:48MP 絞り値f/1.7 イメージセンサー1/2.55
望遠カメラ:48MP 絞り値f/2.8 イメージセンサー1/2.55 光学5倍ズーム

・iPhone 16 Pro
広角カメラ:48MP 絞り値f/1.78
超広角カメラ:48MP 絞り値f/2.2
望遠カメラ:12MP 絞り値f/2.8 光学5倍ズーム

解像度は、iPhone 16 Proの望遠カメラをのぞき、50MP近くになっており、数字上の大きな差はない。2機種ともに、広角カメラ、望遠カメラには光学式手ぶれ補正機能も搭載しており、使い勝手は非常にいい。

広角カメラで撮影した写真を見比べると、どちらもAIで色味をはっきりと補正することがわかるが、特にPixel 10 Proの方が、色味の強調が強いのに加え、露出度が高く、非常に明るい写真に仕上がる。iPhone 16 Proも色の補正はしっかりと入っているが、あくまで目で見た景色に近い範囲内で、それぞれの色をはっきりさせている印象にとどまる。

Pixel 10 Proで撮影
iPhone 16 Proで撮影

従来のPixelシリーズは、写真の仕上がりに青みが強く、特に食事などを撮影すると、あまり映えない写真になることが多かったが、Pixel 10 Proは、色味のバランスが良くなり、料理シーンにも使いやすくなった。iPhone 16 Proのカメラも、色味のバランスや映える仕上がりは、いわずもがなの高水準であり、いずれも非常に優れたスマホカメラだと感じている。

Pixel 10 Proで撮影
iPhone 16 Proで撮影

超広角カメラでも色味の補正は広角カメラとほぼ変わらず、両モデルともに映える写真が撮影できた。一方で、Pixel 10 Proは、拡大してよく確認すると、若干歪んでいるような印象も受ける。

Pixel 10 Proの広角カメラで撮影
iPhone 16 Proの広角カメラで撮影
Pixel 10 Proの超広角カメラで撮影
iPhone 16 Proの超広角カメラで撮影

はっきりとスペックの違いを感じるのが望遠カメラ。いずれも光学ズームは5倍で、光学式手ぶれ補正に対応しているが、デジタルズームはPixel 10 Proが最大100倍、iPhone 16 Proは最大25倍になる。

光学5倍ズームでの撮影は、いずれもパキッとした仕上がりで、広角カメラと同様に明るく、綺麗な写真に仕上がる。AIの補正に加え、光学式手ぶれ補正の恩恵が大きく、5倍の距離でも、ブレずに撮影できている。

Pixel 10 Proの光学5倍ズームで撮影
iPhone 16 Proの光学5倍ズームで撮影
Pixel 10 Proの100ズーム(超解像ズームPro)で撮影
iPhone 16 Proの25倍ズームで撮影

一方、デジタルズームは、より倍率を上げるほど、解像度が低くなってしまう。これはiPhone 16 Proでも共通で、補正がかかるとはいえ、25倍ズームで撮影した写真は、ガビガビとした仕上がりになる。

Pixel 10 Proの場合、ズーム撮影時に「超解像ズーム」という機能が利用でき、100倍で撮影した写真であっても、AIの力を使って、バチっと仕上がるのが特徴。よく見ると、文字をAIで書き換えていたり、イラストを置き換えていたりと、写真を補正するというより、AIで書き直しているようにも見えるが、うまくいけば、遠いところの撮影でも、思わぬ綺麗な写真が撮れることがある。

Pixel 10 Proのカメラ機能として紹介したいのが、新しいAI機能である「カメラコーチ」。AIに指示を仰ぎ、最適な構図や撮影モードの提案をしてもらう機能となっており、映える写真を撮影するのが苦手という人でも、簡単に、いい雰囲気の写真が撮影できるようになる。

一方、本誌でも何度か触れてきたが、iPhone 16 Proには、本体側面に「カメラコントロール」が搭載されている。シャッターボタン風に動作するセンサーで、スライドやダブルタップといった操作で、ズーム倍率や露出度の変更が行える。操作に慣れるのには、少し時間を要する印象もあるが、とくにiPhone 16 Pro本体を横向きにして写真撮影を行う際に、あると便利な機能だ。

Qi2対応、AI強化でPixelらしさを強めるアップデート

Pixel 10シリーズの発表で話題を呼んだのが、Qi2規格対応だ。背面にマグネットが内蔵されており、対応ワイヤレス充電機をピタッと貼り付けて、充電ができるようになっている。いわば、iPhoneシリーズで長らく親しまれている、MagSafe充電と同等の使い方ができるようになっている。

iPhone 16 ProのMagSafe充電では、最大25Wの充電が可能。一方、Pixel 10 Proは最大15Wに止まっており、充電速度的にはまだ追いついていないものの、ケースをつけずに、マグネットで吸着できる仕様は、待ち望んでいた人も多いはず。充電はさておき、カードケースやスマホスタンド、三脚など、磁石でスマホ本体をホールドする周辺機器との接続が快適になる。特に、スマホにケースをつけたくない、「裸派」の人にとっては、嬉しいアップデートだ。

バッテリーは、Pixel 10 Proが30時間以上の駆動、iPhone 16 Proが最大27時間のビデオ再生に対応する。どちらのモデルも、1日の外出で、移動中に動画を見たり、チャットやメールの返信をするといった使い方をしていても、自宅に戻るまでに充電をする必要はなく、快適な印象だ。

AI機能としては、Pixel 10 ProではGeminiをはじめとするグーグルのAI、iPhone 16 Proでは、日本語対応もしているApple Intelligenceが利用できる。

Pixel 10 ProのAI機能には、先に触れたカメラコーチのほか、通話やチャット時に、端末内の関連する情報を提示してくれる「マジックサジェスト」などが新搭載。試用している現状は、まだまだ未成熟な印象で、サジェストできる機能も少ないが、パーソナライズ化とAIの進化によって、スマホの使い方が変わることを予感させる機能ではある。もちろん、かこって検索や消しゴムマジックといった、従来機より利用できるAI機能は、新世代にも踏襲されている。

Apple Ingelligenceは、セキュリティやプライバシーを重視するため、オンデバイスで処理されるものが多い。そのため、他社からAI開発で遅れをとっていると見られることもあるが、レコーダーアプリでの文字起こし機能や作文ツールなど、実用的なAI機能が実装されてきている。

いずれも、AIを使ってさまざまな作業をサポートできるようになってきているが、対話形式で周辺情報の検索ができるGemini Liveや、Gmailに届いたスケジュールを、Geminiへの指示でGoogle カレンダーに登録する機能など、全体的に、Pixel 10 Proで利用できるAI機能の方が、1歩、2歩と先を行っている印象もある。Pixelシリーズの最新モデルには、グーグルの新しいAI機能を、いち早く利用できるというメリットがあるため、いち早く最新AIに触れておきたいという人には、ぴったりの端末だろう。

搭載SoCは、Pixel 10 ProがGoogle Tensor G5、iPhone 16 ProがA18 Proとなる。いずれも自社開発チップだが、Pixel 10 Proは、処理性能の課題か、最適化の問題かは不明だが、ゲームアプリなどがあまり快適に動作しないシーンが見られた。この辺りが、高い性能と、長く培ってきたノウハウのあるアップルのSoCとの違いだろう。

そのため、ゲームなども含むヘビーユースと考えると、Pixel 10 Proには物足りないシーンも垣間見える。ライトに使う、もしくはグーグルのAIをフル活用するという意味では、バランスの良いスマホに仕上がっているだけに、個人的にはヘビーユースのニーズに耐えうる最適化にも期待したい。

取材・文/佐藤文彦

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