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朝ドラ「ばけばけ」のモデルは誰?登場人物・ロケ地を徹底解説

2025.09.30

2025年秋の朝ドラ『ばけばけ』は松江が舞台。ヒロイン松野トキと異国の教師ヘブンの物語を描き、実在の小泉セツと小泉八雲をモデルに「何も起きない物語に光を」をテーマとする。

ついに放送が開始されたNHK朝ドラ『ばけばけ』は、松江を舞台に小泉セツと小泉八雲の物語を描く注目作だ。等身大の人生に光を当てた脚本や、実在のモデル、キャスト、ロケ地の魅力が話題を呼んでいる。本記事では、あらすじから登場人物、制作の舞台裏まで詳しく紹介する。

朝ドラ『ばけばけ』とは?あらすじと放送概要

2025年秋よりスタートした朝ドラ『ばけばけ』。ここでは放送概要や物語の舞台、そしてタイトルに込められた意味を紹介する。

■放送日程と基本情報

第113作目にあたる本作は、半年間にわたり月曜から土曜の朝8時から15分間放送される。制作はNHK大阪放送局が担当し、脚本は『ちかえもん』などで知られるふじきみつ彦氏、制作統括は橋爪國臣氏が務める。

ヒロイン・松野トキ役にはオーディションで2892人の中から選ばれた高石あかりさん、夫ヘブン役にはイギリス出身の俳優トミー・バストウさんが抜擢され、放送前から注目を集めている。

■物語の舞台・松江で描かれるストーリー

物語は明治時代の島根・松江を出発点とする。没落士族の娘・松野トキは、貧しさや不運に翻弄されながらも、周囲の人々と支え合い生きる少女だ。彼女が出会うのは、異国から流れ着いた英語教師ヘブン。彼もまた居場所を見失い、さまざまな土地を転々としてきた人物であった。

怪談を好むという共通点を通じて、二人は次第に心を通わせていく。幽霊よりも生きることが不器用な人々に囲まれながら、トキの世界は「うらめしい日常」から、やがて「かけがえのない時間」へと化けていく。松江をはじめ熊本など各地を舞台に描かれる、心の再生と出会いの物語だ。

■タイトル「ばけばけ」に込められた意味

タイトルの「ばけばけ」は、明治という大きな転換期における変化を象徴している。文明開化の波により、人々の暮らしや価値観はめまぐるしく「化け」ていった。そうした変化に翻弄され、居場所を失った人々の思いは、ときに怪談として物語られ、受け継がれてきた。

本作では、ヒロイン・トキが出会いを重ねるなかで、絶望的に思えた日常が少しずつ「すばらしいもの」に化けていく過程が描かれる。

「ばけばけ」のヒロインとモデル人物

『ばけばけ』の魅力は、史実をもとにした人物像にある。ここではヒロイン役を務める俳優や、そのモデルとなった小泉セツ、さらに夫である小泉八雲の実像を紹介する。

■ヒロイン・松野トキ役は高石あかり

松野トキ役に選ばれたのは宮崎県出身の俳優・高石あかり。2,892人の応募から勝ち抜き、初めて朝ドラのヒロインを務める。映画『ベイビーわるきゅーれ』で主演を果たし注目を集め、『わたしの幸せな結婚』など多彩な作品に出演。2023年にはTAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞し、実力派としての地位を築いた。

幼い頃から朝ドラ出演を夢見ていた彼女は「寄り添えるヒロインを目指したい」と語り、制作陣からも自然な演技と繊細な表情が高く評価されている。

■モデルとなった小泉セツとは?その生涯と役割

松野トキのモデルとなった小泉セツは、1868年に松江で生まれた。士族の没落により家庭は困窮し、厳しい環境の中で育つ。そんな彼女に転機が訪れたのは、1891年。来日した英語教師ラフカディオ・ハーンの家に奉公したことが転機となり、彼との出会いを果たす。やがて二人は親交を深め、正式に結婚する。

幼い頃から物語好きだったセツは、夫の語り部として多くの怪談や民話の再話に影響を与えた。八雲は著作において妻の存在を深く感謝し、「作品は妻のおかげ」と述べている。夫の死後は四人の子を育てながら著作権管理や来客応対を担い、生涯を通じて八雲の名を支え続けた。彼女の歩みは、名もなき人々に光を与えた存在そのものといえる。

■夫ヘブン=小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の実像

ラフカディオ・ハーンは1850年、ギリシャのレフカダ島に生まれた。幼少期に両親が離別し、母国語も異なる複数の文化の間で育った彼は、孤独と不安定な生活を余儀なくされる。さらに、10代で視力を大きく損ない、経済的にも困窮するなど、青年期は苦難の連続だった。

アメリカでジャーナリストとして活動する中で異文化への深い関心と探究心が高まり、1890年には日本文化への強い興味から来日を決意。松江で英語教師を務めた際に小泉セツと出会い、結婚後に帰化して小泉八雲と名乗った。

『怪談』をはじめ、日本の民話や習俗を英語で紹介する著作を数多く残し、日本文化を海外へ伝える役割を果たす。帝国大学や早稲田大学でも教鞭を執り、文学教育にも貢献した。1904年に心臓発作で亡くなったが、その功績は今も広く語り継がれている。

主要キャラクターと実在モデル一覧

ドラマに登場する人物の多くは、実在の人物をモデルに描かれている。ここでは特に注目すべき登場人物と、その背景にある史実を紹介する。

■父・雨清水傳のモデルは小泉湊

雨清水傳のモデルとされるのは、小泉セツの実父である小泉湊だ。松江藩で三百石を預かる上級武士の家柄に生まれ、文武両道の武士として知られた人物だった。湊は若くして家督を継ぎ、習兵所の取締役や京都守衛、長州戦争での指揮などを務め、その実力を藩内外に示した。

人格者としても慕われ、親戚であったトキを幼少期から温かく見守り、士族の没落に直面する人々を支えようと尽力。幕末の動乱を生き抜いた湊は「ラストサムライ」と称され、その高い家格はセツの養家となる稲垣家を上回っていた。

■島根県知事・江藤安宗のモデルは籠手田安定

島根県知事・江藤安宗のモデルは、1885年から1891年まで実際に県知事を務めた籠手田安定だ。籠手田は島根の発展に強い情熱を注ぎ、教育改革に力を入れた。特に英語教育の重要性を説き、ラフカディオ・ハーン(後の小泉八雲)を招いて島根県尋常中学校の教師に任命したことで知られる。

また、当時深刻化していた旧士族の貧困問題にも取り組み、専門委員会を設置して対策を進めた。こうした姿勢は、ドラマ内で江藤安宗が島根を「日本が誇る一流の県に押し上げよう」と奮闘する姿に重なっている。教育と社会問題への取り組みを両立させた籠手田は、島根の近代化を支えた象徴的な知事といえる存在だ。

■キャラクターのモデルまとめ

上記以外にも、多くの登場人物には実在の人物がモデルとして設定されている。以下の表にまとめ、ドラマの対応関係を整理する。

登場人物(役名)モデルとなった人物キャスト
雨清水傳(父)小泉湊堤 真一
江藤安宗(島根県知事)籠手田安定佐野史郎
松野司之介(養父)稲垣金十郎岡部たかし
松野フミ(養母)稲垣トミ池脇千鶴
松野勘右衛門(養祖父)稲垣万右衛門小日向文世
山根銀二郎(縁談相手)前田為二寛一郎
雨清水タエ(実母)小泉チエ北川景子
雨清水三之丞(実弟)小泉藤三郎板垣李光人
錦織友一(英語教師)西田千太郎吉沢亮

制作の舞台裏とロケ地の取り組み

ドラマ制作の背景には、脚本家やプロデューサーの想いと、松江を舞台にした地域の協力体制がある。ここでは作品づくりに込められた意図と、ロケ地を活用した地域振興の動きを紹介する。

■制作陣が語る「何も起きない物語に光を」

脚本家ふじきみつ彦は、人生の多くは光でも影でもない日常であり、そこに焦点を当てたいと語る。モデルとなった小泉セツも特別な功績を残した人物ではなく、何気ない日常を大切に生きた人であった。

プロデューサー橋爪國臣は、声を上げにくい人々に寄り添う物語を描きたいと考え、ふじきの持つユーモアや温かみが適任だと感じたという。

セツと八雲が異なる価値観を受け入れ合った姿は現代にも通じるものがあり、その日々を描くことで、観る者に心の余白と共感をもたらすドラマを目指している。

■松江のロケ地と推進協議会による地域振興

ドラマの舞台となる松江市では、2024年12月に官民学26団体から成る「小泉八雲・セツのドラマをイカしてバケる松江推進協議会」が設立された。放送を観光振興の契機とし、国内外へ松江の魅力を発信する役割を担っている。

また、小泉八雲とセツの精神や功績を次世代へ伝えることも目的に掲げ、市民が誇れる文化資産として位置づけている。ロケ地には八重垣神社や塩見縄手といった歴史情緒あふれる場所を候補に挙げ、観光資源の価値を高めると同時に、地域経済の活性化を狙う。松江の街全体がドラマと共に歩むプロジェクトへと発展しつつある。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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