
約40年にわたってトレンド/モノを紹介してきた小学館の雑誌「DIME」。発売中のDIME9・10月合併号では発売からガンプラ45周年を記念し、その軌跡をまとめた大特集を掲載中だ。本記事ではその特集からガンダム作品のひとつ『ガンダムビルドファイターズ』で描かれるような〝自分で作ったガンプラを動かす〟ことを実現する『ガンプラバトルVR』について、開発担当者に取材、プラモデルの楽しさを世界中に広めるアイドルグループLINKL PLANETの尾本さん、佐藤さんに体験してもらった記事を紹介する。
担当者に聞いた「ガンプラバトルVR」最新版”Ver.2.0″でできること
開発の経緯と狙い
自分が作ったガンプラに乗ってみたい──。ガンプラ好きなら一度は思い描く夢を叶えるプロジェクトがスタートしたのは、2018年のことだ。「ガンプラバトルVR」の最新版に関する取材に対応してもらった担当者は、当時のことについて次のように振り返る。
「最初はVRにも非対応で、3Dでスキャンしたガンプラをモニターに投影し、家庭用ゲーム機のコントローラーで操作するというものでした。その後、体験者からのフィードバックをもとに改良を重ねて、2025年には『ガンプラバトルVR Ver.2.0』としてテストイベントを開催しています。VRだけでなくMSのコクピット風の操縦席も導入し、より臨場感を感じるようになりました」

最新版では対応するガンプラが増え、改造した状態も映像で再現できるようになってきている。
「HG、EG、RGといった1/144、またはSDCSやSDEXのSDサイズのガンプラが対応可能です。頭部や手足が揃った人型であれば、かなり自然に動かすことが可能になりました。もちろん複数のガンプラを組み合わせた機体でも大丈夫。兼ねて要望の多かった非人型への対応も進めていて、明確な頭部がない『ズゴック』も使えるようになります」

LINKL PLANETの尾本さんと佐藤さんにも、自身のガンプラで体験してもらったところ「ここは……宇宙の中?」「操作が難しい……!」などと戸惑いながらも、次第に操作に慣れ、ターゲットのネオ・ジオングの撃破に成功! 戦闘を終え、達成感に包まれていた。


「おふたりのように達成感に満たされて放心状態になる人もいれば、自分のガンプラと対面して涙を流す人もいます。中には『ガンプラバトルVR』を体験したくてガンプラ作りに初挑戦した人もいました。ガンプラの新しい楽しみ方として、さらに進化させていきたいです」
「ガンプラバトルVR」の楽しみ方
まずは3Dでスキャン!ガンプラのフォルムから機体性能が設定される

ロボットアームと3Dスキャナーによるスキャンは、わずか5分ほどで完了。スキャンの都合上、ガンプラのサイズは縦15cm、横15cm、奥行き10cmの空間に収まる必要があるという。ガンプラの形状や改造の状態に合わせて「パワー」「スピード」「マルチ」の3タイプに自動分類される。最新版では武器が「ビーム・ライフル」「近接攻撃」「拳」のほか「マシンガン」「バズーカ」も選択できるようになった。
自分で作ったガンプラの巨大映像が出現!指示に従っていざ出撃

ガンプラをスキャンして3Dモデリングを作成している間、プレーヤーは操作のチュートリアルを受ける。その後、自分のガンプラに乗り込んで出撃し、ミッションがスタート。出撃時には風や振動が起こり、気分も最高潮に! 担当者によれば体験者が一番喜ぶのは、格納庫で等身大になった自分のガンプラと〝対面する瞬間〟という。
ラスボスが登場!チートな全方位攻撃に圧倒される

ミッションの最終フェイズでは、巨大MAネオ・ジオングとの戦闘が待ち構えている。ここまでに身につけた操縦テクを駆使して、オールレンジ攻撃をかい潜りながら自分の攻撃を叩き込む。最後は与えたダメージや被弾数に応じてスコアが表示される。体験者は自身がプレーした映像をもらえるとか。作ったガンプラが動く様子を見ていると愛着が湧くだけでなく、ガンプラ制作の意欲向上にもつながるようだ。
体験したLINKL PLANETのおふたりの感想
手に汗握る迫力!何度も挑戦したくなる
「自分が作ったガンプラのパイロットになれるなんて夢のようです! 出撃時に『オモト、行きま~す!』と言えたのが大満足。ぜひ皆さんにも体験してほしいです!」(尾本さん)。
「風や振動がリアルに伝わってきて本当にすごかった。まるで自分がアニメの主人公になった気分! 興奮していたら終わってました(笑)」(佐藤さん)。

その他、本誌の特集から抜粋した記事ではガンプラの新作情報、歴史を振り返る記事やプロモデラーのオオゴシトモエさんや「月刊ホビージャパン」の木村編集長に話を聞くなどしている。
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取材・文/峯 亮佑
撮影/藤岡雅樹
編集/田尻健二郎
WEB再構成/吉田博明
©創通・サンライズ