
忙しくて毎日の掃除が大変……そんな悩みを解決してくれるのが、最新のロボット掃除機。
ゴミの吸引だけでなく、水拭き掃除やモップの自動洗浄・乾燥機能まで搭載したモデルが登場し、家事の時短に大きく貢献してくれる。今回は、ロボット掃除機の王道ブランド「ルンバ(Roomba)」と、急成長中の新鋭ブランド「ロボロック(Roborock)の人気モデルを、家電ライター藤山哲人さんと一緒に徹底比較!DIME2025年9・10月合併号に掲載された内容を再編集してお届けする。
「吸引力」「水拭き性能」「モップ洗浄の自動化」「スマート機能」など、気になるポイントを詳しくチェックして、あなたにぴったりの一台を見つけよう。

家電ライター 藤山哲人さん
家電ライター。家電アニメ『宇宙人ムームー』の家電監修を担当。「マツコの知らない世界」に番組史上最多の6回出演。ライターのかたわら電子回路や機械設計、またプログラマとしても活動しており、家電の使いやすさや便利さはもちろん、内部から見た作り込みや問題点などにも精通している。

DIMEライター クワモト
eスポーツのプロ選手としても活躍していたDIMEのおなじみライター。最近は自宅でダックスフントを飼っており、抜け毛の多さに悩まされている。
水拭きロボット掃除機のトレンドと賢い選び方とは?
クワモト 最近犬を飼い始めたんですが、抜け毛が多くて、毎日掃除しないとすぐに部屋が汚れてしまうんです。でも自分でやるのは大変なので、ロボット掃除機を買おうかと考えていて。今の市場ってどんな感じなんでしょう?
藤山 ここ数年でモップの洗浄や乾燥、自動ゴミ収集といった機能が大きく進化しています。吸引力やモップの洗浄力も向上していて、機能性と利便性が高まった今は、ロボット掃除機を導入する絶好のタイミングといえます。
クワモト 僕のように初めて買う人だけじゃなくて、買い替えを検討している人にとってもいい時期かもしれませんね。
藤山 そうなんです。では、性能面と価格面のバランスが良い中価格帯モデルの中から、RoombaとRoborockの2製品を中心に見ていきましょう。まずRoomba『Roomba Plus 505 Combo ロボット + AutoWash 充電ステーション(Roomba Plus 505)』です。Roombaは2025年4月に全モデルを一新し、エントリーモデルを含む全ての製品に「LiDARセンサー」が搭載されました。
クワモト 「LiDARセンサー」ってなんですか?
藤山 車にも使われている技術で、レーザー光で距離や形状を測定するセンサーです。これにより、部屋のマッピングにかかる時間が数秒程度にまで短縮されました。
クワモト 初期設定に時間がかからないのはありがたいですね。
藤山 他社製品では導入済みでしたが、Roombaでもついに採用されました。加えて前方カメラの賢さも特徴です。映像データをリアルタイムでクラウドサーバに転送し、クラウドAIで物体を認識して、障害物を回避してくれます。
クワモト ロボット掃除機のノウハウが詰まったRoombaらしい機能ですね。
藤山 次にRoborockの『Qrevo C』を見ていきましょう。特徴的なのが本体のメインブラシです。
クワモト らせん状になっていて、中央で2つに分かれていますね。
藤山 この構造によって、毛が自然と中央の吸引口に集まるので、毛が絡まりづらくなっています。
クワモト 犬の抜け毛の多い家庭には嬉しいポイントですね!
藤山 本体の高さが10センチ未満なので、家具の隙間にも入り込めます。吸引力も高く、カーペットのゴミも取り除いてくれますよ。
クワモト うちは犬の足音対策でカーペットを敷いているので助かります。ペット持ちの家庭には『Qrevo C』が向いていそう。
藤山 一方でお子さんがいる家庭なら、『Roomba Plus 505』のように床に物が多くても使いやすい機種が向いています。椅子が多いダイニングでも問題なく動いてくれますしね。また一人暮らしの方なら、よりコンパクトでコスパの高いエントリーモデルの方が扱いやすいかもしれません。
クワモト 予算だけじゃなくて、間取りやライフスタイルもロボット掃除機を選ぶ上では大事な要素ですね。僕も導入して、手軽に清潔な暮らしを目指します!
ルンバ VS ロボロック、水拭きロボット掃除機&全自動ドック 2機種の性能を徹底比較!

ルンバの水拭きロボット掃除機の特徴

最大70倍の吸引力と「DualCleanモップパッド」で壁際までしっかり水拭きでき、スマートスクラブ機能で頑固な汚れも除去する。
さらに、AutoWashステーションがゴミの自動収集・モップの洗浄・温風乾燥まで全自動で行い、手間いらず。AIとLiDARによるマッピング&障害物回避も搭載し、ペットの排せつ物やコードも瞬時に認識・回避するのが特徴。
■LiDAR&DualCleanモップパッド搭載でマッピングや洗浄力が向上

Roombaは2025年4月にモデルを刷新。デュアルモップ搭載で洗浄力は向上し、LiDARセンサー導入でマッピング能力も飛躍的に進化した。
■壁際までの距離が18%近づいた!

モップパッドの壁際までの距離が18%近づいており、拭き取り力は2倍に。部屋の隅々を徹底的に掃除できる。
■床にモノが落ちていても平気!

LiDARでマッピングを素早く行ない、クラウドAIで椅子や配線などの障害物を的確に認識、回避する。2

■専用の洗剤で洗浄力UP
2025年4月に花王と共同開発した専用洗剤も発売された。ルンバの床拭きに適したオリジナル洗剤で、清潔感のあるさわやかな香りですっきりとした床に仕上げる。
ロボロックの水拭きロボット掃除機の特徴

5500Paの強力吸引に加え、回転式モップで床の汚れをしっかり拭き取る。自動ゴミ収集・モップ洗浄・温風乾燥を備えたステーションにより、掃除後の手間も大幅に軽減。スマートマッピングや障害物回避機能も搭載し、効率的かつ安全な掃除を実現した。アプリ連携で操作も簡単!
■12000Paの吸引力でカーペットに詰まった微細なゴミも見逃さない


12000Paでの吸引時は、メインブラシの回転速度も上昇。カーペットや隙間に溜まったゴミも効率的よく除去してくれる。
■部屋の奥に溜まりがちなペットの毛を一網打尽!


2つに分かれた構造のメインブラシは、毛が絡まりにくいのが特徴。本体の高さも10cm未満と薄型で、家具の隙間に入り込み、溜まった毛やホコリを除去する。
結論!子持ち家庭ならルンバ、ペット持ち家庭ならロボロック
■藤山さんはRoomba派

「業界を長年リードしてきた実績とノウハウを活かしつつ、LiDARやデュアルモップといったトレンドもしっかり搭載。価格面でも抜かりなく、完成度の高い一台です」
■クワモトはロボロック派

「高い吸引力でメインブラシも毛が絡まりづらく、抜け毛の多い家庭向きの機能が豊富です。本体のダストボックスもフィルター含め水洗いできるから、ニオイ対策も万全!」
群雄割拠のロボット掃除機、目的や予算で選ぼう!
価格帯別おすすめモデル4選
長年Roomba一強だったロボット掃除機市場だが、いまや多数の競合メーカーが参入し、選択肢は大きく広がっている。選び方に迷う読者のために、価格帯別でおすすめモデルを紹介!
【ハイエンド】吸引も水拭きも妥協なしの高性能モデル

ECOVACS『DEEBOT X8 PRO OMNI 』オープン価格(実勢価格19万9800円)
●本体サイズ:W353.0×D351.5×H98.0mm/約5.3kg、充電ステーションサイズ/重量:W350.0×D477.0×H533.0mm/約7.5kg、吸引力:18000Pa、メインブラシ:ゴムと毛混合型、水拭き対応ローラーモップ×1、自動ゴミ収集対応
移動式ローラーモップで壁際もキレイ!
ローラーモップは壁側にせり出す可動式となっており、壁際の汚れも見逃さない。また毎分200回転しながら、すすぎ・洗浄・汚水の搾り取りまでを自動で行なうため、モップは常に清潔に保たれる。
【ミドルレンジ】加圧式モップで床はピカピカに

アンカー・ジャパン『Eufy X10 Pro Omni』9万9990円
●本体サイズ/重量:約W353.0×D327.0×H114.0mm/約4.6kg、ステーションサイズ/重量:約W366.0×D480.0×H460.0mm/約7.5kg、吸引力:8000Pa、メインブラシ:ゴムと毛混合型、水拭き対応モップ×2、自動ゴミ収集対応
床の汚れが気になる人ならコレ!
やや四角みを帯びたフォルムが特徴。最大8000Paの吸引力に加え、2つのモップにそれぞれ約1kgの圧力を加えて〝押して拭く〟加圧式デュアルモップで床の汚れを徹底的に除去する。
【ミドルレンジ】水道直結で給水から排水まで全自動に!

SwitchBot『SwitchBot お掃除ロボットS10』11万9820円
●本体サイズ/重量:W365.0×D365.0×H115.0mm/約5.5kg、ゴミ収集ステーション(写真左)サイズ/重量:W260.0×D207.0×H412.0mm/約4.6kg、水交換ステーション(写真右)サイズ:W400.0×D165.0×H100.0mm、吸引力:6500Pa、メインブラシ:ゴム、水拭き対応ローラーモップ×1、自動ゴミ収集対応
任せっぱなしで家中がピカピカ!
専用の付属品を使い洗濯機に繋げることで、モップの洗浄乾燥はもちろん、給水や排水に至るまで全ての工程を自動化できる。掃除への手間を極力かけたくない人にオススメだ。
【ハイコスパ】LiDAR搭載で5万円台の衝撃

アイロボット『Roomba 105 Combo ロボット + AutoEmpty 充電ステーション』
5万9200円
●本体サイズ/重量:W335.0×D336.0×H104.0mm/約2.92kg、充電ステーションサイズ/重量:W171.0×D213.0×H293.0mm/約3.07kg、メインブラシ:ゴムと毛混合型、水拭き対応モップ×1、自動ゴミ収集対応
ワンルームの一人暮らしに最適!
エントリーモデルながら、同社『Roomba 600』シリーズ比70倍の吸引力に加え、LiDARも搭載している。基本性能が充実しており、一人暮らしにピッタリな一台といえる。
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文/桑元康平=すいのこ 撮影/山出高士 編集/千葉康永 Web記事再編集/井田愛莉寿
※本記事内に記載されている商品の価格は2025年6月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。