
免許証の写真って、なぜかいつも「なんか違う…」と思ったことはありませんか?スマホで撮る自撮りや証明写真とは違って、なぜか顔がのっぺりして見えたり、老けて見えたり…。実はこれ、撮影環境と服装の選び方が大きく影響しているんです。今回は、DIME編集部が年間100件の様々なお客様の悩みに服装コーディネートを行なっている服装のプロ、パーソナルスタイリストの勅使河原さんに取材をして、免許証写真を盛るコツを紹介します。
免許証写真で失敗する理由とは?
そもそも、免許証写真はなぜ失敗するのだろうか。答えは「カメラ性能」。
免許証写真に使われるカメラは、あくまで「記録用」だ。美しい写真を撮るための照明や補正機能はほとんどない。そのため、顔全体が暗く見えたり、影が強く出てしまうことがある。
「顔が平面的に見える“のっぺり感”や、肌がくすんで老けて見えるのは、照明が弱く、立体感が出にくいことが原因です」と勅使河原さんは解説する。スマホや証明写真と比べると、顔の立体感や血色感が出にくく、どうしても“写真写りの差”が出やすくなるのだという。
服装で差をつける!免許証写真のおすすめスタイル
カメラ性能の問題を服装で買い決意できるのだろうか。勅使河原さんの答えは「もちろん、できます」とのことである。服装のコツを解説してもらった。
「顔写りを良くするなら、淡い色のトップスがおすすめです。特に淡いピンクは肌のトーンを自然に明るく見せてくれます。白やベージュ、ライトグレーも顔の輪郭がはっきりするので選ぶと良いでしょう」
襟付きのトップスや首元が詰まったデザインも効果的。顔まわりに締まりが出て、のっぺり感を防ぎ、写真全体にメリハリが生まれる。さらに、膝の上に白いハンカチを置くと、顔に光を反射させる“レフ板効果”になることもあるそうだ。
逆に避けたいのは、背景と同化する青色の服や、鮮やかすぎる赤や黄色のトップス。
「青背景だと顔がぼやけて見えたり、赤や黄色は目がチカチカして印象が落ち着かなくなります」という。
オフショルダーやノースリーブなど露出が多い服も、写真では上半身が裸に見え、だらしない印象になりがちなので注意が必要だ。
メイクでも差が出る!免許証写真向けのポイント
さらに一歩進んで、メイクの工夫ができるようになるとより盛れるという。
「免許証写真は光の当たり方が弱く、顔が平面的に写りやすいので、ツヤ系のリキッドファンデーションで立体感を出すのがコツです。まつ毛は上げて目をぱっちり見せ、アイライナーは黒ではなく茶系で優しく入れると自然な印象に。チークは広めに入れて血色を加え、リップはコーラル系の薄めカラーを選ぶと唇だけが浮くのを防げます。逆に、マットなベースメイクや大粒ラメのアイカラー、濃い黒アイライナー、鮮やかすぎるピンクのリップは、免許証写真では顔全体のバランスが崩れやすくなります」(勅使河原さん)
一番簡単に取り入れられるのはトップス
勅使河原さんが選ぶ「盛れる免許証写真」の最重要ポイントはズバリ”淡いピンクのトップス”。
「メイクは人によって好みがありますが、トップスの色を変えるだけなら簡単ですし、自然に肌色が明るく見えるのでおすすめ」と一押し。
免許証写真は、撮影環境が制限されているぶん、ちょっとした工夫で大きく印象が変化する。
顔の立体感を意識した服装と、光を活かすメイクで、のっぺり感や老け見えを防ぎ、自然に明るく写るように心がけましょう。免許証の更新は3年もしくは5年が一般的。一度、失敗した写真を撮影してしまうと長い間我慢が必要になる。
次回免許更新の際には、淡いピンクのトップスで、写真写りをワンランクアップさせてみてはいかがだろうか。
取材協力/勅使河原祐子さん(パーソナルスタイリスト)
取材・文/峯亮佑