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9月1日からの防災週間を前にあらためて「備蓄」について考える

2025.08.24

9月1日の防災の日をきっかけに災害に備えた備蓄、防災グッズを見直そう

9月1日は関東大震災が発生した年であり、9月は台風シーズンを迎える時期でもある。1960年には9月1日を「防災の日」と定めるとともに、1982年からは9月1日の「防災の日」を含む1週間を「防災週間」とすることになったのである。

今年の夏は日本全国で気温36度~40度という記録的な猛暑に見舞われ、災害級の大雨が降った地域もある。そして地震災害大国の日本では、南海トラフ地震を始め、いつ、どこで大きな地震、大災害が襲ってくるか分からない。

本当に必要なもの 意外に必要なものとは?

そこで、災害に備えた備蓄、防災グッズについて、東日本大震災で被災した筆者の経験から、本当に必要なもの、意外に役立つものを紹介したい。必要な防災グッズは家族構成や住宅環境によって異なるため、それらを基本として、自身、家族にとって最善の物を用意していただきたい。

ちなみに、東日本大震災における電気、ガス、水道といったライフラインの復旧状況は以下の通り。

電気 当日10.8%、1日後52.2%、3日後78.8%、1週間後98.6%
ガス 当日0%、1週間後9%、2週間後13%、3週間後42%、5週間後99%
水道 当日~1日後0%、3日後50%、1週間後66%、2週間後88%、3週間後99%

しかし、水道の場合、上水が復旧しても、下水道が使えなければ、水は使えない(流せない)から深刻である。東日本大震災の際、筆者の住む地域では計画停電が行われたほか、1カ月近く下水道が使えず、昼夜を問わず公園の防災用トイレのお世話になったのである(もちろん、風呂も使えない)。

画像はイメージ

●家庭内備蓄

最低限必要なものとしては、飲料水(ボトル入りミルラルウォーター)、食料(ローリングストック)、カセットコンロ(+ガスボンベ)、ウェットティッシュ、災害用トイレ、ライト類、スペア電池、モバイルバッテリー、常備薬、ヘルメット、軍手、マスクなどが挙げられるが、見落としがちなのが、ラップだ。筆者が東日本大震災で被災した際、上下水道が使えなくなり、ペットボトルの水(しばらくたって自衛隊の給水に助けられた)の用意はあったものの、当然、台所の水道は使えない。ガスまたはカセットコンロが使え、食事を作ることができたとしても、お皿などを洗うことはできなかった。しかしながら、お皿にラップを敷いて使えば、お皿を汚さずに済むわけだ(汚れたラップだけ捨てればいい)。手洗いはウェットティッシュ、または後に紹介する「緊急手洗いボトル」を代用した。コンビニでお弁当を買った時などにもらえる割りばし、プラスチック製スプーンなども平常時は使わず、ストックしておくといいだろう。カセットコンロはアウトドアにも適する、風よけがついているものを含め、わが家では2つを用意している。

ちなみに、わが家のローリングストックしている非常食は、カップ麺、具沢山のスープパスタの2種類が主。カップ麺は汁をすべて飲み干すと喉が渇くため、捨てられるように汁の凝固剤を合わせて用意(100均)。具沢山スープはすべて飲み干せるので、汁を捨てる必要がないため、重宝している。

断水時にはペットボトルシャワーが活躍する

水道が使えないとすれば、衛生のための手洗いも困難になる。そこで、飲み終わったペットボトルの下部の一方向にキリなどで小さな穴をいくつか開けた、水がシャワー状に出る「節水型緊急手洗いボトル」を作るといい(筆者はあらかじめ作ってある)。わが家では、賞味期限の切れた500mlのミネラルウォーターボトルを保存してあり、その水とカセットコンロ、鍋を使ってレトルト食品の暖め、手洗い用に使うようにしている。「緊急手洗いボトル」はキャップの蓋を閉めたまま水を入れても、ボトル下部に開いた小さな穴からは水は漏れない。しかし、キャップを開けると小さな穴からシャワー状に水が出る仕組みになっている。

ペットボトルの飲料水は500mlと2Lの両方を用意するべき意味とは

飲料水となるペットボトルのストックにもコツがある。1人1日3L×1週間分のストックが推奨されているが、2Lのミネラルウォーターをストックしている人も多いはず。が、筆者は2Lと500mlのミネラルウォーターの両方、比率としては4:6ぐらいでストックしている。というのは、コップが洗えない状況下では、飲料水としては500mlのペットボトルを短時間で飲んでしまうほうが衛生的だからだ。そうした飲料水や電池などの備蓄品は、家内一カ所にまとめるのではなく、数カ所に分散(2階建ての一軒家なら1階と2階に)しておくと、より安心、万全である。ちなみにペットボトルの水の賞味期限は、ペットボトルの素材=PETが僅かに気体透過する性質があるため、水が蒸発し、容量が微量に変わってきてしまうために決められている。内容量が微量に減ってしまうと、計量法違反になるからで、適切な保存、未開封であれば賞味期限後も飲めないわけではないとのことだ(保存方法や賞味期限後の期間による)。もちろん、開封したらすぐに飲み干すようにしたい。

非常用トイレの余裕あるストックこそ災害時の大きな安心になる

災害時には上下水道の被害から、トイレが使えなくなることもある。非常用トイレをストックしている人も多いはずだが、自宅の便器が無事である場合の最善の方法は、BOSの非常用”臭わない”トイレセットのように、長期保存が可能で、使用後の臭いまでしっかりと対策されているものを選ぶこと(当分、ゴミの収集は期待できない)。家族分、最低1週間分のストックは不可欠だ(4人家族なら1日5回分×7日で35回分。できればそれ以上)。

が、非常用トイレセットがあるから安心、ではない。トイレットペーパーの災害用ストック、ペーパータオル、手洗い用の代用になるウェットティッシュも併せて必要だし、万一、家のトイレの便器が地震などで壊れてしまったことも考慮し、ポータブルトイレの用意があるとより安心だ。筆者の家では、使わないときにはコンパクトに折り畳め、クルマのトランク、それこそ軽自動車のラゲッジルームにも無理なく積み込め、椅子としても利用できるデザイン性のあるセイワのIMP309ポータブルトイレ+簡易トイレ10(オンライン限定商品)を用意している。屋外で使うことも考慮し、合わせて着替え用テントも揃えておくといい。

セイワのIMP309ポータブルトイレ+簡易トイレ10
セイワのIMP309ポータブルトイレ車載例

●避難リュック

多くの人が避難リュックを用意しているはず。その中身は人それぞれに必要なものを”できるだけ軽く”用意するのが基本。リュックを含む重量は、男性で15kg、女性で10kg程度と言われている。それは、背負って移動する際に体力を消耗しない重量ということ。ここで、意外と思うかもしれないが、警視庁のライフハックにあるように、重いものは底ではなく、中心部分に入れると、背負いやすい。さっそく、避難リュックの中身、詰め方をチェックしていただきたい。

筆者の避難リュックは、全体がリフレクター生地になっていて、普段使いには派手すぎるものの、夜間の避難での安全に直結するものを選んでいる。合わせて、家族用には、引手のあるキャリー&リュック両用のリュックも用意。両手を空けなければならない場面、瓦礫の道ではリュック、そうでない場面では、リュックを背負う負担のないキャリーケースとして利用できる二刀流である。

もう1点、避難リュックに詰めるアイテムで重要なのは、季節によって一部の中身を変える(衣替え)こと。夏と冬では下着、靴下なども変えて当然であり、夏は虫避け、かゆみ止め、冬であれば、貼るカイロなども不可欠と言っていい。

●災害用ベスト

わが家では、家族分の、多ポケットの災害用ベストを用意している。アウトドア、釣り用にもあるアレである。そこにLEDライト、ラジオ、ホイッスル、ティッシュ、ウェットティッシュ、圧縮タオル、キズテープ、グローブ、下着、ポンチョ、片手で食べられる羊羹、お金などを振り分けて入れてある。大きめの前面下ポケットは即座に財布をしまえるように空けておくのもポイントとなる。この災害用ベストは避難時だけでなく、避難所生活で貴重品などを肌身離さず身に着けておけるメリットも絶大なのである。※避難専用に用意したショルダーバッグでも代用可。

左右に下がっているのはミニLEDライト
背中にも大ポケットがある

●ヘルメット&照明

夜間の避難時には足元、進む先を明るく照らす照明も不可欠。しかし、懐中電灯などを手に持つのは避けたい。そこで筆者はヘルメットに100均でも売っているLEDヘッドライトを装着。さらに足元を照らすパナソニックのLEDネックライトを家族全員分用意している。この方法なら、手に懐中電灯を持たずに足元、進む先を明るく照らしてくれるというわけだ。

●車内備蓄

災害時、クルマが無事であれば、エアコンが効き、ラジオ(またはTV)からの情報収集ができ、スマートフォンの充電もでき(充電ケーブルのスペアを含めた車載をお忘れなく!!)、シートを倒すことで横になることもできる、プライバシーが守れる”緊急マイ避難所”になりうる。ハイブリッドやPHEVモデルなど、AC100V/1500Wコンセントが装備されているクルマなら、家庭用と同じAC100V電源を確保でき、簡易電子レンジや湯沸かしポットなどを使うことも可能になる。

AC100V/1500Wコンセント使用例
日産セレナのフラットアレンジは快適

わが家では、ステーションワゴンの車内にも最低限の備蓄、カーテン、ブランケット、寝袋、LEDランタン、非常用トイレなどのアイテムを用意。ボルボでは車載用の避難リュック(避難用品入り)も販売している。今一度、愛車のシートのフラットアレンジの可否、アレンジ方法を確認しておきたい。

地震、災害大国の日本の9月1日は防災の日、そこから一週間は防災週間。この機会に、備蓄、避難用品を改めてチェックし、見直し、補充し、いつやってくるか分からない災害時に、”デマに”迷わされることなく備えていただきたい。その準備があれば、災害をただ恐れるのではなく、立ち向かえる勇気を与えてくれるかも知れない。

文・写真/青山尚暉

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