
いまや日本人の日常生活に欠かせないものとなった「温水洗浄便座」は、10年を目安に点検・買い替えの検討が推奨されている。ハイアール ジャパン セールスは、全国の「持ち家に居住して自宅に温水洗浄便座を設置」している30歳から75歳に「温水洗浄便座」に関する意識調査を実施して結果を発表した。
それによると、一般社団法人日本レストルーム工業会が推奨する「長期間(10年以上)使用する製品の点検と買い替えの検討」については、全回答者の7割以上が「知らない」と答えており、推奨事項を「知っている」と回答した人でも3人にひとりが10年以上同じ温水洗浄便座を使用し続けていたという。
温水洗浄便座の点検と買い替え検討の時期を7割以上が知らないと回答
今回の調査で「温水洗浄便座は10年を目安に点検と買い替えの検討が推奨されていること」を知らないと答えた人は、全回答者のうち7割を超えていた。知っていると回答していた人でも、3人にひとりが同じ温水洗浄便座を10年以上使用し続けていた。「便器を変えずに便座だけを交換できる」ことも全回答者の約2.5人にひとりが「知らない」と回答した。
じつは便器のメーカーと異なるメーカーの便座を取り付け可能だが、これについても約6割が知らないと答えており、便座交換に関する基本的な知識と認識が課題といえる。自宅の温水便座の使用年数でも回答者全体の10人にひとりがわからないと答えており、買い替え意識の低さも浮き彫りになったという。
毎日使用する温水洗浄便座であっても、多くの人が買い替えを意識せず使用し続けているようだが、買い替えで便座のみを交換できることや便器と異なるメーカーの便座が取り付け可能などの製品仕様も認識が広まっていないという。
温水洗浄便座の買い替えは「故障してから」が多数派
温水洗浄便座の買い替えを検討するきっかけやタイミングについては、もっとも多かった回答は「故障・不具合の発生」で1000人中668人が選択して圧倒的な1位だった。「水漏れや異音の発生」や「リモコン・操作パネルの不調」といった不具合やトラブルが実際に起こってから交換を考える人が全体の約8割という結果になった。
現在使用している温水洗浄便座の状態に関する質問では、全回答者のうち6人にひとりが何らかの不具合を感じていたという。特に「便座にひび割れがある」や「製品や便器を伝って水漏れしている」などの症状は、一般社団法人日本レストルーム工業会が公開している「安全啓発パンフレット」でも『異常な状態』と判断されるものなので、このようなサインを見逃して使い続けることは危険だという。
回答者全体の約7割が温水洗浄便座を交換しない理由として「使うのに支障がないから」と答えており、多くの人が故障や不具合が表面化してから買い替えを検討する傾向になるが、それでは手遅れになる可能性があるという。
NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)の報告では、2014年から2023年の10年間に発生した製品事故のうち、約8割が製造から10年以上経過した製品によるもので、長期間の使用は部品の劣化を招いて火災などの重大事故につながる恐れがあるという。
調査結果詳細|その他 家電・住宅設備に対する意識と使用状況
◆物価高騰下での電気製品(家電)・住宅設備に対する意識と使用状況
~電気代への関心は高まる一方、家電の買い替えで消費電力を見直すのは少数派~
今回の調査では、温水洗浄便座に関する意識だけでなく、生活インフラに関わる電気製品(家電)や住宅設備の使用状況や意識についても聞き取りを行ったが、物価高が続く中で家電・住宅設備の維持費に対する関心が高まっており、特に「電気代」を抑えたいと考える人が全体の約75%もいた。これは「食費」や「水道代」などほかの生活費項目と比較しても意識が突出していたという。電気代を抑えるための具体的な取り組みについては、「照明をこまめに消す」、「使用していない部屋の暖房・冷房は使わない」など日常の小さい努力を行っている人が多かった。一方で長年使用している消費電力の高い家電を買い替えると回答した人は、わずか6%しかいなかった。短期的な目線で電気代や消費電力を意識する節電意識の人は多いが、「家電を買い替える」など中長期的な視点で消費電力を見直す人は少ない傾向がみえた。
温水洗浄便座の点検・交換のサイクルは、10年という意識するには長い期間だが、このサイクルを意識して適正に点検・修理・交換を行っていく事が安全かつ効率的な使い方の近道といえそうだ。
「温水洗浄便座に関する意識調査」概要
対象者条件:30歳~75歳の男女、かつ持ち家に居住し温水洗浄便座が設定されている人
調査期間:2025年6月19日~2025年6月20日
調査地域:全国
サンプル数:1000
調査手法:インターネット調査
構成/KUMU