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こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。
今回は不倫裁判です。
修羅場です。妻が夫の浮気相手に直撃しました。
妻
「あなた、私の旦那と不倫してますよね」
「やめてもらえませんか」
Y子
「不倫してませんけど……」
しかし!妻は探偵に依頼して、証拠を握っていました。妻は、その証拠などをもとにY子を訴えました。
裁判所が命じた慰謝料額は!?
(東京地裁 R4.11.29)
以下、わかりやすく解説します。
※ 実際の判決を基に構成
※ 判決の本質を損なわないようフランクな会話に変換
※ 争いを一部抜粋して簡略化
当事者
・妻
55歳
子どもナシ
・夫
60歳
・夫の不倫相手(以下「Y子」)
53歳
夫と死別
3人の子どもを育てている(年齢不明)
夫婦の馴れ初め
妻と夫は会社の同僚でした。平成11年6月に結婚しました(ちなみに、その17年後、夫は浮気します)。この夫婦は共稼ぎで、マンションのローンや生活費はお互いが協力して負担していました。
カフェ経営がうまくいかず……
夫は、実家の一角でカフェも経営していたのですが、平成21年ごろから経営状況が悪化して、借金がかさむようになりました。そこで、妻は夫に150万円くらいの資金援助をしました。
しかし、カフェの経営は軌道に乗らず、約1年後には廃業しました。このころ夫婦ゲンカをした際、妻が夫に「私が援助したお金を返してください」と言いました。
ラブストーリーは突然に
時を経て、それから6年後のこと。夫は、かつて会社の同僚であったY子と久しぶりに会いました。話しているうちに2人に火がついたのでしょう。小田和正の名曲「ラブストーリーは突然に」が流れたことは想像に難くありません。はい、不倫に発展します。
夫のスマホに浮気写真が!

それから3年後のこと。妻が夫のデジカメを見ると、何とそこにはラブホテルの写真が!
妻
「あなた、浮気しているでしょ」
夫
「写っている女性は、私の交際相手だ。キミとは離婚したい」
おぉ。開き直りましたね。浮気の証拠はゲットできたのですが、この女性が誰なのかはわかりません……。
妻が探偵に依頼
そこで妻は、写真の女性が誰なのか?を突き止めるべく、探偵に依頼しました。そして、探偵が調査した結果、夫の浮気相手の女性がY子であることが確認されました。これで訴えることが可能となりました。
再び写真発見!
翌月。妻は、USBメモリに記録されたデータを見たところ、なんと!夫とY子の不貞行為の写真が数多く収録されていたのです。夫のガードはどうなってるのでしょうか、甘すぎます。妻はこの頃、精神的ショックから心療内科を受診しています。
妻がY子を待ち伏せ
約5ヶ月後。妻は決意します。Y子に突撃して問い詰めることに決めました。そして、通勤途中のY子を待ち伏せ。目を凝らして道ゆく人を見ていたところ、Y子が登場!いざ突撃!
妻
「私の夫と不倫してますよね。やめてもらえませんか」
Y子
「あなたの旦那さんと不倫してませんけど……」
その日、Y子は夫に「あなたの奥さんが待ち伏せしてて『浮気してるでしょ、やめてほしい』と言われたわ」と告げました。これを聞いた夫は怒ったのでしょう。その日、家を出ました。
その後、妻がY子を訴えて慰謝料を請求しました。