かつて存在した秘宝館から譲り受けたSFエロを表現するマネキン
特に顕著なのが3階だ。
秘宝館の始祖とされ、各地で秘宝館を運営していた元祖国際秘宝館。3階には元祖国際秘宝館が運営していた、鳥羽SF未来館のマネキンが多数ディスプレイされている。
鳥羽SF未来館のコンセプトが「地球滅亡に始まる生命のドラマ」のため、1980年代初期に想像した近未来の人類滅亡に抗う様子が表現されている。
「マネキンはFRPという素材で作られていて、50年ほど前で1体制作するのに300万~500万円くらいかかったそうです。造形師さんに同じマネキンを作るとして、いくらだったらするか、と尋ねたら『1000万円もらっても絶対やりたくない』と言われました。制作過程がめちゃくちゃ大変みたいで、でも当時はその技術しかなかったから生まれたマネキンで、今となっては貴重ですね」(こんた女将)
作品を眺めながらお酒が飲める、バー「茶と酒 わかめ」
続いてバー「茶と酒 わかめ」のある2階に訪問。
ようやく一息、の前に、ここも夥しいほどの見どころがある。
昭和のエロ土産などが展示されている中で、ぜひ見てほしいのが春画人形。明治の末期~昭和初期に出回ったもので一見すると置物だが、裏返すと3次元で表現された春画が現れる。
当時、春画人形は縁起物だったそうだ。
「春画にはエロ本としての役割と、娘が結婚した際に嫁入り道具として持たせる意味合いがありました。ご両親が娘に性教育を教えるのは、すごく難しいじゃないですか。だから祖母や母が持っていた春画を、嫁ぐ時に持たされていたらしくて。春画人形をプレゼントしていたところから、縁起物とされたようです」(こんた女将)
「セックスをがんばれって、今の感覚だとおかしいって思うけども、当時の女性は子どもを産んでこそ、なんですよね」(こんた女将)
「結婚したら子どもを産まなければいけないプレッシャーは今よりも強かったので、春画をプレゼントする風潮があったと聞いています。今の時代だとセックスはいかがわしいものとして捉えられがちですが、昔は寝食と同じくらい大切なものだったんでしょうね」(こんた女将)
セックスが人間の営みに欠かせないという意見には真仲さんも大いに同調する。
「性は隠すものではなく、必要なものでオープンにしても恥ずかしいものではありません。性を当たり前とするカルチャーを作りたい、と『TENGA』や『iroha』もずっと考えています」(真仲さん)
性をフラットな目線で捉える「TENGA」の考えを反映する製品が「TENGA UNI(テンガ ユニ)」。宝石を象った石鹸のようにも見えるが、性別問わず使えるプレジャーアイテムだ。TENGA社の社員に使用感のテストをしてもらい、どの形状が気持ちよかったのか、試験を繰り返し、最終的に選ばれたのがカッティングの異なるこの4つ。
「ぷるぷるした伸縮性のある素材を採用しているので、男性器に装着したり、指にはめて女性器にあてがったりなど、様々な使い方で楽しめます」(真仲さん)