
地震に台風、豪雨、洪水に土砂崩れ、豪雪…。自然が猛威を振るう災害はいくつもある。
しかしすべての災害に備えることは不可能だ。もし、そんな災害に遭ったとしても自宅や近辺に危険の恐れがなければ、下手に自宅から動かないほうがいい。
フェーズフリー(Phase Free)という言葉をご存じだろうか。
日常時(平常時)と 非常時(災害時)のフェーズ(社会の状態)からフリーにして、生活の質(QOL/クオリティ・オブ・ライフ)を向上させようとする防災に関する概念を指す。
いつも使って慣れているモノなら緊急時も戸惑わない。
災害時に、“自宅避難”できるのであれば、普段の環境で暮らせるので、避難所生活でのストレスや不便さを感じることが少なくてすむ。ただ、ガスや水道、電気、通信は必ず止まるものと考えて備えよう。
水、電気、トイレ、在宅避難に備えた「安全な部屋づくり」のポイント
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在宅避難時の基本的な心得とは
食料や水は最低3日分を『日常備蓄』することを心がけておくといい。1日1人3L×人数分が目安。
食料は長期保存ができる優れた非常食セットも販売されているが、保管場所が必要で保存が効くだけに定期的にチェックしておかないと忘れて期限を過ることもある。
普段から食べ慣れているものを活用し、レトルトやインスタント、フリーズドライなどを多めにストックし、賞味期限や消費期限が近くなったら食べる。そして食べた分だけ買い足すというローリングストックを実施するようにしたい。
「ローリングストック」とは、少し多めの買い置きで備える→普段の食事で食べる→食べたら買い足す、という考え。
それにチョコレートやクッキーなど、口に入れるとホッとする“心の栄養”になるものも入れておけば、なお良いだろう。
日常的に備えておくべきものリスト
●エネルギーの確保
・レトルトかゆや雑炊 ・缶入りパン ・ビスケット、クラッカー ・シリアル ・栄養補助食品
●水分、 飲み物の確保
•飲料水 •野菜ジュース •茶飲料 •コーヒー飲料 •ロングライフ牛乳
●心をほっとさせる栄養の確保
・一口ようかん ・フルーツ缶 ・プリン缶
●主食になるもの
エネルギー、炭水化物の確保
・アルファ米、無洗米 ・レトルトご飯 ・カップ麺
●おかずになるもの
たんぱく質の確保
• 魚の缶詰 •ソーセージ •豆の缶詰
食物繊維、ビタミン、ミネラル類の確保
•野菜スープ •レトルトの野菜入りおかず ・レトルトシチュー