
生成AIの対話型サービスは、日本でも急速に浸透しており、その活用範囲は日常の情報収集や業務効率化だけでなく、心理的サポートまで拡大している。この変化のスピードは、従来の技術浸透の常識を覆すもので、対人支援の現場でも支援を受ける人が「AIを活用することが前提」の体制づくりとリスク・依存の適切な管理体制の構築が急務になっているという。
Awarefy(アウェアファイ)は、18歳以上で対話型生成AIを利用した経験がある日本国内在住者を対象に、「対話型生成AIの使用に関するアンケート調査」を実施して結果を発表した。調査では、わずか2か月半の間に生成AIの利用が急拡大している現状とメンタルヘルス領域における活用とリスクの両面が明らかになったという。
生活に不可欠な身近な相談相手として定着
対話型生成AIの利用頻度は急速に高まっており、週1回以上利用する生活者は2か月半の間に48.9%から81.1%へと急増し、AIが「たまに使うツール」から生活に不可欠な「日常のインフラ」へと移行しつつある現状がみえる。さらに気軽に相談できる相手として、もっとも回答が多かったのは「対話型AI」で、2位の「親友」と比較しても30ポイント以上の差があった。
利用者は、対話型生成AIが「気軽に相談できる相手」として親友や家族を上回り、回答者の半数以上がAIに「メンタルヘルスを支えてもらっている」と感じているという。これは対話型生成AIが生活者の精神的な拠り所となりつつある可能性を示しているという。
ちなみに「心の支えになって欲しい」と回答した人に対話型生成AIに求めている支えについて質問すると、「不安な気持ちを落ち着けてほしい」(18.7%)、 「悲しみを聞いてほしい・助けてほしい」(14.3%)、「心理カウンセラーのようになってほしい」(12.1%)が多い回答だった。
AIの現状の使い方は依存と不安が入り混じる
対話型生成AIが生活に深く浸透して「日常のインフラ」となる中で、AIの反応の変化や利用できなくなったりすることに対して、回答者の4割以上が中程度以上の不安を感じていたという。対話型生成AIが、もし今まで通りの反応ではなくなったとしたら、中程度以上不安を感じると回答した人は43.9%、対話型生成AIがもし明日から使えなくなったとしたら中程度以上不安を感じる人は43.7%と両方とも4割以上という結果になった。
AIが心の健康にも影響を与え始めている
AIの使用経験がある人の約3割が心の変化を感じて、その多くが「心が楽になった」や「ストレスが減った」といったポジティブな変化を感じていたという。これはAIが「相談相手」として心の負担を軽減したり、情報収集を効率化することで精神的なゆとりを生んでいるということだろう。
一方で「自分で考える力が衰えるのではないか」といった依存への不安や「AIとの会話が増え、人間との会話が減った」という孤独感への懸念も回答にあったという。対話型生成AIは、心の支えとなりうる一方で、利用方法や付き合い方を慎重に考える必要があるツールともいえるだろう。
現在の情勢を見ていると、対話型生成AIが生活インフラとして浸透していく流れは止めることはできないだろう。それを前提としてリスクマネジメントと健全な利用促進を同時に行う必要があるといえる。
「対話型生成AIと人との関係性についての最新調査 (2025年8月)」概要
対象者条件:18歳以上、日本国内在住者、生成AIの利用経験がある者
・性別:女性 51.9%、男性 47.1%、回答しない 1.0%
・年齢:平均年齢は41.09歳(範囲:18-78歳)
対象エリア:全国
サンプル数:957
・分析対象者数:Satisficer項目に違反した回答150件(16.6%)を除外した807件
調査手法:インターネット調査
調査期間:2025年8月13日
実施主体:Awarefy「アウェアファイこころの総合研究所」
構成/KUMU