
在宅ワークの環境を地道にアップグレードしている。自宅の小さなスペースに、ピッタリおけるデスクを買って、有孔ボードを設置して、外付けディスプレイを壁掛けして。その甲斐あって、かなり快適環境になってきた。
しかし、これまで向き合うのを避けてきたアイテムがある。椅子だ。もちろん興味はあるし、それなりに効果があるとは思っているが、こだわり出すと結構値が張る。そして、その値段分の価値はあるのか?と懐疑的でもあった。
そんな私の元に、アメリカの高級オフィス家具メーカーSteelcaseから製品提供およびレビューの依頼が舞い込んできた。仕事は地道に、真面目にやっておくものだ。ありがたい。とはいえ、厳しく、正直にレビューしていこうと思う。

画像●Steelcase(https://www.steelcase.com/asia-ja/)
世界で愛されるオフィスチェアを自宅で
そもそもSteelcaseとはどんなメーカーなのか。筆者も正直存じ上げなかったが、100年以上の歴史を持つ、アメリカ生まれのオフィス家具メーカーらしい。2024年の売上高はなんと4800億円。世界に44拠点を構えるグローバル企業だ。
また、Steelcaseはコンシューマ向けにも製品を展開している。チェア、デスク、キャビネットとさまざまあるが、今回筆者はメッシュチェアの「Karman」を試すことにした。

画像●Steelcase(https://www.steelcase.com/asia-ja/karmanchair/)
Steelcaseのチェアは、「Think」「Gesture」「Leap」など複数のモデルがあり、コンシューマに一番人気なのは「Gesture」だという。ヘッドレストを搭載し、肘掛けの可動域が広いことから、ゲーミングチェアとして引き合いが強いらしい。
独自開発したメッシュ素材・インターミックス
ではなぜ、筆者は「Karman」を選んだのか。それは、デザインと通気性に惹かれたからだ。
「Karman」は、Steelcaseのチェアの中でも新しいモデル。ほかのチェアメーカーはもちろん、従来はSteelcaseでも難しかった、柔軟なフレームにメッシュ素材を“貼り付ける”構造を実現している。これはメッシュ素材「インターミックス」によるものだ。
知識がないと、なぜ“貼り付ける”のが難しいのか理解しづらいが、メーカー担当者によるデモを見てすぐに分かった。
「Karman」のフレームは、力をかけるとグニっとしなやかなカーブを描く。ここまで柔軟だと、フレームの動きによってメッシュ素材のズレ、剥がれ、ヨレが発生するのは避けられないはずだ。しかし、その課題をインターミックスによってクリアした。
いうまでもないと思うが、柔軟なフレームはリクライニングの滑らかさを生み、耐久性の向上にもつながっている。
20万円で一生モノのワークチェアを
一般販売価格は18万4980円前後で、カラーは4色展開。なお、ビジネス向けには14色をラインアップし、フレームカラーもカスタマイズ可能だ。
はっきり言って高級椅子だが、一度座った筆者としては、それだけの価値を明確に感じている。一生モノのいい椅子を…と考えている人には自信を持って強く推したい。
ちなみに、Steelcaseの製品には最大12年の保証がついてくる。メーカー担当者に言われて思わず聞き返してしまったのだが、これは確かなようだ。他社と比較してもかなりの長期保証で、製品への自信の表れと言える。
念のため書くが、これは耐用年数ではなく保証期間である。まさに一生モノなのだ。
腰回りを心地よくサポート。疲れの防止に
さて、メッシュ素材というとゴワゴワしているイメージがあるかもしれない。しかし「Karman」のインターミックスは柔らかく滑らか。背面だけでなく座面もインターミックスを採用しているが、あぐらをかいて座っても痛くない(よくあるメッシュの椅子は、足が擦れて痛いものだ)。
続いて肝心の座り心地だが、気持ちいいの一言。まず、腰へのフィット感が私がこれまで座ってきた椅子とは一線を画す。
筆者は学生時代に腰を怪我し、長期に渡りコルセットをしていたことがあるのだが、支えられている感覚はそれに近い。ギチっとホールドされているということではなく、優しく包み込み姿勢をサポートしてくれるイメージだ。
腰回りが支えられることで、姿勢が良くなる。つまり体への負担も自然と軽減される。ワーカホリックに、こんなうれしいことはない。