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防災の日に向けて考えたい!折り紙のように組み立てられる紙食器の活用法

2025.08.31

9月1日は「防災の日」。地震や台風など災害が増えているいま、非常時の備えを改めて見直す人も多いだろう。
そんなときに注目したいのが、折り紙のように折りたためる紙製の食器「beak」だ。収納スペースをとらず、必要なときに組み立てられるユニークなアイテムで、アウトドアだけでなく防災備蓄としても活用できる。

折り紙食器「beak」が誕生したきっかけとは

プラスチックのような剛性の折り紙食器「beak」。

紙コップや紙皿など、紙製の食器を非常時のために常備している人もいるだろう。筆者も、BBQの参加者が急に増えた時や非常時用に使い捨てタイプのプラスチック製どんぶりと紙コップ、紙皿をある程度ストックしている。ただ、かさばることが悩みの種でもある。とはいえ、常備していないと不安でもある。そんな悩みを解消してくれる紙製の食器を発見した。それが、奥村印刷が手掛ける折り紙食器「beak(ビーク)」だ。シート状態で保管でき、折りたたむことで1皿になるという紙製の食器。しかも、プラスチックと同等の剛性があるという。なぜ、このような食器を開発したのか聞いてみると、

「2021年3月の地震後、防災グッズを買わないといけないと思い購入してみたところ、紙コップや紙皿が、案外つぶれやすくかさばることに気が付きました。保管性の良いシートタイプの組み立て紙食器を探してみたのですが、見つからず、ないのならば『創ろう』と考えました。」
(奥村印刷株式会社 取締役常務執行役員 折り紙食器beak発明者 山田秀生さん)

コロナ禍での緊急事態宣言の発令で、G.W.の外出ができなかったときに、自宅で折り紙を作っていたことから、折り紙食器を思いついたのだそうだ。製品名の「beak」は、英語で鳥のくちばしの意味。組み立てる際、両端を織り込む部分の形がくちばしに似ていることから命名されている。

「いつでもバッグやランドセルに入れて携帯できるコンパクト性を追求した結果、このサイズに行きつきました。開発当初は、カップと皿のセットを想定していましたが、『これではラーメンが食べられない』というご意見をいただきました。調べてみると、即席麺には、400mLのお湯が必要で、A4サイズの紙で、丼を作るのは不可能だとさえ感じました。」(山田さん)

しかし試行錯誤の末、握力の弱い人でも組み立てやすく、強度を確保できる構造を実現。折り込み部分を外側に裏返し、そこにできた隙間にパーツを差し込むという新たな発想で、A4サイズから丼を作れるようになった。

3種類の食器を組み立ててみた

beak カップ・皿・丼の3種 各1枚封筒入り 880円(消費税込み)

「beak」は、カップ、皿、丼の3種類で、スプーンとフォークもある。3枚が封筒に入っており、使用直前まで衛生面も保たれている。

A4サイズで5セット(15枚分)重ねてもわずか1㎝あまり。

封筒の厚さは1.3㎝程度で、ドキュメントケースや本棚にも収納可能だ。

組み立てる順番と細かい指示が書かれている。

シートには、型を切り離す指示や山折り・谷折りの指示、さらに重ね合わせ部分には星やハートのマークが付けられており、パッケージに詳しい組み立て方法も書かれている。迷ったらQRコードから動画で確認できる仕組みも便利だ。

実際にカップ、皿、丼を組み立ててみた。強度があるため、あらかじめしっかり折り目をつけておいた方が細かい折り込みがスムーズだった。素材にはプラスチック代替として開発された「エリプラ+」を採用。耐水性・耐油性・耐熱性を備え、環境にも配慮されている。

強度を試すため実際に調理を盛りつけ

具が多めのスープ、カレー、ミートソースパスタを「beak」に盛りつけ。

カップ、皿、丼を使って、実際に食べてみた。今回は、耐久性も試したかったため、熱い汁物やちょっと重量のある食材を選ぶことにした。

取っ手は両方を持ち、カップの縁を抑えながら持ち上げる。

カップには熱々のスープを注いでも外側まで熱は伝わらず、持ちやすさはプラスチック以上だった。取っ手は片方だけで持ち上げると外れかけることがあり、両側を支えるようにすると安定する。

重さがあるカレーを盛りつけても、強度に心配なし。

皿に盛ったカレーも反り返らず、十分な強度を確認できた。スプーンも使いやすいとは言えないが、非常時に「あると助かる」レベルだと感じた。

丼もたっぷり盛りつけられた。フォークは、麺類を食べるにはむずかしそう。

丼に盛ったミートソースパスタは、フォークの先が短く麺が絡みにくかったが、サラダなどであれば問題なく使えるだろう。

洗って繰り返し使用できる?

洗っても強度はあったが、食材の色が残るものも。

熱いスープや脂っこい食材も問題なく食べられたため、繰り返し使えるのではと思い洗ってみた。乾かすと強度は戻ったものの、カレーやミートソースでは色素が残り、折り込んだ隙間を完全に洗うのは難しかった。

メーカーとしては繰り返し使用は推奨していないが、非常時で予備が足りないときには、ラップを敷くなど工夫すれば数回の利用は可能だろう。

なお、素材はアルコールに弱いため、ビール程度の低い度数なら使えるが、ジンやウォッカのように度数の高い酒には使えない。

防災備蓄にもおすすめできる理由

切り取られる枠を残したことで強度が増し、高く積み重ねて保管することも可能。

1000人分の食器が幅21㎝、奥行29.7㎝、高さ45㎝の箱に収まるというコンパクトさも「beak」の魅力だ。紙製なので使用後は燃えるゴミとして廃棄できる。
これならスペースの限られた家庭でも、家族の人数分×3日分を備蓄することができるだろう。
防災の日をきっかけに、食器などの「見落としがちな備え」を見直してみてはいかがだろうか。

出典元:奥村印刷株式会社 beak(https://www.okum.net/beak/

取材・文/林ゆり

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