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「Yahoo!天気」が〝次世代SNS〟とバズった理由は?若者たちの心に響いた意外な魅力

2025.08.30

LINEヤフー提供の天気予報アプリ「Yahoo!天気」が、2025年7月11日頃に「SNS疲れの若者の心をつかんだ“ゆるいSNS”としてXでバズった。

気になったので筆者も早速ダウンロードしてみた。アプリをひらくと「今日も蒸し暑い…」「ポツポツ降ってる」などの天気に関するコメントの他に、「働きたくないー」「今から病院」「眠い」など天気とは関係のない投稿も少なくない。

さまざまなSNSが世に溢れる中、“天気アプリ”の投稿機能が注目を集めた理由…、どうやらそれは、「緩い」ということにあるようだ。

「Yahoo!天気」アプリの投稿機能とは

話題の「Yahoo!天気」アプリは2010年からスタートし、開発当初は投稿機能をつける予定はなかったという。

現在のようなバージョンの投稿機能の提供を始めたのは2021年ごろからだ。天気予報や、地図上で雨雲の動きがわかる「雨雲レーダー」など各種レーダーに加え、地図上で天気に関する投稿ができる「みんなの天気」を2022年から本格スタートした。

それがさらに2025年2月にリニューアルされ、アプリ内の「雨雲レーダー」などを確認できる画面上に、投稿機能を統合。レーダーと同じ地図上で、モードを切り替えるだけでその地点のユーザー投稿が閲覧できる「みんなの投稿」としてリニューアルした。

ユーザーは晴れ、曇り、雨のマークと共にコメントを60字以内で投稿でき、ご近所さんのリアルタイムのつぶやきが閲覧できる。(画面をスクロールすれば遠方の人々のつぶやきも見られる)

「みんなの投稿」が人気の理由は“SNS疲れ”?

「Yahoo!天気」アプリにある「みんなの投稿」は、“完全匿名”であることと“位置情報がわかる”のが特徴的だ。ただし写真の投稿機能などもなく一定の時間が経つと投稿は消え、“身バレ”の心配もほぼないと言える。

さらに、投稿に対する返信コメントや「いいね」などの機能がなくリポストなどの拡散機能もない。他人の評価を気にすることなく自由に呟けることが、人気のポイントのようだ。

最近のSNSはもはや気軽に呟ける場所ではなく、写真の見栄えや文章に問題がないかなど、最新の注意を払わなければならない。「人に良く見られたい」「気にされたい」などの承認欲求が渦巻く場所でもある。

そんな現代のSNSに疲れた若者を中心に、オアシスのような存在として注目されたのだろう。

『SNS』としての評価が高い“天気アプリ

Xでは「緩くていい」「忘れかけたSNSの良さを思い出す」「新時代のSNS」「疲れなくていい」など、SNSとしての評価の方が目立つ。

しかし「Yahoo!天気」はあくまで天気アプリである。このような反響に関して開発者はどのように感じているのだろうか、また、このような反響は想定していたのだろうか?

「Yahoo!天気」アプリの企画担当である、LINEヤフー株式会社 メディアカンパニー メディア統括本部 ライフライン本部 企画1部部長、平井康文氏はこう語る。

「このような反響は想定していなかったので、正直驚いています。天気のアプリとして、どのように便利に使っていただくかを考えて作っていましたが、今回の“バズり”は『面白い』『楽しい』というのが理由です。そこをどのように掘り下げていくか、検討していきたいです」

LINEヤフー株式会社 メディアカンパニー メディア統括本部 ライフライン本部 企画1部部長 平井康文氏

そもそも投稿機能を追加した理由はどのようなものだろうか?

「天気の解像度を高める目的でコメントの投稿機能を追加しました。

雨雲レーダーだけではわからないような天気の枝葉の部分が、ユーザーのコメントによってさらに正確かつタイムリーにわかるようになったらいいと思ったのが本機能を加えた理由です」

Xで反響があってから、2、3日の間は利用者数もぐんと増えたという。

虚偽の投稿にはどう対処する?

ちなみに、先月の2025年7月末に、ロシアで起こった地震による津波警報が日本各地で発動した。

その時、筆者はたまたま仕事で沖縄にいたのだが、離島への船の出航情報や海岸沿いのショップの臨時休業の情報などを現地の人が呟いてくれたのが、非常に役に立った。

もちろん、“皆が嘘をついていない”ということを前提にしてこの情報は成り立っている。そのため悪用しようと嘘を投稿するユーザーが出現したりすると、「みんなの投稿」の治安が悪化してしまう。

パニックなどを呼びかねない嘘の投稿には、どのように対処しているのだろうか?

このことに関してLINEヤフーは「現状、違反や迷惑投稿がないかはAIと人の目を組み合わせてモニタリングしている。明らかに嘘とわかるような投稿は発見し次第削除」という形で対処しているとのこと。

また、システム面でも追加できる対応がないか日々検討しているという。

天気アプリユーザーを主軸に発展

今回SNSとして話題になった「Yahoo!天気」の「みんなの投稿」だが、どのような使い方が理想的だろうか?平井氏は次のように話した。

「コメントの投稿によって、雨雲レーダーには映らない雨などの検知が可能です。それによってユーザーが『洗濯物をしまおう』『傘を持とう』などの意思決定につながればいいと思っています」

「みんなの投稿」にはいくつかのテーマがあり、「今の天気」以外にも「暑さ」「洗濯」「アイス」などがある。例えば「洗濯」を見てみると、「外干ししてますが湿度が高く乾きが悪い」「外干しか部屋干しか悩む」などのコメントが見られる。

近隣のエリアの人たちのコメントを見て、洗濯物の干し方を参考にすることもできる。

SNSとして活用していただくのも喜ばしいことであるが、「みんなの投稿」はあくまで『天気アプリ』。天気ユーザーを主軸にもっと便利に発展していきたいと広報担当者は話している。

「Yahoo!天気」アプリはまだ完成系には至っておらず、今後も新機能などを追加していく予定だという。期待をもって今後の発展を見守りたい。

文/まなたろう

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