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ファミチキが超巨大化!?SNSで話題の「ざっくり40%増量」を計測してみた

2025.08.15

ファミリーマートの『ざっくり40%増量キャンペーン』。今や日本の夏の定番イベントとなっている。

これは「ざっくり40%増量」なので、本当にちょうど40%増しになっているとは限らない。中には40%に満たない商品もあるが、一方で「重さを測ったら80%増量だった。ファミマの上層部は算数ができない」という嬉しさ故の批判も巻き起こっている。

2021年から毎年行われるようになったこのイベント、しかし4年前よりも「イベントの意義」が大きく変容している点にも注目する必要がある。当初は単に「あの商品が40%も増量されている! やったー!」という程度のものだったはずだが、今や年に一度のお盆休みを彩るために欠かせないイベントになってしまったのだ。

「巣籠りの年」に生まれたキャンペーン

ファミリーマートのざっくり40%増量キャンペーンの花形商品と言えば、何と言ってもファミチキではないか。

1枚の税込価格240円のファミチキが、キャンペーン期間中はそのまま横に広がる形で大きくなる。これは極めて大きなインパクトをもたらすビジュアルで、SNSでもよく取り沙汰されている。2021年、40%増量キャンペーンの存在を世に知らしめた功労者はやはりファミチキだろう。

この2021年という年は、誰もが「巣籠り」をしなければならない時期でもあった。

2020年に世界中の人を恐怖のどん底に陥れたCOVID-19。2021年も状況は変わらず、むしろデルタ株というさらに致死率の高い変異株の登場により、ますますの外出自粛を強いられるようになった。もっとも、「外出自粛」とはどのような状況下でも居住移転の自由が憲法で保障されている日本のみでの言葉であり、それ以外の国では法的強制力のあるロックダウンを実施した。

そのため、パンデミック期の日本の生活は「牢獄の中の暮らし」ではなかったが、代わりに足首に鉄球を装着されているかのような具合だった。居住の市区町村とその周辺地域の移動は何とかできるが、それ以上の遠出はできない。

そんな状況において、近所のコンビニで購入できるスナックは重宝された。キャンペーン期間中に40%も大きくなるファミチキは、パンデミックの閉塞感に苛まれる日本人の心に一筋の光を与えたと言ってもいいかもしれない。

2週目初日の夕方までに売り切れ!

しかし、そこから状況は大きく変わった。

日本は数十年ぶりのインフレ時代に突入し、食料価格が目に見えて高騰した。1984年生まれの筆者も含めて、多くの日本人はまさに「人生初のインフレ」を経験してしまったのだ。

同時に、ファミリーマートの40%増量キャンペーンの意義も変容していく。

筆者が8月12日から発売される2週目商品を買おうと近所のファミリーマートを訪れた時、既に該当の商品は棚からなくなろうとしていた。時刻は午前11時。もちろんこれは、2周目初日の8月12日の出来事である。どうにか入手することができた商品はファミチキと『たべる牧場ミルク』、『サクサクか~るいチーズスナック』。本当は『こだわり納豆の納豆細巻寿司』も欲しかったのだが……とここで愚痴っても始まらない。

そして、その日の夕方のことである。同じ店舗にもう一度行ってみたが、午前まで僅かにあった商品は完全になくなっている。ならば、他の店舗にも行ってみよう……と考えてそれを実践したが、結果は同じ。静岡市内の数店舗を回ってみたが、ファミチキ以外の40%増量商品に巡り合える瞬間は二度と訪れなかった。アイス用冷蔵庫の『たべる牧場ミルク』が入っていたスペースだけ空になっている光景は、どういう表現を使ったらいいのか分からなくなるほどシュールなものだった。

つまるところ、このキャンペーンは物価高に苛む我々の喉を一時的にでも潤す水滴になっているのではないか。

「里帰りの季節」にキャンペーンを実施する意義

このキャンペーンを8月に行うことの意味合いは、極めて大きい。

8月は、多くの日本人にとっては「里帰りの季節」である。

市営の集合住宅に住まう筆者の近所にも、東京から子供たちがやって来る。ここには彼らの祖父母が暮らしているのだ。そして祖父母の視点から考えてみると、遠くから訪ねてきてくれた孫たちに何か美味しいものを振る舞いたい。もちろん夕食は祖母が腕を振るって料理を作るだろうが、昼食や昼過ぎのおやつはそれよりも簡単なもので済ませる……という場合が大半ではないだろうか。

それは決して「手抜き」ではない。肉体的な負担を避けつつ、できるだけ孫を喜ばせるための一工夫である。

そんなシチュエーションを想定してみると、ファミリーマートの40%増量商品は夏のバカンスシーズンを少しでも楽しく、そして明るく彩るために必要不可欠なものになってしまった……と見ることができるのではないか。

「なってしまった」と敢えて表現するのは、その背景に物価高という名の痛みが見て取れるからだ。

言い換えれば、2025年の日本に住む人々は物価高の時代をどうにか乗り切るための知恵を、文字通り全力で模索しているのだ。今年の夏も、例年とできるだけ変わらないくらいのご馳走を孫のために用意したい。そうしたささやかな願望を、ファミリーマートの40%増量キャンペーンは叶えてくれている。

【参照】
おかげさまで5年目!真夏のおトクな3週間が今年も始まる!「お値段そのまま デカくてうまい!!ざっくり40%増量作戦」8月5日(火)から開催-ファミリーマート

文/澤田真一

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