
スマホではなくスマートモニターを選ぶ理由
BMW「R1300GS」には豊富なオプションが用意され、欲しいと思った装備はほとんど揃うが、完璧ではない。私が欲しかったのはスマートモニターである。なぜなら、ドゥカティに乗っていたときに見ていたのはスマホのカーナビ機能で速度もリアルタイム表示されるため、バイクのメーターで見るのはトリップメーターぐらいだった。R1300GSのナビホルダーを利用して直接スマホをメーターの上に固定する方法もあったが、そうしなかったのは暑さでスマホがブラックアウトするのを避けたかった。あとはドライブレコーダーとの連携、視認性、防水防塵性などが挙げられる。
そこで、選んだのがAKEEYO「AIO-6 LTE」である。なぜならBMWのナビホルダーに取り付け可能で、電源供給ができ、BMWマルチコントローラー対応、60fpsのカメラによるドライブレコーダー機能、防塵防滴IP69K、GOPROまたはInsta360とのカメラ連動、Apple CarPlayとAndroid Auto対応、そして業界初の4G通信機能を採用。本機はスマートモニターのベストセラーシリーズの最新作で、Makuakeのプロジェクトとして開始され、必要な金額の3656%を集めて終了後、一般販売されているモデルなのだ。
新機能4G通信がライダーとバイクを見守る
「AIO-6 LTE」には4G通信機能が搭載され、付属のナノSIMを挿入することでアクティベートされる。これを使いスマホにインストールした専用アプリ「CHIGEE GO」との連携で新機能が使える。付属SIMは6ヶ月間無料で使え、その後は2GB/半年間30ドルまたは5GB/年間50ドルのチャージで継続して使用が可能。自身のSIMカードを使う場合、年間50ドルのアプリサービス料+通信費がかかる。通信機能が失効してもGPSなど他の機能を使えるため、6ヶ月間使ってみて継続するかどうかを決めれば良いだろう。
ツーリングで役立つのがバイク位置のリアルタイム追跡。ランチや観光中に駐めたバイクの位置を確認、さらに振動や衝撃を検知してスマホへの通知が届き、ドラレコのカメラを使ってリアルタイムで映像が見られる。また、走行中に転倒などの事故を起こした場合、予め登録した電話番号に電話して救急要請するライダー見守り&SOS緊急連絡機能が使える。また、詳細な走行記録をリアルタイムで記録してくれる。これだけの新機能が4Gによって実現された。
スマホとつながる拡張性、シームレスな体験
スマートモニターとしての本命機能、スマホとの連携はどうだろう。最初に連携設定を済ませれば、次回からは「AIO-6 LTE」の近くにiPhoneがあれば自動接続して「CarPlay」画面を表示できる。iPhoneで起動中の対応アプリも使えるのでGoogle マップによるカーナビ、メッセージ、LINEの通知、電話の応答などもできる。音声はBluetoothでインカムなどに出力できる。
走行時に表示していたのは、ほぼGoogle マップだった。明るい日差しの下でもトンネル内でも視認性は良好で、マップが見にくいと思ったことはない。iPhoneはタンク上の小物入れに入れてUSB充電していたので、走行中に画面がブラックアウトしたのは1度だけだった。それより困ったのは圏外になってマップが表示されなくなることだ。これはオフラインでも表示できるように北海道のマップデータを予めダウンロードしておけば回避できる。ナビは停車して操作するためマルチコントローラーに切り替えるより、タッチで操作することが多かった。画面の反応はよくキビキビと動いた。
「AIO-6 LTE」はバイクにガッチリ固定されてるため駐車時に着脱の必要がなく、スマホを直接、バイクに取り付けた場合の着脱の手間を考えるとスマートモニターの便利さを実感できた。またGOPRO「HERO13」とInsta360「X5 BMW Motorrad」のリモコン操作機能も便利で、特にどんな画像が撮れるかモニターできるのが役立った。これらの機能と操作性、サイズ、BMWとの親和性を考えると、ツーリングに欠かせないR1300GSに一推しのスマートモニターは「AIO-6 LTE」で決まりと言えるだろう。
写真・文/ゴン川野