
ピアッジオグループジャパンは、特別仕様車Vespa「GTV 300 OFFICINA 8」と「Sprint 150 OFFICINA 8」を導入し、2025年9月6日(土)に発売する。このOFFICINA 8(オフィチナ オット)は、かつて実在した伝説ともいえるピアッジオ社内の実験部門で、試作車や特別なモデルを製作するチーム「OFFICINA 8」が世に送り出した数々のマシンの雰囲気にインスピレーションを受け、ベスパ スプリントとベスパ GTVにOFFICINA 8の息吹を感じさせるカラー、素材や仕上げを施し、特別仕様車として誕生した。また同シリーズ専用のアクセサリーやアパレルコレクションも導入していく。
それは伝説の始まり
戦後の再建後、ポンテデーラのピアッジオ工場内に設置されたOfficina 8は、ベスパの名誉ある実験部門の本拠地として、社内で最も最先端のエリアとなり、大胆なプロジェクトが形づくられる場所となった。1940年代の終わり頃からは、ここには設計技師、機械工、金属加工の熟練工、テストライダーが一緒に働いており、その多くは航空業界出身者で、高度なスキルを持つ専門家で構成されていた。
この頃は再生の時代であり、暗い戦争の時代を乗り越え立ち直ろうとするヨーロッパ全体が、驚異的な再生と創造性の渦の中に巻き込まれていた。再発見された自由への感覚と、構築されていく未来への信頼が、多くの先見性のあるプロジェクトのインスピレーションとなっていた。
Officina 8は、当時、最も革新的なものも含め、新しいアイデアを実現させた場所だった。このワークショップでは、量産車やベスパのレース用車両の設計と試作が最初に行われた。金属の切削、特別モデルのシャーシ、実験エンジン用の鋳造などをすべて社内で行い、ベスパの時代を超越したエレガントなスタイルもここで誕生した。
1950年に17の世界速度記録を樹立し、1951年には名誉ある“フライング キロメーター”記録を樹立した伝説のベスパ、「98 CORSA」、そして当時最も過酷なオフロード レースのひとつである「シックス デイズ」で優勝したモデル“125 Six Days (6 GIORNI)”は、Officina 8で製作されたカスタムビルドの傑作のほんの一部。
それぞれの部品やコンポーネントは、イタリアが誇る最高レベルの熟練の技を駆使し、手作業による匠の技が際立った製造技術によって製作されている。実際にOfficina 8の才能と専門知識は非常に優れており、この工房で製作されたすべての車両は、当時の最高の技術とベスパの代名詞となったエレガントなスタイルが融合した、完全にユニークなものとなった。
魅力的な装備で特別感を演出するベスパの新モデル
特別仕様車のOfficina 8のラインナップは、バイタリティと若々しさの伝統を継承するモデルのVespa Sprint 150と、フロントフェンダー上に低くマウントされたヘッドライトやむき出しのパイプハンドルが特徴的なVespa GTV 300のユニークでスポーティな2タイプから選択が可能となっている。
Sprint 150とGTV 300によるOfficina 8の2台は、マット仕上げのメタリックが特徴的なインダストリアルブルーによる専用カラー“Officina 8 ブルー”を採用。このカラーは当時にタイムスリップしたら見られたであろう、万力や旋盤などの工作機械や、当時の作業服などの作業現場を思い起こさせる。
そのOfficina 8のカラースキームは、レッグシールドのモールとヘッドライトおよびリアライトのトリムにはアルミニウムの質感を表現し、ステアリングコラムカバー通称“ネクタイ”にあるホーンのスリットと、ホイールのスポーク部分には真鍮をイメージしたペイント。そしてホイールのリム部分にはダイヤモンドカット仕上げが施されるなど、エレガントなサテン仕上げのボディーと、メタルを表現したアクセントが独創的なコントラストを生み出す。
さらにシートには、ダブルステッチが施され、2種類の材質を採用する表皮は磨かれた真鍮リベットの装飾など、そのきめ細やかな仕上げには伝統へのさらなる敬意を表している。そしてGTVにはボディーと同色のシングルシートフェアリングを標準装備し、ベスパのレーシングモデルの外観を再現した独特なスタイリングを実現。さらにこれらの特別仕様車は、マットブラックで引き締まった数々のディティール同様に、マットブラック仕上げのバーエンドミラーによってスポーティな外観を強調している。
なお、すべてのOfficina 8には、専用ボディカラーを基調としたエレガントな金属製ボックスにオーナーズブックが入ったウェルカムキットが付属。この貴重なブックには、オリジナルのアーカイブ文書や、先見の明のある頭脳と優秀な技術者がブランドの未来を形づくり、技術革新とデザインを特徴とするユニークな歴史を創り上げた、伝説的な部門であるOfficina 8の歴史を紹介している。
アクセサリーやテクニカルウェア、Vespa Officina 8アパレルコレクション
Vespa Officina 8シリーズのアクセサリーとテクニカルアパレルは、このモデルにふさわしく、美しいスタイルに完璧にマッチ。実用的なトップボックスは車体と同色で、Officina 8のロゴ入り。シートと同じ色と材質のバックレストも付いている。
ストレッチニット素材を使用したグローブは、ナックル部分に保護パッドを備え、人差し指の先端はタッチパネルに対応した素材を使用するなど、デザイン性と実用性を両立させている。
Vespa Officina 8アパレルコレクションは、インダストリアル風のグラフィックでワークウェアの美学を想起させる。Vespaの旧ロゴ の“V”のシンボルを大胆にプリントしたデザインは、ネジ止めする分解図をあしらい、Officina 8のスピリットを表現している。
あらゆる季節に適したウィンドブレーカーは、撥水コーティングした素材をアウターに使用しメッシュ素材の裏地が通気性を保ち、快適に着用できる。
さらにフード付きスウェットシャツは、柔らかいコットンを使用し、胸と袖にはコレクションを示すのグラフィックがあしらわれ、ラウンドネックのTシャツもプレミアムコットンを使用し、前面にOfficina 8のシンボル、背面にコレクションの大きなロゴがプリントされている。また、このコレクションには、普段使いやバイクでの移動時にも便利なスポーツバッグと、Vespaファンへのプレゼントに最適なOfficina 8キーホルダーもラインナップしている。
【メーカー希望小売価格】
Sprint 150 OFFICINA 8 605,000円(税込)
GTV 300 OFFICINA 8 968,000円(税込)
関連情報:https://www.vespa.com/jp_JA/officina-8/
構成/土屋嘉久