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ガチャとは何が違う?「ブラインドボックス」がマーケティングに効く理由

2025.10.16

中身が見えない箱で商品を販売する「ブラインドボックス」について、定義や特徴、ガチャとの違い、人気の理由、適した商品カテゴリーを解説。

中国を中心に、世界的に人気を博している「ブラインドボックス」をご存知だろうか?端的に言えば、中に何が入っているのかわからない雑貨などの販売方法のことを指す言葉で、新たな消費者体験として注目を集めている。

本記事では、ブラインドボックスの定義と特徴、従来のガチャガチャとの相違点、市場で支持される理由、適した商品カテゴリーについて詳しく解説する。グローバル市場で急拡大するこの販売手法の本質を理解しておけば、現代のマーケティング戦略を考えるうえで役に立つはずだ。

ブラインドボックスとは?

ブラインドボックスという言葉が、まだ聞き馴染みのない方も少なくないはず。そこで、まずはブラインドボックスとは何を指すのか、基本的な部分を見ていこう。

■中身が見えない箱による販売方法のこと

ブラインドボックスとは、中身が見えない箱に商品を入れて販売する方法のこと。箱を開けるまで何が入っているのかわからない仕組みになっており、ユーザーは開封するたびに驚きと楽しさを味わえる。

どの商品が入っているかはランダムになっており、ユーザーは希望のものを狙って購入することはできない。中には、シークレット商品など実際に購入しないとどのようなキャラクター・デザインの商品が入っているのかがわからないものも存在する。ガチャのように、ユーザーにドキドキワクワク感を与え、かつ収集心を刺激できる販売方法だ。

■ガチャとの違い

ガチャガチャと呼ばれるカプセルトイもブラインドボックスと同じく、中身がわからないまま販売される商品だ。ブラインドボックスとの最大の違いは「販売場所」。ガチャガチャは自動販売機などで販売される一方、ブラインドボックスは主に専門店やオンラインショップなどで流通されている。

また、ガチャガチャはカプセルに入るサイズの商品が基本のため、比較的小さい商品が多い。価格も安いため細部までこだわられた商品よりも、アイデアやバリエーションを楽しむ商品が中心だ。

一方、ブラインドボックスは商品が箱に入れられているため、パッケージの大きさによる制約を受けにくく、大きめのサイズのフィギュアやアクセサリーなども販売されている。価格も1000円前後と、ガチャガチャよりも高価なものが多く、細部までこだわられたデザインが多いのも特徴だ。

■ブラインドボックスのルーツは日本

ブラインドボックスのルーツは、日本の福袋に由来すると言われている。中身がわからないまま購入することで、良い商品が得られた時にお得に感じるユーザー心理を利用したマーケティングが、キャラクタービジネスと好相性のようだ。

■中国を中心に世界で爆発的な人気を集めている

ブラインドボックスは、中国では「盲盒(マンホー)」と呼ばれており、2019年頃から注目を集めるようになった。特に、中国企業であるPOPMART(ポップマート)が販売しているラブブのフィギュアやぬいぐるみが若い世代を中心に爆発的な人気を集めている。中国のオークションで初代ラブブのぬいぐるみが、約2200万円で落札されるなど、熱狂的なコレクターも少なくない。

中国での爆発的な人気は世界中に伝播しており、アメリカやベトナムでもブラインドボックストイが流行している。日本にもPOPMARTの専門店ができるほどの人気ぶりだ。販売方法の一つでありながら、ブラインドボックス販売から人気が出たキャラクターも生まれている。

■建築業界では、カーテンやブラインドを収納する箱

ちなみに、建築業界ではブラインドボックスはまったく違う意味になる。窓周りの見た目をスッキリ見せるために使用される、カーテンやブラインドを収納する箱のことをブラインドボックスと呼び、カーテンやブラインド上部を覆うことによって熱の侵入・放出、光漏れを防ぐことを目的に用いられる。

ブラインドボックスが人気の理由

世界中に熱狂的なコレクターを生むほどの人気を博す、ブラインドボックス。ここからは、ブラインドボックス販売は人気の理由を紐解いていこう。

■ユーザーの収集欲求を刺激できる

ブラインドボックスはシリーズ販売になっていることが多い。箱の側面にそのシリーズのラインナップを印刷することによって、ユーザーの収集心を刺激できる。また、季節ごとにデザインが異なるものを販売することで、「好きなキャラクターの限定デザインが欲しい!」と収集心をくすぐる仕組みも用いられる。

一つずつ集めていく達成感、一つのシリーズや好きなキャラクターをずらっと並べた時の満足感を得るために、ブラインドボックスを繰り返し購入する人が多いようだ。

■何が出るかわからないドキドキ感を醸成できる

ブラインドボックスは、買う前に中身がわからないことで他の販売方法にはないドキドキ感を醸成できる。箱を開ける瞬間の緊張感と目当ての商品が出たときの喜びが、一種のサプライズ体験になっているようだ。

この格別なドキドキ感が癖になり、何度もブラインドボックスを購入する人も少なくない。「次こそは目当てのものが出るかもしれない」というギャンブラー心理を刺激する販売方法とも言えるかもしれない。

■ファン同士のトレーディングによるコミュニケーションを促進できる

ブラインドボックスで販売されている商品は、お目当てのものをファン同士で交換するトレーディンググッズとしての要素も兼ね備えている。対面での交換はもちろん、SNSやファンコミュニティなどを通じて交換することも一般的になっているようだ。こういったやりとりによって、企業側はファン同士のコミュニケーションを促進でき、ファンによる発信を活発にできる利点がある。

ブラインドボックスで販売されることが多い商品

現在、さまざまな商品でブラインドボックス販売が用いられている。ここでは、特にブラインドボックスで販売されることが多い商品を見ていこう。

■フィギュア、ドール

先述した中国企業POPMARTのラブブを筆頭に、フィギュア・ドールはブラインドボックスで販売されることが多い。ラブブのように「アートトイ」と呼ばれるアート性の高いものから、人形のように遊べるマスコット、シリーズ商品を組み合わせて飾れるものなど、バリエーションも豊富だ。

■シール、カード

ランダムグッズ入りの食玩として歴史のある「ビックリマンチョコ」を筆頭に、シールやカードもブラインドボックスで販売されることが多い。特にシールやカードは、デザインの種類にバリエーションを持たせやすく、キラキラ加工が入ったものやサイン入りのもの、シークレットデザインなどを取り入れることで、ユーザーの収集心を刺激している。

■アクセサリー

ガチャガチャでは販売しにくいアクセサリーも、ブラインドボックスで販売されているものが多い。特に1979年から販売されているセボンスターは、女児だけでなく、その文化を懐かしむ大人の女性の間でも人気だ。女児向けアニメの商品の展開も活発化している。

ブラインド商品を販促に利用している企業・業界

ブラインドボックス手法は、単なる販売手法を超えて、ブランド戦略やファンエンゲージメント向上の重要なツールとして位置づけられている。最後に、ブラインドボックス商品を販促に利用している企業や業界をチェックしていこう。

■ディズニー

ディズニーでは、フィギュアやミニチュアマスコットなどをブラインドボックス商品として販売。ミッキーやミニーなどの定番キャラクターから、映画に登場する人気キャラクターなどの商品をお正月やクリスマス、ハロウィンなどの季節ごとのデザインで販売することで、希少価値を高めている。パーク内限定商品も国ごとにバリエーションを持たせており、コレクター心を刺激する販売を行っている。

■サンリオ

サンリオでは、ディズニーと同じくフィギュアやミニチュアマスコットをブラインドボックス商品として販売している。キティやシナモン、ポムポムプリンなどの人気キャラクターを季節ごとのデザインで販売するだけでなく、有名デザイナーとコラボした商品も販売。「そのデザイナーだからこそ表現できる表情や衣装」などに惹かれるコレクターが多いようだ。

■アニメ業界

アニメ業界でもブラインドボックスでの商品販売が用いられることが多い。ラバーキーチェーンやシール、カードなど、ディズニーやサンリオよりも比較的安価な商品がブラインドボックスで販売されている。一方、店舗限定やイベント限定で販売される商品やデザインも展開されており、特定の期間しか買えない仕組みが希少価値を高めているようだ。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/編集部

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