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【正直レビュー】iFLYTEK「AINOTE Air 2」は手書き派に刺さる7万円ノートだった

2025.09.01

ダイソーや雑誌付録などで手に入る感圧式の電子メモパッドは、卓上の買い物メモや電話の伝言に重宝する。軽くて安く、消去もワンタッチと気軽に使えるので、筆者も翌日の作業メモや急ぎのタスク整理によく利用している。

ただし、書いた内容は保存できず、活躍の場は机の上に限られるのが難点。あくまでも「付箋替わり」といった使い方にとどまる。

左から、AINOTE Air 2、どこかで買った電子メモパッド、以前のDIMEの付録の電子メモパッド

そんな“卓上メモ派”の筆者が手に取ったのが、電子ペーパー端末「iFLYTEK AINOTE Air 2」(公式サイト価格71,800円 税込)だ。8.2インチの大型画面とペン入力機能を備えた本格派で、100均の電子メモパッドとは機能も価格も段違い。比較対象にするのは我ながらどうかと思うが、それでも一度試してみたいと思わせたのが、付属する「ワコム製スタイラスペン」の存在だった。

ワコムといえば、絵やデザインに親しむ人にはおなじみのペンタブレット業界のリーダー格。「いかに紙の書き心地に近づけるか」を追求してきたメーカーだけに、自然な書き味への期待は高まる。ちなみに筆者は絵はほとんど描かないが、25年以上もワコムの板タブを仕事のマウス代わりに使ってきた“常連細客”である。

iFLYTEK「AINOTE Air 2」とはどんな製品?

AINOTE Air 2はE Inkディスプレイを採用した薄型軽量の電子ペーパー端末。

反射が少なく屋外でも見やすい画面が特徴だ。PDFやEPUBなどの文書ファイルに対応し、手書きメモや注釈を直接書き込める。電磁誘導方式のペンは軽いタッチでも反応し、紙ノートや電子書籍リーダーの役割を兼ねられる多機能モデルだ。

書き心地と携帯性を試す

卓上メモに慣れた身としてまず驚いたのが、表示の美しさ。8.2インチ画面でA4資料を一画面で表示でき、細かい文字や図もくっきりと見やすい。

本体は約230gと軽量で、厚みも薄いため片手で持っていても疲れにくい。付属のペンはフラット面があり握りやすく、替え芯も付属。起動はやや時間がかかる印象だが、一度立ち上がれば動作は軽快だ。

簡易なつくりの電子メモパッドよりさらに薄い
Apple Pencil同様、持ちやすいフラット面。お尻の部分は消しゴムの役割を果たす

100均や付録の電子メモは感圧式で、ペン先を押し込まないと線が出ず、太さも固定。保存もできないため、一度書いたら消すのが前提だ。

一方、AINOTE Air 2は電磁誘導式。軽くペンを当てるだけで書け、筆圧で線の太さも変化する。遅延はゼロではないがメモや資料書き込みなら快適で、摩擦感も自然。ペンの動きに対する追尾はiPad Proと比べても遜色なく、書き込むことに特化したタッチ感の心地よさは、iPad Proより上に感じられた。

複数のペンから直観的に選べて楽しい

さらにOCRボタンを押せば、手書き文字をすぐにテキスト認識できる。急いで書いた文字の変換精度はやや落ちるが、おおむね良好。ペンの種類も鉛筆、羽ペン、筆ペンなど多彩だ。

一部消しゴムで消してしまったためご認識させてしまったが、完全に筆者のせい
走り書きでもそこそこ読んでくれる。というかよくこれだけ読めた

電子ペーパーならではのメリット

E Inkのマット画面は長時間見ても疲れにくく、屋外の光でも視認性が高い。反射型液晶より黒が濃く、細部もくっきり表示される。

電子メモパッドと共に窓際にて

バッテリー持ちも優秀で、1日数時間の使用なら数%しか減らない。PDFのページ送りや拡大縮小もスムーズで、会議資料や契約書チェックもストレスがない。

試しにDIME電子版のデータも資料代わりに読み込んでみた

7万円という価格は、正直「高い」と感じる人も多いだろう。だが実際に使ってみると、紙ノートや安価な電子メモでは得られない「時間の節約」と「情報管理の効率化」がはっきりと実感できる。

例えば会議資料のPDFに直接書き込み、そのままクラウドで共有すれば、印刷や配布の手間を大幅に削減できる。さらにノートや紙の買い替えが不要になるため、長期的に見ればコストパフォーマンスは決して悪くない。

多彩な機能とまとめ

さて、AINOTE Air 2は7万円という高価格帯なだけあって、美しく書きやすい電子ノートにさらに拡張された機能が盛り込まれている。

  • 音声録音と文字起こし:内臓マイクで会議や取材の音声を録音し、そのまま文字起こし可能。手書きメモと音声を連動でき、後から振り返りやすい。
  • 電子書籍リーダー:EPUBやPDF形式に対応し、資料を持ち歩いて読むのにも最適。
  • データ取り込み:専用クラウドやUSB、Dropboxなどで共有可能。Google DriveやOneDriveは非対応だが、中継アプリで対応できる。

実際の利用シーンを想定すると、この端末の強みがさらに際立つ。

  • 会議:議事録を録音しながらスライド資料に直接メモを書き込み、後から音声とリンクして確認できる。対応言語はなんと15言語なので、海外とのやりとりにも。
  • 出張:重たい資料を持ち歩かずPDFで確認し、その場でメモを残してすぐに共有。
  • 学習・読書:電子書籍に線を引いたり、OCRでキーワードを文字データ化し、検索や要約に活用できる。

こうした場面では「紙ノート+PC」よりもスピーディで効率的に活用でき、7万円の価値を裏付ける十分な体験になる。

カラー表示や多機能アプリを求めるなら他機種も検討の余地はあるが、日常的に「手書きでメモ・書き込み」をする人にとって、AINOTE Air 2は1台で「書く・読む・録る」をこなせる強力なツールだ。
ノートが積み上がる一方で見返す機会が少ない……そんな悩みも、この1台で解消できそうだ。

付属のカバーでよりノートライク

撮影・文/安念美和子(DIME編集部)

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