
デオドラント市場に新風を巻き起こす、ワキガ対策商品『Swap』が誕生。流通に向けて準備が進んでいる。開発したのは、アメリカ・サンフランシスコを拠点とするバイオテックベンチャーのタクサ・テクノロジーズ。一度の塗布で効果が1週間得られるその技術は、どんなものなのか?
Swap(スワップ)は従来とは全く新しいアプローチ
「体臭や汗の対策商品は、アメリカで生まれ、1940年代後半から流通するようになったと言われます。今や世界で4兆円弱の市場規模ですが、成分やニオイを抑えるメカニズムはそれほど進化がありませんでした。今回、ワキガ原因菌を独自開発の無臭菌に入れ替える世界初のメカニズムの開発で、本商品が実現しました」(同社代表・福永祐一さん)
これまでのワキガ対策商材が、アルコールなどにより原因菌を除去したり、アルミニウムで汗を止めたり、あるいは、ほかの香りでニオイにふたをしてワキガを抑えていたのに対して、菌の入れ替えによって、長時間の効果持続をも実現した、全く新しいアプローチといえよう。2026年の初旬にはアメリカでの販売開始を予定し、日本での流通準備も進行中だ。デオドラント市場の新基準になり得るか、注目したい。
【DIMEの読み】
蚊に刺されやすい体質にも効果的に働くなど、将来的には別の症状にも応用できる可能性を秘めるというSwapの技術。まずはどれだけワキガの悩みに応えられるのか、早期流通が待たれる。
先端にジェルを出して塗る!使い切りなので衛生的
アメリカでは、まずサブスクリプションサービスで展開予定。スティック型のアプリケーター1点と、使い切り1回分のポッド4個がセットになった、約1か月分が届く。クリーム状のテクスチャーで無臭。日本では製品化や流通に向けて準備中。販売価格は未定。

2026年のリリースに向けて量産体制を構築中
タクサ・テクノロジーズの研究チームには、理系分野の世界最高峰とされるマサチューセッツ工科大学で博士課程を取得した、マイクロバイオーム研究の第一人者も。皮膚の常在菌の中で悪玉とされる菌を善玉に変える研究が、新基軸のデオドラント誕生につながった。

取材・文/坂本祥子 編集/田尻健二郎