
脱毛に関する誤解と恐怖は化学療法の回避につながる
抗がん薬による治療(化学療法)で皮膚や髪、爪に生じ得る副作用について多くの人が誤解しており、そのような副作用に対する恐怖が治療の回避や遅延につながり得ることが、新たな研究で示された。米ジョージ・ワシントン大学皮膚科分野のAdam Friedman氏らによるこの研究結果は、「Journal of Drugs in Dermatology(JDD)」8月号に掲載された。
この研究では、ワシントンD.C.の中で最も医療サービスが不足している南東部において開催された2つの健康フェアへの参加者を対象に調査が行われ、回答が得られた77人のデータが分析された。これらの参加者の大半(88.3%)は女性で、年齢は45~54歳、黒人が71.5%を占めていた。
その結果、化学療法を受けると半分以上のケースで脱毛が起きると考えている人は、対象者全体では52%、がん治療歴のある人では31%に上ることが明らかになった。同様に、皮膚の乾燥/発疹については全体の47%とがん治療歴のある人の50%、爪の変化については41%と31%が、半分以上のケースで生じると考えていた。また、参加者が「治療をおそらく/絶対に受けない」理由とした副作用は、永続的な脱毛(全体:33%、がんの治療歴あり:13%)、一時的な眉毛/まつ毛の脱毛(27%、13%)、および永続的な爪の変色(24%、13%)であった。さらに、がんの治療歴を有していた参加者の半数は、治療中に皮膚科医の診察を受けていなかった。
Friedman氏は、「これらの研究結果は、恐怖と誤解がいかに大きな影響力を持つかを示している。患者が十分な情報に基づいた選択を行えるよう、より良い教育と支援が必要だ」と述べている。
研究グループによると、これまでの研究に基づくと、化学療法中に脱毛を経験するがん患者は、分子標的療法で14.7%、標準的な化学療法で52.1%であるという。しかし本研究から、脱毛に対する恐怖から、がんに罹患したことのない多くの人が治療に消極的であることが示された。
Friedman氏らは、「がんの治療歴を有する人も含めて最大3分の1の人が、さまざまな皮膚の副作用を理由に、仮に化学療法が必要になったとしてもそれを拒否すると回答していたことを考えると、この知識ギャップに対処することは極めて重要だ」と結論付けている。(HealthDay News 2025年8月6日)
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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jddonline.com/articles/perceptions-knowledge-of-dermatologic-side-effects-of-anti-cancer-therapies-pilot-survey-S1545961625P9110X
Press Release
https://mediarelations.gwu.edu/fear-hair-loss-may-keep-cancer-patients-starting-treatment-study-finds
構成/DIME編集部
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