
約40年にわたってトレンド/モノを紹介してきた小学館の雑誌「DIME」。2025年9・10月号ではガンプラ発売から45周年を記念してその軌跡をまとめた特集を掲載中。本記事ではその特集の中から「GBWC」についての内容を再構成した。『機動武闘伝Gガンダム』では各国の代表がガンダムで戦い、優勝を目指していたが、ガンプラでも、各国のモデラーが「GBWC」で、その技術を競っている。優秀な作品とともに、その実態を実際に審査員の一人も務める染谷さんに聞いた。ガンプラ上級者は世界のモデラーのアイデアと技術力に触れ、実際にガンプラを制作する際のヒントとしてほしい。
GBWC(ガンプラビルダーズワールドカップ)とは

BANDAI SPIRITSが主催する公式ガンプラ世界大会。年齢別3コースで実施。1次、2次の予選、決勝戦を経て、選ばれた日本大会優勝作品は日本代表として世界大会決勝戦へと進出する。
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スケジュール

コース
GWBCは応募するモデラーの年齢によって下記の3コースに分かれる
- U-14コース:6歳以上14歳以下
- U-20コース:15歳以上20歳以下
- OVER-21コース:21歳以上
審査方法
工作・塗装・アイデアの3項目で採点
審査員
安永亮彦さん(GPWC審査委員長)
BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン審査員
模型誌編集部審査員

お話をお伺いした方

BANDAI SPIRITS
ホビーディビジョン 企画担当
染谷 潤さん
2020年に入社し、ガンプラの企画・開発業務を行なっている。入社前には自身でGBWCに応募するほどのガンプラビルダーでもある。
審査員を務めた染谷さんに聞くガンプラの国際的広がり
ガンプラは日本だけでなく、アジアやヨーロッパでも販売され、海外での販売割合は約5割にものぼる。その人気を受けてBANDAI SPIRITSでは2011年からGBWCを開催。その審査員のひとりを務める染谷 潤さんは、こう話す。
「ガンプラが世界規模で拡大していく中で、世界に向けたコンテストがあってもいいのではないか……と考えて開催しました」
年を追うごとに出場者が増え続け、24年度の大会では全世界から1万人以上ものモデラーが参加。国際化も進み、海外からの応募も増加している。やはりアジア勢が多いが、近年は欧州や北米の出場者も増えており、ガンプラを通したアイデアを〝爆熱〟させているという。
「海外の方のほうが自由な発想の作品が多い印象ですね。たとえば、大きな『ガンダムエクシア』の前に小さいエクシアが寝ていて、カッコイイ自分の姿を妄想している……という夢オチのような作品がありました。逆に、劇中のシーンの再現やMSの設定感の再現は日本人のほうが得意な印象があります」
来年2月7日に世界決勝戦が行なわれるGBWCは、エントリーが始まっている(8月31日まで)。奇しくも『機動武闘伝Gガンダム』と同じ〝第13回〟となる大会だ。
「受賞した作品を見ると怖気づいてしまうかもしれませんが、まずはひとつ作ってみて、応募してほしい。GBWCを通じて新たな仲間とつながれるかもしれません。GBWC目指して『レディー・ゴー!』」
前回大会の優秀な作品
U-14コース 『Dear Nicol…』(ビルダー:yuwa-c、エリア:日本)
未発売のガンプラを生み出す技量とホロリとするストーリーに感動!

これは1/60なのですが、SEEDに登場した「デュエルガンダム」は未発売なので、ほかのPGをベースにしたのかと……。正直どうやって作ったのかわかりません(笑)。地下に眠るニコルの愛機を哀悼する……という物語性もある素晴らしい作品です。(染谷さん談)
U-20コース『God of Kungfu』(ビルダー:ZHANG JUNHUIさん、エリア:中国内地)
さりげなくあふれ出す「Gガンダム」愛に天驚!

商品としては発売していないMSも他のキットを使用しながら、とても上手に『機動武闘伝Gガンダム』の世界観を表現されています。「武神」の抜き文字も手作りで、こだわりと愛を感じました。(染谷さん談)
OVER-21コース『Loading…』(ビルダー:Ryan Lauさん、エリア:カナダ)
いざガンプラバトルへ。その一瞬を詰め込んだ

ポージングを含めて演出がとてもうまく、ガンダムが一体浮いているだけなのに存在感があります。テクスチャーのような塗装や浮いているチップなど、細部まで世界観再現が完璧ですね。(染谷さん談)
その他、本誌の特集から抜粋した記事ではガンプラの新作情報、歴史を振り返る記事やプロモデラーのオオゴシトモエさんや「月刊ホビージャパン」の木村編集長に話を聞くなどしている。
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取材・文/金子長武
撮影/佐々木和隆
編集/寺田剛治
WEB再構成/吉田博明
©創通・サンライズ